花嫁はお尋ね者ですか?
手のひら文鳥よろしくサイズのピノは終始ご機嫌だ。
何でかと言うと。
ミーヤの肩に乗っているからだ。
銀の粒を次々と口の中に運ぶ姿は、人間界にいるリスのようだ。
「さてと、行きたかないけど行くしかないか…」
全くやる気のない声で腰を上げたミーヤが城を目指して歩いて行く。
ここは、まだ城の城下町。
城は確かに見えるが、かすんでいるくらいにまだ遠い。
城下町の要所要所に立て札が立ててあった。
どうやらミーヤの事を見つけ次第、騎士に告げるようにと書いてある。
「これって…何?」
一気に不機嫌オーラをまき散らすミーヤ。
(この立て札って、普通は罪人が掴まったり処刑される時に使われるのよね?なんで、私の名前があるの?)
「これ、ミーヤ。そんな言葉遣いはお止めなさい」
ビーツが嗜めても、ミーヤはケッと舌打ちをしている。
「これって、どっからどう見ても、鬼みたいな顔じゃねーか」
これの何処が世界を救うと言われる神の使いなのだろうか。
確かに…。
人相書きであっているのは、黒髪で黒目のところだけだ。
どうして、顔に毛むくじゃらの髭が着いている?
何で、目が吊り上がっている?
ついでに、出刃包丁も持っているし。
「「「「………」」」」
(髭はともかく、大体の雰囲気はそっくりそのままだ)
「ねえ?ビーツ様たちって今、何か同じ事を考えなかった? 私はこんなにゲジ眉じゃありません! 何これ? この顔見たら役人にって…私は何も悪い事はしてない!」
「そ、そんな事はないぞ」
慌てて言って来るビーツをジロリと流し目で睨んだ。
天馬たちじゃないが、ブラウも苦笑いをしながらビーツの顔を伺っている。
「ミーヤ。私達はここに遊びに来たのではないのですよ」
「へいへい。わーってますよ。男のぼくを花嫁になんて考えてる頭がお花畑の王の所に嫁がされるんだろ?」
何でよりによってあの顔の男のところに嫁に行かなきゃなんないのよ。




