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第二十九話

第29話

炎の刃


洞窟の最深部。

巨大なトロールが咆哮した。

「グオオオ!!」

脚の傷口から煙が上がっている。

リュカの赤刃で焼かれた傷。

再生は止まっていた。

アルベルトが叫ぶ。

「今だ!」

「一気に行くぞ!」

ガルヴァンが笑う。

「任せろ」

地面を蹴る。

ドン!

巨体とは思えない速度で突進。

大剣を振り上げる。

「はあああ!」

ザシュッ!!

トロールの肩が大きく裂けた。

だが――

傷が動き始める。

肉が盛り上がり

再生しようとしている。

アルベルトが言う。

「リュカ!」

リュカはすぐ理解した。

「うん!」

走る。

「はやあし!」

赤い光。

一瞬で距離を詰める。

短剣を振る。

「赤刃!」

炎の刃。

ザシュッ!!

トロールの傷口を再び焼く。

「グオオオ!」

再生が止まる。

アルベルトが前へ出る。

剣を構える。

「決める!」

踏み込む。

ザンッ!

トロールの腹を斬る。

巨体がよろめく。

その瞬間――

バルドックが笑った。

「派手にいくぞ!」

袋から取り出す。

魔導爆弾。

火をつける。

「喰らえ!」

投げた。

爆弾がトロールの胸に当たる。

一秒。

二秒。

そして――

ドォン!!

爆発。

炎と煙が洞窟に広がる。

トロールの体が大きく揺れる。

だがまだ倒れない。

「グ……オ……」

膝をつきながらも立とうとする。

その時。

ガルヴァンが低く言った。

「終わりだ」

大剣を両手で握る。

深く踏み込む。

「はあああ!!」

ズドォン!!

巨大な一撃。

大剣がトロールの胸を切り裂いた。

巨体がゆっくり倒れる。

ドシン……

洞窟が揺れた。

しばらく静寂。

誰も動かない。

やがて。

アルベルトが息を吐いた。

「討伐……完了だ」

リュカはその場に座り込んだ。

「はあ……」

エリシアがすぐ近づく。

「大丈夫?」

リュカは笑った。

「うん」

エリシアが優しく言う。

「ヒール」

白い光。

疲れた体が少し楽になる。

バルドックが笑った。

「いい連携だったな」

ガルヴァンも頷く。

「特に」

リュカを見る。

「赤刃」

「あれがなければ無理だった」

リュカは少し驚いた。

「私?」

アルベルトが笑う。

「ああ」

「お前が止めたんだ」

リュカは少し照れた。

六年前。

村では

「忌み子」

と呼ばれた魔法。

でも今は――

仲間を助ける力になっている。

洞窟の奥から

冷たい風が吹いた。

トロールの巣は

静かになっていた。

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