22 犯罪!?
どうぞよろしくお願いします。
「母親だと!
雅は何もできないし、それでいて文句ばかり言うようなっ!」
天堂先生が向きになって言い返してくる。
相原くんとアキが来て、私から匠海くんを預かってくれた。
「匠海くんと外に出てきます。マユミも行くよ!」
アキの言葉にマユミもあわててこちらに来て、4人でリビングを出て行く。
リビングには私達を睨んでいるかのような天堂さんと、それに対峙しているかのような私と川上先生。
その時、廊下の向こうから他の部屋のドアを開けるような音がした。
天堂さんの顔が歪んで廊下の方に視線をやるが、リビングのドアがあるから、よくわからない。
「川上、どけ!
あいつら勝手に家の中を!
これは犯罪だ!」
「匠海くんが一緒なんですから。
犯罪ではないですよ。
それとも、何か見つかったらまずいものでも?」
川上先生が煽るように言う。
廊下で何か物音。そして、玄関から数人が出て行った気配と音がした。
「匠海を……、誘拐したのか!?」
天堂さんは血走った目でそう叫ぶとスマホを取り出した。
「110番してやる!
今なら、まだ許してやる!
匠海を戻せ!」
「通報して下さってかまいませんよ。
篠原も匠海くんもこちらで保護できた。
篠原から都達が話を聞き出して、もうその証拠も押さえてますしね。
警察を呼んで、困るのはどちらでしょうか?」
「証拠? 雅の話なんて証拠になるもんか!」
「じゃあ、どうぞ。警察を呼んで下さい。
こちらも手間が省けて好都合です」
「川上……、お前……」
そして天堂さんの充血した目が私を見た。
「お前も川上とグルだったんだな!
純真そうな顔して……、私達を騙して、計算してたのか!」
計算? 何言ってんだこの人?
「私達って?」と私は聞いてしまった。
「雅と私のことだ。それに匠海!」
私と川上先生は顔を見合わせた。
雅さんも匠海くんも離れたのに、何を言うているん?
「ふふふ、そうだな。
親戚の女子高生に騙されて……、仲間と男を不法侵入させられて、息子を人質に取られた……。
私はそんな奴らと戦って、自己防衛で……」
天堂さんは急に笑い始めて、その時、玄関のドアが開く音と走ってくる音。
リビングのドアが開いて、匠海くんと相原くんが飛び込んできた。
匠海くんはおもちゃ入れに駆け寄るとぬいぐるみを掴んで素早く相原くんの所に戻る。
「匠海!」
天堂さんが叫び、相原くんがリビングの外に匠海くんを送り出しながら言った。
「匠海くんが教えてくれて!
パパが自分のぬいぐるみの中にビリビリする奴、隠してるって」
ビリビリ? スタンガン!?
その時、匠海くんと相原くんと入れ違いのようにリビングに入ってきたのは、はるみ伯母さんと都さんと加藤さんだった。
あれ? 母は?
廊下の方がちらりと見えて、匠海くんと相原くんと母が一緒に玄関を出て行くのが見えた。
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