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今世と前世と罪と罰  作者: 月迎 百
第3章 若宮朋佳
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19 繋げろ?

どうぞよろしくお願いします。

「その様子だと、何かある?」


 田中先生の問いかけに嘘を言うこともできるけど……。

 自分の気持ちだけなら、本心を言ってもいいよね……。


「その……、私は、川上先生のことが好きです。

 でも、卒業までは……、うん……という感じです」


「何だその濁した言い方は。

 まあ、そんなとこだとは……。で、川上先生はなんて?」


「わからない……。

 私のことを気にかけてくれてるとは思うけど、さっきの占いの時、違う人のことを占ってくれとか言われたし……」


「ふーん、若宮は川上のことが好きなのか」


「そう言われると恥ずかしい……。

 最近かな……。自分の気持ちに気がついたというか……。

 それまでは先生だから、そう思わないようにしてたというかなんというか……」


 ごにょごにょと恥ずかしそうにしゃべる私を見て面白そうな表情の田中先生。


「そうか、それで真理先生は……か。

 麻岡が戻ってきたら、ここでふたりで勉強してろ」


 アキが戻ってくると、田中先生は準備室に戻って行った。

 テーブルを使わせてもらって、アキとテスト勉強する。


「ふふっ、なんかここで勉強すると頭良くなった気がする」


 アキが笑って、私も頷いた。


「気分が変わっていいかも。

 アキ、ここわかる?」


「あー、数学は私に聞かないで」


「じゃあ、社会やる?」


「そだね、やろやろ」



 しばらくすると田中先生が戻ってきた。


「そろそろいいんじゃないか?

 line繋げてみろ」


 えっ、ここで繋げて様子を見ろってこと!?

 私はスマホを取り出して、lineのグループトークから真理先生を選んで、+プラスをタップした。

 そして『よろしくお願いします』のスタンプを送る。

 しばらくするとピロンと通知が鳴った。

 私は通知を切っていることが多いので、たぶん……。


「真理先生だと思う」


『川上先生のことで話したいことがあります

 期末テストが終わったら、話しましょう』


 3人でトーク画面を見て黙る。


「振られたこと、トモのせいだと思っている?」


 アキが呟いた。


「かもね」と田中先生。


「まあ、テストの間は猶予があるみたいだから、ではテストが終わったらと返事しといてくれ」


 私は『テストが終わりましたら!』と返事して、ぺこりとしているスタンプを送った。


「テストが終わって、会うってなったら教えてくれ。

 ひとりでなく、麻岡や俺も同席できればいいんだがな。

 ……川上先生には言わないのか?

『川上先生のこと』ってあるから、話してもいいと思うが」


「ええっ!?

 真理先生の立場なら、川上先生には知られたくないんじゃ……」


 私の言葉に田中先生が笑う。


「そうか、女同士の! それぞれ思っているってわけか」


 アキが顔をしかめる。


「何?」


「いやいや、このまま大学の裏門から帰れるか?」


 私とアキは頷いた。


「じゃあ、気をつけてな」


「田中先生、ありがとうございます」「ありがとうございました」


 私とアキはお礼を言って、部屋を出た。


読んで下さり、ありがとうございます。

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