部屋と姐様と私
セリカを飛ばし車は高速へ
結構遠くから来ていたのだとビックリした
「どうせだから今日は街遊びにしましょうか」
高速を降りると見慣れた街並みが見えてくる
ここって・・・
「姐様って街の人だったんですね」
「実家を離れて一人暮らしなんだけどね」
「仕事に会わせたらこっちの方が都合良くてねー」
馴染みの街並みを駆け抜けて車は山手の方へと進み大きな駐車場へと入って行く
ん?
この場所って・・・
「ついたよー」
見上げる大きなマンション
駅からも近く市場も近い
飲食店の密集した繁華街の少し裏手にあたる
そう
ここは良く知る色街の裏手にある商店街
その直ぐ近くにある高層マンションの前だった
「姐様ここって・・・」
「やっぱり知ってた?」
「通り向こうは色街だよ」
「立ち話も何だし入った入った」
手を引かれて玄関に立つ
テンキーを操作するとガラス張りのドアが開いた
手を引かれエントランスへと進む
1階で待機していたエレベーターに乗り込むと静かに上へと運ばれた
高そうなマンション・・・
化粧品関連の仕事をしていると聞いたが結構稼いでる感じがする
セリカ乗ってるもんなぁ
当然か・・・
エレベーターを出るとドアが2つ並んでいた
左へ進むと鍵を差し込みガチャリと回す
このバックの中にエアガンが入ってるなんて誰も思わないだろうなぁ
そう思うと少し笑えてきた
「何にやけてるの?」
誘われて中へ入る
「お邪魔しま~す」
「誰もいないってw」
直ぐ右側の部屋に装備の入った荷物を入れると奥のリビングへと進む
大きなテレビにボトルの並んだ棚
広いリビングの四隅には間接照明のスタンドが立っている
「ちょっと待っててね~」
奥の部屋に消えて数分後
紙袋を持って出てきた
「服脱いどいてよw」
微笑みながらブラウスのボタンに手を掛ける
「自分で脱げますよー」
「此方は海外のブランドだからちょっと固いかも」
青いベースにレースの薔薇が美しい
でも私にはちょっと派手かな・・・
「これはサルート」
「買った後にダイエットしちゃってブカブカなのよ」
「勿体ないから気兼ね無く使ってね」
合わせて5着
合計で軽く10万はするんですけど・・・
「姐様」
「私ガーターベルトとか着けた事無いです」
「じゃあ教えてあげる」
「下も脱いで」
ついさっきまで裸でゴロゴロしていたから何の抵抗も無い
スルスルと脱いで貰った下着の中から紫のセットを選ぶ
付け方を教えて貰い身に付けてゆく
予備のストッキングまで貰ってしまった
蝶の柄が綺麗な黒いストッキング
こんな高価な下着なんて買ったこと無いなぁ
「見えない下着に拘らない人はお洒落とは言えないんだからね」
そう言ってウィンクする女豹は何とも愛らしい
「華恵姐様?」
「タチアナの方が呼ばれなれてるかなw」
「でなけりゃターニャって呼んで」
「じゃあタチアナ姐様」
「姉様は抜けないのねw」
「ハイスクールを思い出すわー」
「ミッション系だったから皆シスターだったもの」
「高価そうな下着だけど本当に貰っちゃって良いの?」
「どうせ着られないんだから気にしなくて良いよw」
ここは素直に貰っておこう
私よりお金持ち何だしあんまり気にしなくても良さそうだ
姐様は人差し指を頬に当てて何やら考えている様子
小走りで奥へ入って行くと直ぐに戻ってきた
「気になってたんだけどさっきのブラウスはちょっとヤバいわ」
促されて着てみると確かにヤバい
胸元が押し広げられてボタンの隙間がパックリと開いていてブラの色がうっすら透けて見える
ブラウスを脱いで渡されたカットソーに腕を通す
「姐様これはこれで恥ずかしいです」
淡い紫色が綺麗な長袖のカットソー
丸いネックは大きく開いていて鎖骨か露に
胸元から谷間も見えている
タチアナはお構い無しに鼻歌交じりに黒いビスチェを私のウェストの回してきた
「姐様?」
「何も恥ずかしがらなくったって良いじゃない」
「その胸は貴女の魅力の1つよ?」
前の紐を調整してキュッキュッと締め上げてくる
普段はサイドのファスナーで脱ぎ着するらしい
「これも最近着てないからあげるねー」
しっかりとした黒い生地に金色のステッチ
滑らかな手触りにしっとりとした光沢
「これってシルクですか?」
「そうよ」
「着心地良いでしょ?」
要らないと言うなら有り難く貰いますが・・・
私の普段着の何倍も高価な服にどうして良いものやら
上がこんなにお洒落だとどうにもスカートが浮いて見える
それはタチアナも感じていたようで黒いフレアスカートを持って来た
「ビスチェ着けた後でなんなんだけど・・・」
「スカートこっちに変えよっか」
丸襟の白ブラウスに合わせていたスカートだもの
このビスチェの質感には合わない
「このスカートもちょっと古いけど良かったら履いてね」
至れり尽くせりのお下がりコーデ一丁上がり
お古を貰うのは抵抗無いけれどどれも仕立ての良い服ばかり
あれよあれよと貰う内に服がいっぱいになる
「このバックも使ってないからこれに入れて持って帰りなさいな」
黒いバックに綺麗に畳まれた服が次々と入れられていく
うん
あのバックだけで1財産だ
暫く服代はかからないけどその分クリーニング代かかりそう
「ハイスクール時代のお古ばっかりでごめんねー」
「スカートはデザイン変わっちゃうね」
「タチアナ姐様だと膝丈ですも」
このスカート
私が履くと踝までのロングになってしまう
「上出来♪上出来♪」
続いて洗顔を済ませると今度はお化粧講座
ホテルで教えて貰った美顔マッサージを施し化粧水で肌に潤いを与えていく
こんなに意識してメイクしたこと無かったなぁ
普段着なれないカットソー
胸元が露になっているのでデコルテラインにもしっかり紫外線対策を施していく
最後に高い位置でポニーテールを作って完成
鏡を見ると今まで見た事の無い自分がいた
「いつもと違いすぎて違和感あるわ・・・」
「慣れるわよw」
楽しい時間は早く過ぎるもの
モーニングの時間はとっくに過ぎて10時に差し掛かっていた
「歩くのは平気だよね?」
「体力的には平気だけど胸元がスースーしてそっちの方が落ち着かないです」
「それも慣れるわよw」
貰った鞄を車に載せると駅へ向かって歩き出す
タチアナは肩まで出した淡いブルーのカットソーに黒い膝丈のプリーツスカート
私と同じく黒いビスチェを着けてロングブーツを履いている
うん
モデルみたいだ
並んで歩くのが怖い
この格好でリュックは背負えないのでハンドバッグも借りている
せめてタチアナ姐様に恥をかかせないよう胸を張って歩こう
背筋をピンと伸ばして姐様の左手に腕を絡ませた




