裏道の攻防戦
「ボディアーマー着てて助かった・・・」
「2mくらいの距離で店長にナインで撃たれたw」
「皆おつかれー」
「フォックス」
「ナイスアシスト!」
「女豹さんもおつかれー」
「結局全滅させたねw」
「結果やけどなw」
「こっちも4人残して壊滅状態やもんな」
「ギリギリやったなホンマ」
「お前ら10人のハンデでも勝つかよw」
「もうちょっとで勝てたんやが・・・」
「そのもうちょっとが難しいんよなw」
「でもおもろかったわ」
「10人ハンデで勝つのはちょっと引くけどw」
「ほれ入れ換えや!」
「早よ行くで!!」
珍しく店長が率先して下へ向かった
いつもなら嫌がるのに・・・
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「さっき守ったし」
「次はどうする?」
「よし!!」
「俺に守りは無理やと悟った」
「じゃあ攻めの一択やねw」
「ダッシュで藤棚?」
「裏道ダッシュしてみよかw」
「ならフラッグガードに姫と山坊主」
「裏手はアタシとお姉様」
「残り全員で中階段はどう?」
「決まりやな!!」
「即答ですかw」
「じゃあ皆で頑張ってねー♪」
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笛は相手に吹かせて身構える
鳴るまでに時間がかかったのであまり積極的ではないのかもしれない
開始の笛が鳴り一斉に走り出す
私達は流す程度で目的地へ向かう
本来ならば遭遇する筈の無いのだから・・・
奥階段手前の通路を抜ける途中で激しい銃声が聞こえ始めた
「嘘?」
「向こうも裏手全面攻撃なの?」
「フォックス!!」
前を行く女豹の声に反射的に身を屈める
シュオンッガツッ
頭上を弾丸が掠め後ろのブッシュの突き刺さる
「お姉様がいなかったら今のでやられてた!!」
木の幹の身を寄せて覗くと遥か向こうの稜線に蠢く影2つ
このタイミングで奥階段が射程に捉えられてる
流し気味だったとは言え此処まで早いのは想定外
全力疾走かフライングか・・・
おそらくフライング気味にスタート位置ギリギリからの猛ダッシュをかけたのだろう
このタイミングで此処まで押し込むなんて芸当私には無理
赤チームにも足の早いのがいるようだ
シュカカカカカッ
シュカカカカカッ
「まだちょっと遠いな」
パトリオットで迎撃する女豹が呟いた
時折身体を振っているのはスナイパー対策なのだろう
バシュンッカシャコ
バシュンッカシャコ
シャキッチャッチャッチャッ
連射しながら小まめに弾を補充する
ナインのレール式マガシンはコレが出来るのが便利
「向こうのシュアファイヤー眩しいなぁ・・・」
「そんなんで照らしたって弾は届かないのに」
現時点で敵は電動の射程範囲外
銃に取り付けられた強力なライトに照らされ失速して手前で落ちる弾が見える
こちらは撃ち下ろしなので多少有利ではあるのだがそれでもまだ遠い
此方の方が高い為伏せてしまえばほぼ当たる心配は無い
にわかに肌が粟立つ感覚に違和感を感じた
「お姉様!!」
「階下に注意!!」
ガサッ!!
パララララッパララララッ
シュドドドドッシュドドドドッ
刹那頭上を弾丸が翔び去る
チャキチャキチャキバシュンッ
シュカカカカカッ
「ヒットヒットー」
即座に過装填して放たれた散弾は敵を捉え同時に女豹がブッシュへ飛び込みながら残りの敵を凪払った
「今の良く気付けたわね?!」
「単なる感です」
「次来ます!!」
ライトは索敵ではなく目眩まし目的のようだ
強い光源が近いと周りの暗闇が見通せない
夜間戦闘においての集団戦は彼方に一日の長がある
流石はベテランと言うことか
そろそろ2人で抑えるのは限界かもしれない
撤退も視野に考えながら応戦してはいるもののさっきのような奇襲は何度も防げはしない
おそらく次はもっと数を増やしてくるだろう
不意に弾幕が途切れた
「お姉様!!」
「弧雪ちゃん行くわよっ!!」
さっと身を翻し階段を駆け下りる女豹
私も直ぐ様起き上がり追従した
今のタイミングで弾幕が途切れるって事は中階段から攻勢に出たと言う事
もし中階段が落とされていたら弾幕は途切れない
2人は一気に駆け抜け中階段を目指した
「誰?!」
目の前に現れた人影に思わず撃ちそうになる
「俺やオレオレ!!」
慌てて手を振るクレイン
予想通り中階段から下を制圧したのだ
「状況は?」
「向こうも全面攻撃やったらしい」
「さっき制圧したところや」
「こっちの被害は4人」
「ムーンとハンターに入り口まで下がって貰って上の警戒に当たって貰ってる」
「なら此処は突っ切るのかな?」
「既に鉄人と家猫が前に出てる」
シュタンシュタンシュタン
シュドドドドッ
言ったそばから銃声が聞こえてくる
「たぶんハンバーガーヒルかな・・・」
銃声が聴こえた瞬間女豹は階段を駆け上がっていた
相変わらず判断が早い
私も後を追い上からハンバーガーヒルへと攻める事にした
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シュタンシュタン
シュガガガガガッ
バシュンッ
バコンッ
ガンガンガン
激しい銃声が鳴り響く
此処はハンバーガーヒル上側に入り口
藤棚は両者共に占領しておらず人気が無い
ブッシュの稜線から下を覗くと中腹と下の方に人影が見える
階段側の稜線にもチラホラと影が蠢いている
此処が最終防衛ラインなのだろうか?
敵の布陣が厚い
既に女豹は奥手の通路側に潜みチャンスを窺ってる
私は四つん這いになるとブッシュの稜線に沿って下り始めた
中腹の敵は斜面の窪みを利用しているが基本的の遮蔽物が無い
待ち伏せと言うよりも仕方無く此処に布陣した感がある
下には敵しかいない状況で撃つべきか撃たぬべきかと迷っていると敵が入口付近に集まりつつあるのが見て取れる
「まずいな・・・」
「今さら前進って事は味方が圧されてるってことやん」
「・・・・・・・」
「いくしかないね」
カチャカチャ
バシュンッ
「ヒット!!」
過装填2発
奥側の敵を仕留める
バラララララッ
バラララララッ
周囲に着弾するBB弾の雨あられ
撃った直後にブッシュへと身体を落とし込み何を逃れた
シュカカカカッ
「ヒット!」
女豹の参戦でハンバーガーヒルはその名を思い出したかのように激戦地と化す
全員初弾を除いて隠れながらの目暗撃ちなので激戦のわりにヒットは出ない
しかし此処に人手が割かれれば当然の如く裏手は手薄となり味方が息を吹き返す
シュガガガガガッ
シュガガガガガッ
「一気に押し込め!!」
「此処が正念場、総力戦や!!」
遠くでクレインの激が飛ぶ
「正面は3人で耐えろ!!」
「先にハンバーガーヒルを制圧する!!」
赤チームにも激が飛ぶ
乱戦ではあるがこちらの銃声を聞き分けた奴がいるようだ
多勢に無勢
2人きりの戦線はもうすぐ終わりを迎えるだろう
私はブッシュを這いながら更に下へと向かった
同じやられるなら防衛陣に穴を穿ってやる
下っているブッシュの延長線上通路の際
そこに裏手へ向けて牽制している敵がいる
これを撃ち取れば確実に位置がバレて一貫の終わり
けれど此処が崩れれば勝機が見えてくる
迷うことはない
4m・・・
至近距離
ごめんなさい
静かにナインの引き金を引いた




