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今世と前世と罪と罰  作者: 月迎 百
第9章 若宮朋佳
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14 箱根駅伝

どうぞよろしくお願いします。

 1月2日。

 私と母は母方の酒井家を訪ねた。

 おじいちゃん、おばあちゃん、母のお兄さん夫婦(伯父と伯母)が住んでいて、そこに天堂家に嫁いだはるみ伯母さんも来て賑やかになる。


 私はお年玉をたくさん貰えてうはうはである。

 伯父さんは長男だけど兄弟順だと二番目、一番上がはるみ伯母さんである。

 伯父さん夫婦にはもう結婚している従姉がいて、昨日、遊びに来てたそう。

 おせちを食べたり、お互いの近況報告なんかして、落ち着いたらおじいちゃんとおばあちゃんと伯父さんは箱根駅伝を見始めて、盛り上がってる。


 おお、聖治も教友も走ってる。帝慶はいないんだ。でも東政はいる!


 なんとなく、お茶を入れ直そうかという話になり、おばあちゃんを除いた女性陣は台所に集まった。


「朋佳ちゃんは、もう大学受験?

 そのまま泉学院?」


 伯父さんの奥さんである珠江伯母さんに言われる。


「一応、他の大学を受けたいなと考えて、準備しているところです。

 来年の今頃、怖いです~」


「大学受験かー!

 うちのも大変だったわ!

 頑張ってね!」


 そう言って、お茶を持って珠江伯母さんは居間の方へ行った。

 母と私とはるみ伯母さんだけが残った。


「朋佳ちゃん、ありがとうね。

 義弘さんのところ、行ってくれてるんでしょ?」


「はい、26日に食事に呼んで頂いて、29日はシッターのバイトみたいな?

 次は3日、明日行く予定です」


 母がすかさず言った。


「姉さん、明日、私とお出掛けして昼食を食べない?

 それでちょっとサプライズで天堂さん、義弘さんのところに行ってみたいのよね」


「えー、まあ時間はあるけども。

 嫌がられるんじゃないかしら?」


 私は慎重に言った。


「はるみ伯母さん、私、匠海くんの様子が気になるの。

 4月から小学校入学だよね。

 このままだと、匠海くんが困ることになると思う」

 

 はるみ伯母さんは顔を顰めた。


「話はちょっと聞いたわ。

 確かに前回会った時、少し幼い気がしたけれど、知らない大人に囲まれて緊張していたって雅さん言ってたわよ」


「日本語も英語もそこまで身についていなくて。

 社会的なマナーもあやしいかな? と思う」


 私の言葉に『本当なの?』と探るような目になるはるみ伯母さん。

 母が言った。


「そうなの。朋佳と一緒に行ってくれた雅さんの友達とも話をしたんだけど、みんなそう話してて……。

 それに実は……」


 母が言いにくそうに口籠る。


「何?」


 はるみ伯母さんが不安そうな表情になる。

 母は決心したように言った。


「朋佳は明日を最後に、天堂さんのところへ行かせないわ。

 その……、朋佳に対して……」


 あれ、言うの?

 まあ、自分の意見としてならいいのか?

 私は緊張しながらゆっくりと言った。


「天堂さん、私の手を握ってきて……。

 感謝されてるんだと思いこもうとしたけど、一緒に行った大人の人達にも『おかしい、気をつけて』って言われて。

 約束した明日は行きますけど、もう天堂さんのマンションには行かないようにしたいの。

 だけど、匠海くんのことは気になるから……。

 本当に、はるみ伯母さんが匠海くんを預かるとかできないかな?」


「それは、雅さんは?」


「雅さんと天堂さんがケンカして。

 だから、私達、匠海くんを連れて外に出たの。

 話し合うようにって。

 帰ったら、雅さんは部屋に籠ったままだったけど、その天堂さんの態度が、急に、馴れ馴れしいというか……」


 はるみ伯母さんはため息をついた。


「それはごめんなさいね。

 そうね、気にはなっていたの。

 ちょうどいいかもしれないわ。

 明日、義弘さんのところに行ってみましょう」


 よし!

 後は母に任せて大丈夫そうだな。

 母と都さんは連絡を取り合ってて、午前中に雅さんとソウヤくんの方、母とはるみ伯母さん、同じ時期に留学してたご夫婦と集合して話をしようと計画しているそう。

 昼食後、つまり、2時くらいにはこっちのマンションに来れるだろう。

 初詣行って、私達もお昼ご飯、外で食べるか、買ってマンション、かな?


 それくらいにはマンションにはいそうだし、大丈夫そう!!

 

読んで下さり、ありがとうございます。

次はいよいよ、3日です。

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