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今世と前世と罪と罰  作者: 月迎 百
第3章 若宮朋佳
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12 自然科学部には入らないよ!

どうぞよろしくお願いします。

 クッションをぎゅっと抱きしめながら、自分の手のひらで自分の腕を抱いた。

 静かに、無言で先生が寄り添ってきた。

 うわ、近いよ。

 でも、下手に動けないから、固まる。

 それ以上は何もしてこなくて。

 先生のいる左側がじんわり温かい。

 宇宙の旅をしながら、ずっと隣に先生がいる温かさと安心感があって。

 私は徐々に身体から力を抜いてリラックスして、映像と音楽を楽しんでいた。


「きれいだな。

 星空がこんなに美しいとは。

 地球に来て、初めて思うようになった」


 先生がBGMが大きくなった時、耳元で囁いた。

 私は曖昧に頷く。

 確かに、前世では星は楽しんで見るものではなかった。

 星は移動するもので、今の感覚だと時計の針を見ているのが近いかな。

 決まり切った動きをするもの。


 地球では自由とか気高い憧れのような存在かもしれない。

 厚い大気を通して見るから瞬いて綺麗だし。


 私はクッションを抱えて自分の右腕をつかんでいた左手をそっと戻して、先生の右腕に重ねた。


「……寒いのか?」


「少し。こうしてると温かいから……」


 先生が右腕を動かして、私の腕を下にして、上から手を握った。

 温かい。

 

 宇宙から、地球へ。星の光が流れて、眩しくなる。


 と、満天の星を眺めている最初の映像に戻り……。徐々に明るく……、これは夜明けなのかな?

 はっ、これで終わりなんじゃ!?

 私は左手を引っ込めようとして、でも、先生にがっちり握られてて放してくれず、なんか無言で不毛な引っ張り合いをしてしまった。

 投影終了になり起き上がると、放してくれたのでほっとする。

 ゆかり部長達の方を見ると毛布みたいの掛けてる!

 まだ楽しそうに寝っ転がってる。


「毛布?」


 私の呟きと視線を追った川上先生が「ひざ掛けもあったみたいだな」と言った。


「あー、あってもよかったかも」


「俺も……、そうすればその下でもっと堂々と手を握れたし、いろいろ触れたのに」

 

 やっぱ、ひざ掛け、気がつかなくて良かったわ……。



 プラネタリウムを出て、さくら部長が予約してくれたというお店に行った。

 居酒屋さんで、ランチがおいしいんだって。

 ここは3人で川上先生に御馳走することにする。

 たぶんプラネタリウム代、けっこうしたんじゃない!?

 全然足りないだろうけど、そこは気持ちってことで。

 

 ちょっと個室みたいな掘りごたつみたいな席、面白い。

 合宿の話も進めることができて、去年と同じ日程あたりでペンションかホテル、空きを確認して予約しちゃうそう。

 どちらも生徒は大部屋を4~5室で人数調整可能だし、先生達の……一応2人部屋を1室押さえることになった。


 さくら部長が言う。


「じゃあそこらへんで予約しておきます。

 それで、トモちゃん、連絡先代表にしていい?」


「え? 私、文芸部なのに!?」


「そうだよね。もう自然科学部、入れば?」


「いえいえ、それは無理です!

 次の部長になるんだろうし!」


「やっぱ、だめか」


「そうよ、文芸部を背負って立つんだし」とゆかり部長が言って笑った。


 さくら部長が進めとくけど、マユミあたりに合宿幹事みたいにして引き継ぐから、手伝ってやってね、と言われる。

 それくらいなら、お手伝いできます。

 

読んで下さり、ありがとうございます。

ああ、パソコンで書けなかったかわりに、下書きはばっちり進みました。

ので、せっかくつながったから連続投稿しています。

まだパソコンも不安定なんですよね……。

というわけで決まった時間帯に投稿できないことが続くかもしれません。

どうぞよろしくお願いします。

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