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打ち砕くロッカ   作者: ジェームズ・リッチマン
第二章 貫く鉄錐

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擦003 読み耽る良本

 金属術。

 つまり鉄属性術とは、金属質の物体を生み出す魔術の総称である。


 炎を生み出し熱を操る火属性。水分を生み出し洗い流す水属性。

 それらと比べると、この鉄属性術は日用的とは言えない部類となる。


 鉄属性術の主な用途は戦闘である。

 対人、対魔、対物。あらゆる物理的な存在に対して、大きな損傷を与えることが可能である。

 火属性や水属性では成し得ない即死級の攻撃力こそが、鉄属性術の一番の魅力といえよう。

 襲い来る屈強な魔獣も、戦闘技術に特化した機人盗賊も、鉄属性術であれば窮地を脱することは十分に可能である。

 鉄銛を射出することで対象を一突きに貫けるし、錨を投げ放てば大木すらもへし折ることが出来るだろう。

 他属性にはない大質量による一撃は……


「このページじゃないな」


 鉄属性術は、物質生成系魔術の基本となる魔術である。

 我々人間が魔術によって生み出す物は、基本的に金属的な物質であり、その物質生成を属性の体系として突き詰めたものが、鉄属性術として分類される。

 鉄属性術によって生み出される金属には個人差があり、白銀から黒色まで、無彩色ながらも幅広い色の違いが確認されている。

 なお、鉄属性と呼称されるものの、生成物は磁石に引かれることはなく……


「ここでもないな」


 鉄属性術は、魔術投擲の使用を前提とした属性術である。


「お、ここかな?」


 鉄属性術を魔術投擲によって放つ方法についての解説を行う。

 魔術投擲とは、杖の振りに合わせて魔術を生成し投擲する技術であり、そのため杖を大きく動かすことが必要になる。

 魔術投擲に使われる投擲杖術は、代表的なものでは以下の通り。




『横振り』

 杖を外側から真横に振る方法。

 誤生成の際の事故が少ない、安全な投擲杖術。

 真横を使うためにある程度スペースが必要なため、狭い空間では難しい。

 振りが大きいために、投擲距離は大。



『逆横振り』

 杖を体の逆側から持ち手側へ真横に振る方法。

 横振りとは違い、誤生成の危険性がある投擲杖術。

 横振りよりも省スペースで振ることができる。

 振りに力が込められるため、投擲距離は横振り以上に大。

 横振り後の状態からこの振りへと移行することで、隙の少ない連続魔術投擲が可能。



『縦振り』

 頭上、あるいは背後から真下へと大きく振り下ろす杖術。

 誤生成による事故の危険性が高く、初心者の場合は絶対に手を出してはいけない。

 かなり省スペースで使用可能なものの、ある程度の高さは必要となる。屈み振り推奨。

 投擲距離は大。狙いも良好。



『突き撃ち』

 杖の先を正面へ勢い良く突き出す杖術。

 誤生成による危険は多少あり。

 最省スペースで発動が可能。杖の種類によって依存しないため、タクトでも発動が可能。

 投擲距離は最低。射程を伸ばすためには、ある程度の訓練が必要となる。




「……へえ」


 魔術投擲と一口に言っても、種類は様々なものがあるようだ。

 そして読んでみて驚かされたのは、私が危険な縦振りを何度もやっていたということだ。

 確かに言われてみれば、縦の振りほど頭上落下の危険のある振り方もない。

 私に特異性がなく、普通に金属を生み出せる人間だったら……最初の頭上落下で、頭をかち割られて死んでいたかもしれないな。恐ろしいことだ。


「おっと……振り方じゃない。そもそも魔術を飛ばすコツとかを知りたいんだった」


 後々のための良い勉強になった気はするけど、今の私には脱線気味だ。どまぐれどまぐれ……。




 魔術投擲の理論と感覚。

 魔術投擲とは、生成物の核となる魔力核を魔石から投げ放ち、直後に生成を行うことで生成物を投擲する技術である。

 最初の項で解説した、鉄魔術の核となる魔力の芯を、生成前に投げ放つことによって……


「……読み飛ばしは良くないね」


 結局、私は最初から熟読することになった。


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