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今世と前世と罪と罰  作者: 月迎 百
第8章 横川紗栄
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23 支配と依存

どうぞよろしくお願いします。

 結局、夜になるまで、車の中でいろいろ話した。

 ドリンクを買って車の中で飲みながら車を停めていられるお店があり、外ではないので自分の話もできた。

 川上への思いを諦めきれず、泉学院の理科助手になり、舞い上がってバカなことをしてしまったこと。クラブの合宿で、若宮さんや他のクラブの高校生に突っかかるような態度を取ってしまったこと。どんどん空回りになり……。自分の醜さを突きつけられたこと。


「でもね、その時、若宮さんの同級生の麻岡さんって子がね『やり直す先生の姿が見たい』って言ってくれて。

 それが、彼女達にしてしまったことの責任の取り方のひとつ、茨の道だけど、なのかもって。

 やめることはいつでもできるけど、自分を取り戻したいとも思った。

 だから……。頑張ったよ。

 今では若宮さんとも仲良くなれて、川上とも友達に戻れた。

 で、川上が若宮さんをこれまた本当に好きなのよ。

 それに、若宮さんもね。両想いなの。

 だから、卒業まで見張ってるの。川上のためっていうか、若宮さんのため?

 なんだか、少し先生らしい気持ちは育ってるのよ、臨時の助手でも」


「そうか、だから、朋佳さんが今の川上の大切な人なんだな」と加藤が言ってくれた。

 私は頷く。

 加藤が考えるように言った。


「……1月3日、朋佳さんひとりで天堂先生の家へ?」


「そのことなんだけど、都とは、話してて」


 私は篠原が私達が集まる予定の3日に参加したいと言っていること。川上と私には内緒でとしたがったらしいが、前に篠原と話した時になんとなく気になって都に確認して、こちらにはバレていること。

 でも篠原は気づいていないから、このまま、みんなで集まることにしておいて、当日、川上だけ若宮さんの方に行かせようかと考えていることを話した。


「あー、都から少し聞いたけど。

 今日、天堂先生と篠原に会って……。

 天堂先生の方がやばくないか?

 まあ、篠原もやばかったけど、俺は、天堂の方が変だと思う。

 横川も川上も、篠原のこと、昔のことを引きずっているから悪く見るかもしれないけど。

 実は天堂先生の方がやばいもの抱えてる気がしたな。

 天堂家、天堂病院だよな。

 たぶん医者になれなかったという強烈なコンプレックスがあるんだと思う。

 それを新しい学問のパイオニアになることで埋めようとしている、感じ?

 でも、あのマンションを見ると、実家の援助は確実に受けてる。

 受けてる理由は、篠原と匠海くん、なんだろうな。

 天堂は……、篠原を理由に実家からの援助を引き出していたんじゃないか?

 理由としては、最初はまあ篠原に貧乏は耐えられないとか、子どもの産むのに、育てるのに必要とか、結局は篠原を理由にして。彼女を貶めるようなことになるんだ。

 そんなことをずっとしていたんじゃないかって。

 酒屋のことだったそうだ。

 職場にもたまにいるよ。

 ミスは部下の女性のせいにして、相手側には『うちの女の子がミスを』って。内部には『こうすれば角が立たない』とか言う奴。

 何か依頼する時は部下、特に女性に行かせたりして『君が頼んだ方が先方も気持ちよく受けてくれるだろう。手段のひとつだよ』なんてうそぶく奴。

 そんなことをさせられてきたのかもよ、篠原は。

 その積み重ねを怒っている気がしたな。

 だから、篠原がいなくなったら、そして篠原も、天堂先生といないと生きていけないという、お互い依存しているような……。

 でも、アメリカから帰って来て、篠原は自分で動けることが増えた。

 川上に近づこうとしてるんだろ。

 その関係から抜けたいと思ったんじゃ?

 でも、天堂にしてみれば、利用できる女性がいなくなるのは……。

 ……朋佳さん、高校生だもんな。考え過ぎか……」


「いえ、篠原も、最初はまだ高校生だった」


 私は呟いた。


読んで下さり、ありがとうございます。

先々週、コロナになってしまい、とんでもない新年度スタートとなってしまいました。

もう外出していい時期になっているんですけど、なんか体調微妙です。

コロナの治療薬飲んでたら違ったのかなー。

治療薬あるけど15000円ぐらいと言われて(インフルのタミフル的な薬らしいです)、症状がそこまでひどくなかったからお願いしませんでした。

みなさんもお気をつけ下さい。

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