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あとがきにかえて
校舎の陰で
隠れるように枯れている
悲しみに暮れる花
隅っこに一輪
絶望に犯され
明日をかき消すほどの
深い闇色の冷たい雪
積もった分だけ
流せなかった涙の数だけ
とけずに無惨に
舞い散る花びら結晶
真っ黒で 何もかも
存在しないみたいだ
でも
ふと
差し伸べられた手
優しい温度で包むように
摘んでくれたね
ずっと
思い描いていた 待ち望んでいた
理想の自分
サンソルバフォルは
僕だったんだ
なぜなら
日なたの輝きを浴びたら
恨みや憎しみ
苦しみといった 負の氷晶が
嘘のようにはじけて割れたんだ
間違いなく晴れわたる空の下
愛の光
夢の水
自由の土地で
明るく燃える
真っ赤なバラの花
校庭の中心で
誇れるように咲いている
『幸せに笑う花』