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今世と前世と罪と罰  作者: 月迎 百
第1章 若宮朋佳
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12/258

12 大丈夫だよな?

どうぞよろしくお願いします。

「今度、フィールドワークの時、車で拾ってやるよ」


 ああ……、そういう理由ならスマホの方がいいか。

 私は頷いた。


 先生が信号が赤の時にlineを解除した状態のスマホを渡してきた。

 先生の方のQRコードを出して、自分のスマホに読み込ませる。

 ケンケンという名で、ちょっとぎょっとしたが承認して、一言打った。


「後で友達かも? のところのカタカナでトモカのところ追加して開いて下さい。

 アイコンは葉っぱです」


「葉っぱ?」


「はい、金魚葉っていうの。

 金魚みたいな形の葉っぱ」


「金魚……、あー、椿の?」


「椿が有名ですけど、うちのは柚子です。種から育てたので」


「土いじりが好きなのか?」


「そうですね。ささやかな自然に触れているのが、好きです」


「じゃあ、今度のフィールドワークも楽しみだな」


「ささやか以上の自然ですよね……。少し体力作りしておきます……」


 川上先生が笑った。



 マンションの裏の方から駐車場の方に入ると、屋根のある所で母が待っていてくれた。


「川上先生! わざわざありがとうございます」


「いえいえ、他の子達も送ってきたので、みんな一緒です」


 私も母と一緒に頭を下げた。


「先生、ありがとうございました。気をつけて帰って下さいね!」


 まだ雨は降り続けている。


 川上先生は車の中で軽く頭を下げてから車を発進させて、ぐるっと回って駐車場を出て行った。

 道路に出るところまで見届けて、私と母はマンションのエントランスに入る。


「でも良かったわね。電車止まってて、心配したのよ」


「田中先生が最初送ってくれるって言ってくれて。

 他の生徒もいたし、川上先生と手分けしてってことになって」



 自分の部屋に入り、制服から部屋着に着替え終わってほっとしていると、スマホがぶぶっと震えた。


 川上先生からの返信だった。


 私は『若宮です』とだけ送ってあったんだけど。


『今、帰宅

 風邪引かないようにしろよ』


 あれ……。これ大丈夫だよな?

 今更ながら不安になった。

 ペコリとしているリアクションだけ返して、スマホを机の上に伏せた。


読んで下さり、ありがとうございます。

やっちゃってから、不安になること……。

川上健治先生です。だからケンケン?

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