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エピローグ~神話は不確証故に浪漫がある~

 一つの命が尽きた。二度目の生を生き、一人の少女のために死に果てた少年は再び世に戻る。それこそが再誕の勇者タツの人生。偽りの神サルダージャを滅ぼすべく黄泉より帰りし魔人はサルダージャを殺すため、愛する者を護るために帰ってきたと伝わっている。その勇者は後にこう言い残したという。


『人が神に勝てない道理はない。俺達もまた神に作られた神の子供なのだから』


 何を思い、この言葉を残したのかは分からない。この言葉を聞いた者は皆、力をつけようと必死になったと言われてある。それは末代まで続き今もまだ力への向上心は失われていない。

 伝承では魔人タツは黄泉の国から戻ったとされるが元の世界に戻ったとも言われている。元の世界とは魔人の国のことだ。力を失い再びこの地に舞い降りた魔人はその世界のことをニホンと言ったと言われている。


 人の理から外れた魔人は従者を連れていたと伝えられている。その従者は男であり、また神により虐げられし獣人の子だった。名前は伝わっていない。

 そして肩には闇の精霊ユースベルを従えている。闇を操り、闇を闇で飲み込んだそうだ。そして両腕には想い人レミナスを抱えている。少女と言っても過言でない背丈は成人して以降伸びなかったそうだ。何より忘れてはいけないのは獣人の横にいたと言われている神性の少女ユミル。獣人の妻にして、生きながらに神となった現人神。ユミルが偽りの神サルダージャにトドメを差したと言われているのは今もなお生きているからだ。その真相は誰も知らない。



 歴史には謎が多い。それが真実とは決して限らない。魔人は更に言い残した言葉がある。人が今もなお力を得る努力を惜しまないのはその言葉があるからこそだ。


『努力を忘れるな。忘れたときに魔人は世を滅ぼすべく天上より現れよう』


 それが真実かどうかはさておき、この言葉のおかげで人は努力を忘れず、生きている。願わくばこれからもそれが続かんことを。

 最後の作者から一言。


「神話は不確証故に浪漫がある」


 ベル・クルファー著



「なんだこれ。ミリル、俺は本を読みたいと言ったけど伝承を持って来いとは言ってないぞ?」


 少年の言葉は部屋中に響き渡る不思議に思う者はこの部屋の中には誰もいない。その少年は黒のコートを身に纏い、黒のズボンを履いて全身真っ黒だ。身長は百七十はあるだろうか。黒い髪に黒い瞳、腰にはこれまた真っ黒の刀を腰に差している。柄だけ白いのは何故なのだろうか。


「タツにぃ、それしかなかったんだよ。タツにぃが全部呼んでしまったからね」


 そういうのはタツと言われた少年の腰くらいまでしかない背丈の少女だ。真っ赤に染まった髪は瞳の紅色と共に艶を醸し出し、少女ながらに妖艶に思える顔立ち、プロポーションは残念ながら幼女のそれと変わらないが左手の薬指に指輪がハマっているので結婚していることが分かる。


「お兄ちゃんも無茶を言うのはダメだよ。ミリルは神性何だから。代わりに私が相手をしてあげる」


 タツの目の前にとんと現れ膝に収まった少女は少女とは思えない程の色香を放ちながらタツの唇を塞いだ。長い黒髪に蒼色の瞳、ミリルと同じくらいの身長をしており、更にミリルと同じく指輪が薬指にハマっていた。


「相変わらずお熱いことね。私も羨ましくなっちゃう」


 ミリルの言葉は無視され、二人の唇が蹂躙され、くちゃくちゃという音のみが部屋を支配する。やがて満足したのか二人は離れたが少女は膝に収まったまま、タツに抱かれたままだ。


「お前にはダッカルがいるだろ」


「もうとっくの昔に死んじゃったわよ。ああ、何で私がとどめをさしちゃったのかな」


「お兄ちゃんが死にかけていたもんね。私も少しだけ危なかったし、ミリルしかいなかったもん」


 それはそうだけど、とミリルは不満そうに頬を膨らませて怒りを表した。それをタツは愉快そうに眺め、膝に乗せた少女の髪をとかしながら言った。


「あれから何百年も言ってるだろ。ダッカルには良いとは言われたがそれだけではいそうですかと言えるわけないだろ。俺に人妻を犯す趣味はないの」


「タツにぃ酷い。人妻じゃなければ良かったのに」


 よよよとミリルは床に座り込み泣いた振りをする。それを見てタツの膝に座っていた少女が立ち上がり、ふふと笑いながら言った。


「毎回同じコントして飽きないわね。お兄ちゃんは私の物だからミリルにはあげないよ」


「まぁなんだミリル。それもお前の性って奴だな。ダッカルに頼まれたからこうして来てやってるんだ。少しくらい感謝しろよな」


「むぅ、それもそうか。ありがとうタツにぃ、レナスねぇ」


「どういたしまして、ミリル」


 レナスねぇと言われた少女は再びタツの膝に収まった。それから彼ら三人は雑談を日が暮れるまで行っていた。


「さて、帰るか」


「そうだねお兄ちゃん」


「もう帰るの?もうちょっといてもいいのに」


「天上へと帰る時間だからな。ミリルまた数ヶ月後だ」


「そっか……ダッカルがいないから寂しいな」


 ミリルは儚げに笑った。タツはそれを見てミリルの頭を撫でた。それだけで笑顔になったのはやはりチョロいとしか言いようがない。人妻は堕とされやすいのか。


「まぁそういうな。気が向いたら抱いてやるよ」


 ふしだらな発言をしたタツを誰も咎めはしない。レナスは笑いながらタツの腕を掴んでいた。


「ううん、大丈夫。私達の子孫がいるから寂しくないよ」


「そうか。なら、大丈夫だな」


「お兄ちゃん、容易な発言はダメだよ」


「悪いなレナス。俺はこういう風に育っちまったんだ」


 それから三人は再び別れの挨拶をして別れた。



「ねぇお兄ちゃん」


「サルダージャのことか?あれはミリルしかできなかったんだ。仕方ないだろ。」


「そうだね。ミリルも後悔してないって言ってたし」


 レナスはその場で背伸びをしてからタツの背中に抱きついた。タツはそれを苦笑しながら歩を進めた。二人を見る人はいない。二人を感知する人はいない。皆が皆避けて通る。まるでそこに障害物があるかのように。


「これだけは慣れないねお兄ちゃん」


「もう数百年の辛抱さ。そのうち解けるよ。それよりレミナス」


「なに?タツくん」


 二人はそれぞれをタツとレミナスと呼び合う。何かの合図なのか。二人の間に沈黙が広がる。やがてどちらからともなく呟いた。


「「愛してる」」


 それから二人は笑いあい、町の外へと旅立った。

 皆さんこれまで読んでいただきありがとうございます。正直不完全燃焼甚だしいと思っておりますがこの話で終了とさせて頂きます。

 理由としましてはネタ切れとやはり適当に作りすぎたことかなと思っております。ノリと勢いでやっていくにも才能はある程度必要なことを実感しております。

 これまで呼んでくださった方は少数ですがありがとうございました。



 今思えば全然ダンジョンしてないなぁとか人とゴブリン位しか倒してねぇ!とか色々ありますね。キャラブレとかはどうだったかな?一応気をつけたつもりですが。


 至らない点ばかりが浮かんで来ますがまぁそんなものなんでしょうか。


 ご不満がお有りな方は感想などでたれ込んで頂ければ幸いです。


 以上でこの作品を終わりとしたいと思います。ありがとうございました。

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