ラーメン
土曜日の夜の練習後、お母さんや峰元さんとラーメンの話になった。
「ラーメン美味しいですよね〜」
「翼もよくラーメン食べに行ったりするの?」
峰元さんがシューズをしまいながら言った。
「行きますよ。」
「最近友達との外食はラーメンばっかなんじゃない?」
お母さんが言った。
「そうなの?今時の女子高生はラーメン食べに行くのか〜。」
お母さんが「おじさんくさいですよ」とツッコミをいれた。私の勘では峰元さんは40代だと思う。
「僕もラーメン好き。」
奏多がポツリと言った。
「嘘つけー、お前ラーメンあんまり食べねえだろーが!」
峰元さんが奏多の頭を軽くチョップした。
「そんなことないよー。お父さんが選ぶラーメンは味が濃すぎるんだよー。」
必死に弁解する奏多。
「じゃあ、翼におすすめのラーメン屋に連れてってもらえよ。」
峰元さんが冗談めかしに言った言葉に奏多が目を輝かせた。
「行きたい!」
「え〜、奏多大丈夫〜?」
冗談だと思っているお母さんが笑う。
「私はいいですけど、電車乗りますよ?」
今私がはまっているのは、高校の最寄駅から徒歩10分のラーメン屋さんだ。あっさり目で美味しいスープのラーメンが食べられる。それに、値段も高くないから高校生に丁度いい。
「奏多電車乗れるのか?」
峰元さんが奏多をからかった。
「乗れるよ。」
「ちょっと、本当に行くの?翼、ちゃんと奏多の面倒見れる?」
胸を張る奏多と心配し始めるお母さん。
「たぶん大丈夫。」
小6にしては奏多はしっかりしている方だと思う。たぶん。
「翼の空いてる日ある?」
峰元さんに聞かれて、自分のスケジュールを頭の中に映した。
「基本的に日曜日は空いてます。」
「じゃあ明日行こうよ。僕も練習ないし。」
奏多がぐっと私に顔を寄せた。私は、本当に明日でいいのか峰元さんの顔を見た。
「そうだな。来週は週末空いてないし、翼がいいなら行ってこいよ。」
「翼も明日は何もないよね。」
お母さんが私の顔を見た。
「うん。課題も今日終わらせたし。」
「よっしゃ!」
奏多がガッツポーズした。
「翼、子守頼んでいいか?」
「はい!」
私も楽しみになって声のトーンが上がった。
奏多は「僕そんなに子どもじゃないよー」と峰元さんに反論していた。




