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今世と前世と罪と罰  作者: 月迎 百
第1章 若宮朋佳
12/76

12 大丈夫だよな?

どうぞよろしくお願いします。

「今度、フィールドワークの時、車で拾ってやるよ」


 ああ……、そういう理由ならスマホの方がいいか。

 私は頷いた。


 先生が信号が赤の時にlineを解除した状態のスマホを渡してきた。

 先生の方のQRコードを出して、自分のスマホに読み込ませる。

 ケンケンという名で、ちょっとぎょっとしたが承認して、一言打った。


「後で友達かも? のところのカタカナでトモカのところ追加して開いて下さい。

 アイコンは葉っぱです」


「葉っぱ?」


「はい、金魚葉っていうの。

 金魚みたいな形の葉っぱ」


「金魚……、あー、椿の?」


「椿が有名ですけど、うちのは柚子です。種から育てたので」


「土いじりが好きなのか?」


「そうですね。ささやかな自然に触れているのが、好きです」


「じゃあ、今度のフィールドワークも楽しみだな」


「ささやか以上の自然ですよね……。少し体力作りしておきます……」


 川上先生が笑った。



 マンションの裏の方から駐車場の方に入ると、屋根のある所で母が待っていてくれた。


「川上先生! わざわざありがとうございます」


「いえいえ、他の子達も送ってきたので、みんな一緒です」


 私も母と一緒に頭を下げた。


「先生、ありがとうございました。気をつけて帰って下さいね!」


 まだ雨は降り続けている。


 川上先生は車の中で軽く頭を下げてから車を発進させて、ぐるっと回って駐車場を出て行った。

 道路に出るところまで見届けて、私と母はマンションのエントランスに入る。


「でも良かったわね。電車止まってて、心配したのよ」


「田中先生が最初送ってくれるって言ってくれて。

 他の生徒もいたし、川上先生と手分けしてってことになって」



 自分の部屋に入り、制服から部屋着に着替え終わってほっとしていると、スマホがぶぶっと震えた。


 川上先生からの返信だった。


 私は『若宮です』とだけ送ってあったんだけど。


『今、帰宅

 風邪引かないようにしろよ』


 あれ……。これ大丈夫だよな?

 今更ながら不安になった。

 ペコリとしているリアクションだけ返して、スマホを机の上に伏せた。


読んで下さり、ありがとうございます。

やっちゃってから、不安になること……。

川上健治先生です。だからケンケン?

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