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第三十六話

第36話

空の戦利品


草原の真ん中。

巨大なワイバーンの死体が横たわっていた。

風が吹き抜ける。

アルベルトはその巨体を見上げた。

「……Bランクか」

ガルヴァンが頷く。

「普通の冒険者では無理だ」

バルドックはすでに死体の周りを歩いていた。

目が輝いている。

「こいつはすげぇぞ」

リュカが聞く。

「素材?」

バルドックが笑った。

「宝の山だ」

指を折りながら説明する。

「翼の皮」

「爪」

「牙」

「魔石」

「全部高値だ」

エリシアが少し驚く。

「そんなに?」

バルドックが胸を張る。

「ワイバーンは人気素材だからな」

ガルヴァンがナイフを取り出す。

「解体する」

アルベルトも頷いた。

「日が暮れる前に終わらせよう」

五人で作業を始めた。

翼が切り取られる。

爪が外される。

巨大な牙が抜かれる。

リュカは少し驚いていた。

「すごい……」

バルドックが言う。

「慣れだ」

その時。

胸の奥から

光る石が取り出された。

大きな魔石。

淡く青く光っている。

リュカの目が輝く。

「綺麗」

バルドックが笑う。

「ワイバーン魔石だ」

アルベルトが言う。

「かなり高価だな」

バルドックは少し考えた。

それからリュカを見る。

「嬢ちゃん」

「これも使えるかもしれん」

リュカが首をかしげる。

「?」

バルドックが言った。

「お前の武器だ」

「魔導短剣」

アルベルトが少し興味を持つ。

「作る気か?」

ドワーフはニヤリと笑った。

「素材は揃ってきた」

リュカの手には

トロール魔石。

そして

ワイバーン魔石。

バルドックが言う。

「王都に着いたら」

「本気で作ってやる」

リュカの胸が少し高鳴った。

自分だけの武器。

想像もしていなかった。

アルベルトが空を見上げる。

夕日が傾いている。

遠くの地平線。

そこに――

巨大な都市の影が見えた。

城壁。

高い塔。

そして白い建物。

アルベルトが静かに言った。

「見えたな」

リュカが目を細める。

「……あれ?」

エリシアが微笑んだ。

「王都よ」

アルヴェリア王国の中心都市。

光の都。

ルミナリア。

リュカはしばらく言葉を失っていた。

それは

彼女が今まで見たことのない

大きな世界だった。

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