11 連絡先?
どうぞよろしくお願いします。
「若宮はE駅だよな」
「あ、私も一緒に降ります。
駅前だし、ここからなら2駅だし、電車に乗れますから」
「電車……、遅延、いや止まってるぽい。
家まで送ってもらった方がいいよ」
さくら部長がスマホを見ながら言った。
C駅前のイトーヨーカドーの店の前、屋根のあるあたりに車が寄せられ、さくら部長は「トモちゃん、気をつけてね! 川上先生、ありがとー!」と降りて行った。
なかなか車が動き出さない。
「……ひとりだし、前に座らないか?」
川上先生が言って……。
そうか、前に父に言われたことがある。
迎えに来てくれたのに、母と私が後ろにふたりで座ってしまい……。
『俺はタクシーか!?』と拗ねられたのだ。
「ああ……、はい」
私はカバンを濡れないように先に助手席に置かせてもらうと、一度外へ出て、助手席に移動した。
車が動き出す。
「先生はどこなんですか?」
「D駅だよ」
「……遠回りさせちゃいますね。すみません」
「いやいや、一駅くらい車ならすぐだよ。
E駅から……、どう行けば?」
私は説明しようとしたが難しい。道路の名前とかわかんないし。
車についているナビを見る。
「これ設定できますか?」
「え!? いいけど。
若宮、他の人の車では絶対するなよ」
でも、道わからん。
私は自宅住所をナビに打ち込んだ。
「あ、あの、駅からちょっと離れてる方のタワマンか!?」
「知ってます? だったらマンション名いえば良かったか……」
住所的には番地と部屋番号だけで大丈夫なんだよね。
「まあ、なんとなく場所はわかるけど、車で行く道は、だしな」
「あ、母から連絡来ました」
スマホのlineに母から返信があった。
『よかった』という一言。
『今、D駅あたり、マンションまで送って下さるそう』と打つ。
「若宮……、lineの連絡先教えてくれないか?」
「えっ!?」
クラブの顧問でもないし、担任でもない。
いや、学校のメールアドレスがあるから、先生方はパソコンのメールでやり取りできるし。
読んで下さり、ありがとうございます。
これからもどうぞよろしくお願いします。
担任でもクラブとかの関係がない限りは……。




