12 大丈夫だよな?
どうぞよろしくお願いします。
「今度、フィールドワークの時、車で拾ってやるよ」
ああ……、そういう理由ならスマホの方がいいか。
私は頷いた。
先生が信号が赤の時にlineを解除した状態のスマホを渡してきた。
先生の方のQRコードを出して、自分のスマホに読み込ませる。
ケンケンという名で、ちょっとぎょっとしたが承認して、一言打った。
「後で友達かも? のところのカタカナでトモカのところ追加して開いて下さい。
アイコンは葉っぱです」
「葉っぱ?」
「はい、金魚葉っていうの。
金魚みたいな形の葉っぱ」
「金魚……、あー、椿の?」
「椿が有名ですけど、うちのは柚子です。種から育てたので」
「土いじりが好きなのか?」
「そうですね。ささやかな自然に触れているのが、好きです」
「じゃあ、今度のフィールドワークも楽しみだな」
「ささやか以上の自然ですよね……。少し体力作りしておきます……」
川上先生が笑った。
マンションの裏の方から駐車場の方に入ると、屋根のある所で母が待っていてくれた。
「川上先生! わざわざありがとうございます」
「いえいえ、他の子達も送ってきたので、みんな一緒です」
私も母と一緒に頭を下げた。
「先生、ありがとうございました。気をつけて帰って下さいね!」
まだ雨は降り続けている。
川上先生は車の中で軽く頭を下げてから車を発進させて、ぐるっと回って駐車場を出て行った。
道路に出るところまで見届けて、私と母はマンションのエントランスに入る。
「でも良かったわね。電車止まってて、心配したのよ」
「田中先生が最初送ってくれるって言ってくれて。
他の生徒もいたし、川上先生と手分けしてってことになって」
自分の部屋に入り、制服から部屋着に着替え終わってほっとしていると、スマホがぶぶっと震えた。
川上先生からの返信だった。
私は『若宮です』とだけ送ってあったんだけど。
『今、帰宅
風邪引かないようにしろよ』
あれ……。これ大丈夫だよな?
今更ながら不安になった。
ペコリとしているリアクションだけ返して、スマホを机の上に伏せた。
読んで下さり、ありがとうございます。
やっちゃってから、不安になること……。
川上健治先生です。だからケンケン?




