初体験
「姐様?」
「なあにー?」
「姐様ーー?!」
「何よw」
「ここって!!」
「ラブホですけど何か?」
事も無げに答える女豹姐様に狼狽える私
何かあるかもと覚悟はしたけどこれは完全に想定外
とは言え車も無く土地勘も無い私には従うしか術はない
まぁいっか・・・
ナンパとか飲み会でお持ち帰りされる女の子ってこんな感じなのかなぁ?
今さら抗っても仕方がないので素直に荷物を持ち車を降りる
手を引かれてランプの誘導に従い部屋へと入った
「お客さんこう言うのは初めて?」
「ちょっ」
「姐様止めてw」
「初めてみたいねwww」
明らかに弄ばれているなと思うが女同士だしどうと言うことも無いか
ならば遊ばれるのも癪だし
「お風呂になさいます?」
「ご飯は御済ませですわね?」
「それとも わ・た・し?」
ウィンクして見せると女豹はお腹を抱えて笑いだした
「仮眠とる前にお風呂入ろっか!」
元気に答えると服を脱ぎ散らかす
マジマジと見るのも何なので背を向けて髪をほどく
ヘアピンでガチガチなので外すのも一苦労だ
後ろからニュッと手が延びてきてボタンに指をかける
「姐様は先にお風呂済ませて下さいな」
平静を装うが鼓動は高鳴る
「大変そうだなーって」
ブラウスのボタンは全て外されスカートを床に落とされる
うん
なんか変な気分だ
スポーツブラを一気にずり下ろされ・・・
「2重なのねwww」
再び現れたスポーツブラに「マトリョーシカ」みたいだと笑われてしまった
時間無かったし温泉とか行くなら良いかなって思い着替えなかったのだがまさかこんなシチュエーションになるとは思ってもいなかった
下のブラは自分で脱ぎ去り裸になる
振り向くと一糸纏わぬ女豹の姿が眩しく映る
端正な顔立ちにくっきり表れている鎖骨
たおやかな胸に括れたウエスト
お腹もシックスパックまではいかないものの綺麗な陰影が野性的な魅力を放っていた
突き出たお尻にしなやかな脚
私の脚は短いし太いんだよなぁ・・・
コンプレックス感じちゃう
手を引かれてバスルームへと誘われる
「ラブホは安いけど1人じゃ入れてくれないとこ多いんだよねー」
「それって私達カップルに見られてるとか?」
「同性で使う人は割りといると思うよ?」
感心しつつ頭から洗う
髪が長いので身体から洗ってもどうせシャンプーまみれになるからだ
しかし
他の部屋も同じなのだろうか?
お風呂場がガラス張りで落ち着かない
部屋は可愛らしいピンクと白の壁紙にフリフリレースの付いたカーテン
天蓋付きのベットなんて初めて見た
「おいでー」
「温かいよー」
身体を洗う間に湯船にお湯を張っていたようだ
たっぷりのお湯に浸かりながら女豹姐様が手招きしている
湯船大きいし2人で入るのも良いか
湯船に片足を差し入れると姐様の腕が延びてきた
スッと私のウエストに腕を絡ませるとそのまま引き寄せる
私は思わずバランスを崩し勢い良く湯船に突っ込んだ
ケラケラと笑う女豹姐様の前に背中を向ける形で座り込む
「危ないなぁ」
「いいのいいのー」
キュッと一瞬抱き付くと少し離れて私の髪を弄り始めた
「髪の毛ほっそいねぇ」
「良く言われます」
「綺麗な栗毛・・・」
「染めてるの?」
「地毛ですよw」
髪を湯船に泳がせながら手櫛で櫛削る
少し絡んでいるせいか所々引っ掛かって少し痛い
「結構荒れてるね」
「普通にメリットで洗うだけですからね」
「勿体ないなぁ」
一通り髪で遊ぶと軽く束ねて右肩から前に送ってきた
両手を私の肩から前に伸ばし両足も伸ばして開いたまま
何をするでもなく浸かっている
てっきり胸でも揉まれるのかと思ったけど何もしてこないみたい
私も気を抜いて姐様にもたれ掛かるように身を任せた
チャプチャプと水の音が心地良い
頭がぼーーっとしてくる
のぼせた
急いで立ち上がり振り返る
姐様を見ると顔を真っ赤にさせてのぼせている
ヤバいヤバい
「姐様?姐様?」
軽く頬を叩くが眼が虚ろで視線が泳いでいた
慌てて栓を抜いてシャワーの水をかける
「冷たいよぉー」
姐様の文句を無視して冷蔵庫に走る
入る前にスポーツドリンク買ったよね?
ビニール袋を被ったグラスを掴んで急いで風呂場に戻ると女豹はお風呂の縁に捕まってぐったりしていた
ラブホで救急車とか勘弁してー
スポーツドリンクを飲ませて一息つく
「くしゅんっ」
「んぁ」
「ちょっと冷えたわ」
「お湯かけて」
瞳に生気が戻り震える姐様にお湯をかけてあげた
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お風呂から上がり髪を渇かす間姐様から美容マッサージを教えて貰った
リンパの流れを良くして浮腫を取ったり目の下のクマを流したり
定期的にやる事で小顔効果もあるのだとか
と言っても元々童顔で小顔な私には効果は期待できないかもと笑われてしまった
良いのか悪いのかと思ったのが顔に出ていたらしい
「やっておくと美肌に良いんだから毎日やりなさい」
との事
見せる相手もいないんだけどなぁ
「ん?」
「姐様髪の毛染めてるの?」
「って言うか・・・」
「地毛は赤髪なの???」
「自分より赤い栗毛って初めて見たかも」
しなやかで艶のある髪は薄目の栗毛で根本にいくほど赤みを増している
所々に光る金髪がキラキラと反射してなんとも美しい
「ああ」
「地毛は赤髪でね」
「ちょっと金髪混じってる」
「日本に留学してたママとパパが結婚して生まれたのがアタシ」
「日本人とアメリカ人のハーフ」
さらっとぶっ込んできましたね
ハーフならこの髪色もこのスタイルも納得できる
「お祖母ちゃんはアルメニアからの亡命者でね」
「だからアタシの本名はちょっと長いのよ」
「アルメニア?」
「ソ連南部コーカサスの南側?」
「亡命者だから帰省とか出来ないみたいだね」
「行った事無い」
「そう言えば本名の自己紹介してませんでしたね」
「そう言えばそうねw」
「私は如月弧雪19歳です」
「私はタチアナ」
「華恵・タチアナ・シンシア・荒木」
「家の風習でね」
「タチアナは亡命者のお祖母ちゃんからの由来」
「シンシアは洗礼名クリスチャンだからね」
「略して荒木華恵23歳独身彼氏無しw」
真っ直ぐ見つめるその瞳は綺麗な青色
明るいところで見ると溜め息がでそうな美女
隣を歩くのも気圧されてしまう
なんでこんな美人が私なんかを気に入ってくれたのだろう?
「弧雪ちゃんって綺麗な瞳してるわね」
「赤が強い綺麗なブラウン」
「姐様こそ綺麗な碧眼が羨ましい」
「お互い無い物ねだりねw」
「確かにw」
結局仮眠も取ること無く裸でゴロゴロしながら話明かした
時計を見るともう7時になろうとしていた
「眠気も飛んじゃったしそろそろ出る?」
「姐様さえ良ければ私は大丈夫です」
モーニングに行こうと言う事で身支度を始めた
「っっっっ!!」
「入らな・・・・・いっ」
いつものブラジャーをあてがい後ろ手にホックを持つ手がプルプルと震えるが掛かる様子も無い
「リンパ流したから胸がパンプアップしちゃったのねー」
「これは入らないわw」
「なんとかしないとノーブラじゃあお店入れないです・・・」
「アタシの着けてみる?」
差し出されたブラジャーはレースで美しく装飾された高価そうなフロントホック
姐様の方が大きそうだから入るかな?
予備のブラジャーを借りて着けてみる
うん
良さそうだ
「あー」
「ダメね」
「アタシより大きいわ」
なんですとぉー?
言われるままに前屈みになりしっかりとカップに入れる
位置を合わせて整えると確かにブラより盛り上がって見える
「苦しくは無いです」
「ブラが可哀想」
バッサリと切り捨てられてしまった
「ちょうど家に合わないブラあるからあげるわ」
「フィッティングしないで買ったから大きいヤツあったのよ」
とりあえずは今のブラを借りて御姉様の家に行く事になった
なんだかドキドキする展開
良いのかな?
ホントに




