31 全部信じたわけでは
どうぞよろしくお願いします。
テストの結果と成績表が返される。
前より良い! 英語も数学も教えてもらって頑張ったもんな。
それから終業式でみんなで講堂に向かった。
クラブの大会の表彰があり、バスケ部が東京の私立の学校の大会で2位だったそう!
後、スイミングで表彰されてる子がいた。
この学校、プールないんだけど、どっかのスイミングクラブで続けている子なんだろう。
気を引き締めて、学院生として真面目に冬休みを過ごすようにって話があり、私達は教室に戻る。
もう下校できる。
マユミとアキはこのままランチデートだそう。
「いやー、wデート!?」と私が悲鳴を上げて見せるとマユミは「もうっ!」って叩いてきた。
何気に力が入っていて、痛い。
アキに「トモはひとりで帰るの?」と心配される。
マユミが「なに? 過保護?」と言って不思議そう。
マユミはあったこと知らないもんね。
「あ、病み上がりなもので……」と私が言うと「体調悪かったんだ! お大事に!」と返された。
私は教室からふたりを送り出し、田中先生の短大の研究室を訪ねた。
帰りに挨拶に寄ると伝えてあったので、行ったら、近藤先生も来ていて、私はふたりに今回のこと、改めてお礼を伝えた。
「いや……、真理先生がそこまでするとは思っていなくて。
結局、若宮を危険な目に合わせてしまったのは申し訳ない」
田中先生が謝ってくれる。
近藤先生も言った。
「麻岡さんが川上先生への復讐という話になってると知らせてくれなかったら……、川上先生を呼べなかったと思う。なんとか、あなたを渡さないことはできても、騒ぎになり、逃げられていたと思う。
そうなると警察沙汰になっていたかも。
私達の判断が甘かったわ。
本当に若宮さんが無事で良かった……」
うん、今回は本当に運が良かった。
私がオレンジジュースを先に飲んでいたから、味の違いに気づけたし、ドリアを食べていたから薬の吸収が緩やかだったんじゃないかって、校医には言われた。
それに、こんなことを計画していたのなら、私がlineを繋げなかったり、会うのは断っていたりしたら、車で拉致されるとか最悪の事態もありえたかも……。
「で、川上先生のこと、何言われたんだ?」
ははは、確かにどさくさに紛れて(一服盛ることの方がびっくりだもんね)学校の誰からも聞かれてない。母だけには言っちゃったけど。相原君は隣の席で聞いていたかもしれないけど。
「えっと……、川上先生は学生の時、それこそ中高大とすっごくモテて、彼女が途切れず、とっかえひっかえで、先生の方から付き合おうって言った彼女さんは、その、私に似ていると。
だから、川上先生は、私の外見がお気に入りで、そういう女性の敵みたいな……、感じかな」
「信じたのか?」
「写真まであって。
まあ、全部信じたわけじゃないけど、何かざわっとするっていうか……。
気持ちがいいものではなかったです。
川上先生の年齢なら、お付き合いしていた人ぐらいいるだろうとは思っていたけど、なんか自分に似ていたとか……、変な感じだし、それがたくさんいたとか……、うーん」
田中先生と近藤先生が心配そうな顔をしている。
読んで下さり、ありがとうございます。
確かに、知らない方が良かったかも。でも気になることではありますかね。
残り後3話でこの章は終わります。
それで終わりにしてもいいけど……、もう少しその後を書きたい気持ちになっています。
とりあえず、この章の最後までお付き合いいただけるとうれしいです。
どうぞよろしくお願いします。




