真相を目指して
「だから〜君たちの親玉について教えてくんない〜僕らも暇じゃないんだよね〜」
「だから、俺たち以外には誰もいないんだって!もうずっとそう言ってるじゃないか!」
騎衛隊の一室。なかなか口を割らない二人にルイとロイはどうしたものかと思っていた。
あの一件から3日は経つ。そろそろ話してくれても良いのではないだろうか。
・・・とはいえ状況が状況なだけに事態は平行線だろう。
「何〜そんなにリィデアちゃんが好きってこと〜???渡さないからね〜」
「ロイ、彼女はそもそもお前のものではないだろう、ということではなくてだな・・・」
相変わらずロイは適当なことを喋っている。まあ時としてそれに助けられる訳ではあるが・・・なんだかんだ今も助かってるか・・・
「っだから!そんなんじゃないって!」
「ばっかジギーお前あいつのこt」
「おいガル!喋りすぎだ黙れって!」
「痛い痛いごめんって待ってジギーごめんてば」
・・・この二人結構仲良かったんだな・・・じゃなくて・・・
「ルイ〜この二人意外と可愛げあると思わない?ちょっと気に入ってきたわ〜」
「はぁ・・・お前はほんとにすごいよ・・・」
「え!ルイもそう思う?やっぱ俺すごいよね〜!、もっと褒めてくれてもいいよ」
「はぁ、そうだな」
「え、褒めてくれるの!?やったね〜!!」
「あのなぁ・・・」
―――――――――――――――――――――――――
「・・・俺たち何見せられてるの・・・?」
騎衛隊の二人が自分たちを置いて二人の世界に入ってしまっている。
「さあ・・・てかジギーそろそろそのほっぺの手離してくんない?反省してるからさぁ」
「無理、ごめんなさいって言うまで無理」
「ごめん、ごめんなさいってば、痛い痛い言ったじゃんごめんってば」
「い〜〜や心がこもってないね、そんなんじゃ無理」
「えぇ・・・ごめんねジギー・・・」
「・・・わかったよ・・・」
「やぁ君たち、いつも通り仲が良さそうで良いこった、それでルイとロイはきちんと仕事していたのかね?」
「「ゼオバルド部隊長・・・」」
突如部屋に入ってきた上司に、ルイとロイの二人は固まってしまった。
「・・・その感じだとまずまずって感じか、・・・全く。まあいい。
おい、そこの少年二人、家族はこっちで保護した。早く本当のことを言うことだね。」
「それは・・・」
ガルムとジギーがお互いの顔を見る。
「ほら、ちゃんと皆一緒だ。安心したまえ。」
そう言って、ゼオバルド部隊長が部屋のドアがもう一度開けると・・・
「ガルム!ジギー!二人ともここにいたのね・・・!!」
「母さん!!」
安堵の表情で母親に駆け寄っていくガルム。それを微笑ましく見守るジギー。
しかし、遅れて部屋に入ってきた人物にガルムとジギーの顔から感情が見えなくなる。
「捕まった分際でのうのうと生きながらえておったか。・・・お前たちは自分が何をやっているのかわかっているのか!」
「・・・父さん・・・」
そう言ってガルムがうなだれ、ジギーは不安そうに俯き、そんな二人を見て母親は気まずそうな顔をしている。
「まあまあ、とはいえ調査にご協力いただき感謝いたします。お二人は別室にてしばらくの間お過ごしください。ではこちらへ」
ゼオバルド部隊長が促し、ガルムとジギーの父親と母親は部屋を後にした。
「・・・まあこれで二人の不安は解消されたかな?色々話す気になった?・・・ってちょっと厳しいかな・・・」
「とはいえ話すことは話してもらわないとこちらとしては困る。分かる通りロイは優しいが私は優しくないのでな」
部屋の空気は先ほどと打って変わって重苦しくなってしまっている。これでは話したいことを話すのも難しいだろう。しかしそう甘えてはいられない。
「・・・俺らは全部を知っている訳じゃない、間違っていることも多いかもしれない、それでも良いか・・・?」
覚悟を決めた顔をしたガルムが話の口火を切った。
「ガル!お前・・・」
「ジギー、ここまで来たらもう良くないか、やれることは全部やったはずだ。・・・最後のは俺が全部悪いが・・・」
「ガル・・・」
どうやら二人は全てを話す気になったらしい。
「君たちにばかり情報を引き出してしまっては申し訳ないから、こちらも知っている情報を少し話させてもらう。」
ルイとロイは二人に対して、リィデアは二人の全てを知っていたこと、何なら隣国の組織からの刺客を秘密裏に処分していたことを知っていたこと、そして彼女の正体までも話した。
「そんな・・・それを知っていた上であいつは・・・」
「・・・ガルムが悪い訳じゃないんだ、元はと言えば俺があいつに見つかってこの家に来たことが全部悪くって・・・!」
「ジギー・・・お前のせいじゃ・・・」
「どっちが悪いとか誰が悪いとか、そういう問題じゃないんだ、私たちの目的は隣国の組織を叩くことだ。これに協力してくれるなら色々うまくやるさ。わかったかい?」
「俺たちだって君たちや家族を犯罪者にしたい訳じゃないさ、・・・まあ君たちの親御さんの話も聞いてみないとわかんないけどさ。だからよろしく頼むね」
「・・・わかったよ・・・」
―――――――――――――――――――――――――
「二人が全て話したらしい。家族も無事保護できて今部隊長が話を聞いているところらしい」
病室にて。何やら電話をしていたらしいミカエラさんが電話を終え次第そう話してきた。
「そうですか・・・。良かったです。これで問題が解決できますね。」
「それはそうだが・・・。」
何やらミカエラさんが納得のいかない顔をしている。
「どうかしました?」
「・・・いや。君はこの件が終わったらどうするんだ?このままこの土地に残るのか?」
「そりゃ学校を卒業するまではいますよ。そこからどうするかはまだ考え中ですかね・・・」
「マレンディアナに帰るのか?」
「どうでしょうか・・・たまに帰省するとは思いますが、まだ全然、考えられないですね。」
「そう・・か・・・」
何とも歯切れの悪い感じがする。何なんだろう。
「ミカエラさん、どうかしましたか?」
「・・・今回の事件のこと、実家に知られてしまったようでな・・・鍛錬が足らんだの言われて、落ち着いたら戻ってこいと言われてしまってな・・・」
「それはつまり・・・」
「君を守り続けることができなくなってしまった。申し訳ない・・・」
「それは別に構わないですが・・・騎衛隊のこともあるのに戻れるもんなんですか?」
「そのことなんだが、期間はそう長くないらしい。・・・とまぁ私が親たちのお眼鏡にかなえばの話ではあるが・・・」
「そうですか・・・。少し・・・いや、かなり寂しいですね・・・」
ミカエラさんがいない生活はかなり寂しい。また以前のような学校にアルバイトに忙しい日々に戻ったとして、ミカエラさんと一緒に過ごさない日々は何か満たされない、そんな気持ちになるだろう。
「じゃあ・・・この怪我が全部治って、またミカエラさんと訓練できるようになるまでは一緒にいてもらわないと嫌ですね」
「リィデア・・・」
「このくらいのわがままは聞いてくれますか?・・・いやかなりわがままなことを言っているとは思うのですが・・・」
「・・・わかった。そうする。」
「ほんとですか!!」
自分の存在はミカエラさんにとっては良くないかもしれない。でもまだこの環境を手放したくはない・・・。
優しく微笑んでくれるミカエラさんを見ながら、泣きそうになる気持ちを抑えて、リィデアは喜んだ。
何とか人の形を保っていたら肌寒かった季節から梅雨も明けるよみたいな季節になっていて・・・
もっと速く動けるようになりたいです・・・




