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第五十五話

第55話

街道の宿場町


王都から北へ。

街道を歩いて一日。

七人は小さな町に到着していた。

宿場町。

石造りの家が並び

商人の馬車も多い。

バルドックが伸びをする。

「今日はここで泊まりだな」

アルベルトが頷く。

「補給もする」

リュカは町を見回していた。

「王都より静か」

エリシアが笑う。

「こういう町、落ち着くね」

セレスティアは少し興味深そうだった。

「地方の魔力環境も研究対象です」

ガルヴァンが横で言う。

「研究院だな」

セレスティアが少し誇らしそうに頷く。

セラフィーナは教会を見ていた。

小さな祈りの建物。

「アウレリアの祠ですね」

エリシアが言う。

「後でお祈りしていこうかな」

アルベルトが宿屋を指す。

「まずは部屋だ」

夜。

宿屋の食堂。

暖炉の火が揺れている。

リュカはパンを食べていた。

「おいしい」

バルドックが笑う。

「山の町は肉も旨いぞ」

その時。

隣のテーブルの商人たちの会話が聞こえた。

「最近また出たらしい」

「北の山で」

「魔物か?」

「いや……」

男が声を落とす。

「竜だ」

リュカが顔を上げる。

「竜?」

ガルヴァンの耳も動いた。

商人は続ける。

「大きい影が飛んでた」

「山の上をな」

バルドックが小さく笑う。

「ワイバーンだろ」

だが商人は首を振った。

「違う」

「もっと大きかった」

アルベルトが静かに聞いていた。

セラフィーナも少し考えている。

「龍種……」

リュカが驚く。

「ドラゴン?」

ガルヴァンが言う。

「この辺りは」

「出てもおかしくない」

アルベルトはパンを置いた。

「明日は山に入る」

少しだけ空気が変わる。

北部山岳地帯。

そこは

普通の魔物だけの場所ではない。

リュカは窓の外を見た。

遠くに見える黒い山。

そのどこかに

竜がいるかもしれない。

そして

その山の奥に

今回の異変の原因が

眠っている可能性もあった。

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