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エピローグ ある少年の話
勇者のことが知りたかった。
ーーー
「魔王を許して欲しいんだ」
奴はそうして笑顔を見せた。
地獄と天国の分かれ道に向かう途中のことだった。
言っている意味がわからず聞き返すと、「あの人も同じだった」、「きっとこれからの世界は大丈夫」と何の根拠もないことを言う。
だけど、奴は誰よりも清々しい顔をしていた。
その理由が知りたかった。
なぜ笑っているのか、勇者と魔王の間に何があったのか。
……その理由は、わかった。
理解こそしきれないが、あの勇者の言う通りきっとこれからも世界は平和なのだろう。
死に行く魔王の……レイモンドが紡いだ縁はこれからも生きていくのだから。
罪の精算は済んだ。奴が何者に生まれ変わろうと私は知ったことではない。
薄紫色の霧が立ち込める。そろそろ地獄の入り口だ。
私は残りのパンとリンゴを口に詰めた。
砂糖が下に乗った様な気がした。
Fin
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