労働基準法違反
あらすじ
生きるのが嫌になってしまった元社会人君。首吊り自殺をした事によって不思議な力を手に入れてしまった。そんな所に保護をすると言って謎の人物が現れる。
えと……自死能力者?
「えぇ、自死能力者。知らないのも無理は無いですよ。」
あ、その…宗教なら間に合ってます。
「違います。とりあえず応じてもらわないと…貴方を捕縛または処分する事になりますから。」
ぇ…
おぉー!何ココ!?すっごいソファーふかふか!
「じゃあちょっと待っててください。」
…待てよ、これって実はかなりまずい状況では?
奥の部屋に連れてかれて逃げ道もない…さっきの捕縛とか処分とかの話…
俺、何されるんだ?
「いやぁ、どうもどうも。よく来てくださった」
あ、ども
「俺の名前は三窒 爆です。どうぞよろしく」
は、はぁ…よろしくお願いします。
「…それで、君の名前は?」
あ、俺は縄手 頸です。
「そうかそうか、頸君!君への要件を要約すると……勧誘したい」
勧誘…ですか?
やっぱ、宗教…
「勧誘したいと言うか、雇用したいと言うか…
ともかく、君の協力が欲しいんだ」
えぇ〜…まぁ、職が無いので是非とも雇用はして頂きたいんですけど…如何せんその…状況がよく分かってなくて…
大体なんなんですか、自死能力者って…
「…そうだな、君のその様子を見る限り…話しても良さそうだな!うん!
じゃあまず、俺たちが何をしているのかを話そう。
俺たちは人並み外れた能力を持つ、政府から公認の集団の組織……スーサイダーズ!」
……
「黙っちゃった…こ、このスーサイダーズは日夜、一般人には無理難題すぎる事件を解決している!」
「…この人はこんなことを言っていますが、スーサイダーズと呼んでるのこの人だけです。
それに、政府公認の集団と言うより……政府から危険視されている集団と行った方が適当でしょう」
え…
「この世には自死能力者と他死能力者がいます。
自死能力者は自死能力を持つ者の総称。
他死能力者は他死能力を持つ者の総称。
それぞれの違いを見つけるのはかなり難しいので……まぁ、同じものだと思って構いません。自死か他殺かの違いだけで覚えてたらいいです」
はぁ…
「自死能力とは、自殺をした際に得られる能力です。自殺した際、その者の恨みや後悔が強まっている場合に能力を得ることがあります。
他死能力は自死能力の他殺された版です。」
あ、俺…自殺を先延ばしにしようとした直後に死んだから…強い後悔があったのか。
「後悔が強く、能力を得る分には問題がありません。
ですが問題は恨みが強い場合…。
強い恨みを持っている能力者は、暴走した状態だったり危険思想を持ったりします。」
じ、じゃあ俺も後者になる可能性があったのか…
「そうですね。
ですが、まだ安心はできません。
今後強い恨みを抱く事があれば、私達も後者側になる可能性がありますから」
…なるほど。
「せ、説明を取られた…」
あ、ところでその…給料って…
「あぁ、そういえば説明してなかったな!
俺達の業務内容は、暴走した能力者共をぶちのめ…沈静化する事だ。
説得したり、多少…ぶん殴っ…拳で話し合ったりして保護、または雇用する。」
え…俺もしかしてボコボコにされる可能性あったんですか?
「いやいや、頸君は暴走してなかったからそんな事しないよ。
まぁ、そして肝心の給料だけど、事件解決に付きお国から金が支払われるんだよ。だから収入についての心配は必要なし!」
是非やります!
「いい返事だね!じゃ、早速職場行こうか」
そんなすんなりと…
「いざゆかん!能力者達の職場へ!」