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今日は売店で会った。私がいつものようにいちご味を手に取ると、松田くんがピーナッツといちごで悩んでいる。
「悩む必要なくない? 私がいちごなんだからピーナッツでしょ」
「いやその理論、前から思ってたけど違う気がするんだよね」
狭い売店に長居したくないので、だらだら話そうとする松田くんにちょっと腹が立つ。
「違うって何が」
「今ここに3種類どれも10個ずつくらいあるわけじゃん。で、エンゼルがあるとしたら1つの味につき1個あるかないかでしょ?」
「まあ、同じ味に2つあるとは思えないよね」
「で、春田さんの持ってるそのいちご味が外れだとするじゃん」
「決めつけないでよ」
「どうせ外れだよ今日も」
「松田くんがヤケになってどうすんのよ」
「いやいいから。で、俺が思ったのはそこで俺が違う味を買うんじゃなくて、春田さんが外れを1個減らしたいちご味を買ったほうが当たる確率が高いんじゃないかってこと」
松田くんはそう言うと、いちご味を手に取った。
「春田さんのが外れだから、これが当たる確率はピーナッツとキャラメルより高いはずなんだよ」
ずっと私のいちご味を外れ扱いしているのが気に食わないが、なんだか納得できるような気がする。
が、思い直した。
「ちょっと待ってよ。その松田くんの話は、いちごも他も1個ずつ当たりがある前提でしょ? さっき松田くん自分で言ってたけど当たりは無いかもしれないわけじゃん」
「それはそうだけど、あると思わないとやってらんないよ」
「この程度のくじ引きでやってらんないとか言わないでよ。今まで私たちが外れ続けてるのを考えると絶対エンゼルは10分の1以下なんだから、当たりがある前提で母数を狭めて当たりを引く確率を上げるよりも、まずは母数に当たりが含まれている確率を上げるべきだと思う」
「え、どういうこと? 就職組にも分かるように言ってよ」
「怒られるし怒るよ。だから、松田くんと私は違う味を買うべきってこと」
松田くんがそっか、と呟きながらいちご味を棚に戻そうとする。
「ちょっと待って。私そっちにする」
「え、なんで?」
「松田くんが散々私のこれを外れって言ったんじゃん!」
私は自分のいちご味を棚に戻すと松田くんのいちご味をひったくり、松田くんに適当なピーナッツ味を押し付けた。
「うわー、このピーナッツ味外れそうだなあ」
「松田くんに言われたくないんだけど」
「ごめんって。でも春田さんすごいねさっきの話。さすが進学組だと思うよ」
「ほんとに受験舐めすぎだからね」
「ごめんごめん。でも今思ったけど、これ俺も春田さんも当たる可能性あるんだよね」
「一応ね。でも銀のエンゼル6枚あったって意味ないでしょ」
「そっか」
2人とも外れた。




