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拳立てから下段払い
入部した初日から、平野は稽古に参加する事になった。
最初に会った主将から「お前以外の奴は全員、校門でスカウトした奴等」と聞かされた。
4、50人、新入生がいたが、殆ど、イヤイヤ入部させられた、と平野は感じた。
「さあ、稽古を始めるぞ」と主将が言い、皆、正坐し、黙想の後、立ち上がり、正面に礼し、お互いに礼し、稽古が始まった。
稽古は、いきなり、拳立て100回から始まった。
殆どの新入生は、10回で潰れた。
「こら、気合いを入れろ」と先輩達が言い、新入生は力を振り絞り、拳立てを続けたが、また10回で潰れる者が殆どだった。
平野もキツイと思ったが、体力には自信があったので何とか続けた。
しかし、50回を超えると限界を感じ始めた。
「よし、そこまでで止め」と主将が言った。
「平野。よく頑張ったな」主将は、そう言うと「立って四股立ちになれ」と新入部員に命じた。
新入部員は主将の四股立ちを真似て構えた。
「ケツが出てるぞ。引っ込めろ。もっと腰を落とせ」と主将は新入部員に言い、「よし、今から前蹴りの下段払いをやる。ちゃんと受けないと腹を蹴られるぞ」と言った。




