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今世と前世と罪と罰  作者: 月迎 百
第3章 若宮朋佳
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13 前世のせい?

どうぞよろしくお願いします。

 ランチもおいしかった。定食みたいな。

 これで1500円は高いのか、安いのか?

 私には高いほうだけど、量もあったし、なにしろちゃんとしたご飯だった。

 2000円ずつ払い、先生の分もとなった。


「私とゆかり、せっかくⅠ駅まで来たから、少しぶらぶらして行こうかと。

 トモちゃんはどうする?」


 確かにⅠ駅って、ハンズとサンシャインのイメージはあるけど、全然馴染みがない。

 私が迷っているのを見たゆかり部長が言った。


「アニメイト行こうかと。

 トモちゃんは行きたいところある?」


「うーん、私は帰ります」


 人が多い所は苦手だな。

 なんか雑然としていて、若い人が多い感じがする。ここ。


 さくら部長が「先生、トモちゃん駅まで送って行ってね」と言う。

 あ、そうか、電車だと同じ方面だもんね。


 居酒屋さんを出たところで、ふたりと別れる。

 駅はどっちだろう?


「こっちだ」

 

 川上先生に呼ばれて、隣を歩き出す。

 大通りをたくさんの人が歩いていて、みんなグループでわいわいという感じで。

 大学生ぐらいの男の人達のグループとすれ違う時、その中の男の人が話に夢中だったようで急に後ろ向きに下がってきて、私にぶつかりそうになり、先生が私を自分の方へ引っ張った。

 ぶつからなかったから相手は気がつかなかったようで、通り過ぎて行った。


「大丈夫か? 危ないなー。周りを見ろよ! だな」


 私は苦笑して「人が多いもんね」と言った。


「人が多いのは苦手か?」


「はい、得意な人っているのかな?」


 前世の時、女官達の唇の動き。

『化け物』

 恐れなのか、嫉妬なのか、憎しみなのか……。

 今でも、人の唇の動きを気にして、何か言われていないか、気にしてしまうことがある。

 長く、人の裏を見つめ過ぎたのかもしれない。だって、閉じ込められてて、他にすることもなかったし……。


「それは……、前世のせいか?」


 私は首を振った。

 もし私が、他の人の家へ嫁いでいたとしても、いずれ、その家の人にそういう目で見られるようになっていただろうし。


「前世のせいというか、天人に生まれてしまったせいじゃない?」


「それは前世だろう?」


 いつの間にか、人が少ない道を歩いてて、あれ? と思う。


「駅は?」


「車で来てるから、送る」


 また車!?

 川上先生、本当に車が好きなんだな。

 まあ、今回は部活の合宿相談で部長達もいたし、帰りに送ってもらうという理由があるから、ま、いいか。


 私は頷いて「お願いします」と言った。


「素直でよろしい」


「というか、こんなところまで連れて来られて、駅、わからないし……」

読んで下さり、ありがとうございます。

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