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双極性障害とは

 さて、ここで語りたいのは題名の通りである。


 発達障害者である湯兎は、双極性障害も併せ持っている。


 つい数日前、軽い躁状態になったので、これ幸いと文章にすることにしたのである。


 今回はいつもの文章と比べて少々、だいぶ、結構くどい。


 読みたくない方は読まなくても大丈夫だ。文章は基本、楽しく読むものだと思う。


 「軽い躁状態」について詳しく語る前に、双極性障害について説明をしよう。


 まずは基本から。双極性障害とは、躁状態とうつ状態をある程度周期的に繰り返す障害である。


 発達障害との違いは、発達障害は生まれつきの特性であるのに対し、双極性障害は「なる」ものであることだ。


 なぜ発症するのか、メカニズムはわからぬ。


 ただ、いまのところ、発症したが最後、一生薬との共存が待っている。


 双極性障害にはⅠ型とⅡ型がある。


 Ⅰ型の躁状態は周囲からわかるほど、激しい。


 本人は気持ちよく元気もよくいろんなことに手を出そうとするが、最後までやり通せることは少ない。


 極端な散財、突然仕事をやめる、逆にいきなりプロジェクトを立ち上げようとする。


 しゃべり続ける、周囲の意見を聞かない、絶対うまくいくという根拠のない自信。


 二時間以下、三時間以下という少なすぎる睡眠時間。


 しかしこんな状態に体と精神は長くはついていけぬ。


 期間に個人差があるが、躁状態の後には必ずうつ状態がやってくる。


 ゆううつな気持ち、はたからわかるほどの疲労感。


 躁状態で自分が行ったことへの罪悪感や後悔。


 こういった「周囲から見てわかる」ほどの躁とうつを繰り返すのが双極性障害Ⅰ型である。


 ではⅡ型は?


 とても平たく言えば、Ⅰ型の症状をとっても軽くしたのが、双極性障害Ⅱ型である。


 軽躁状態は本人にとって「なんか調子がいい」程度。


 だから「軽躁」。


 うつ状態は調子が悪い、やる気が起きない。


 うつ病の症状と似ているため、専門のお医者さんでもうつ病と誤診したりする。


 それが双極性障害Ⅱ型だ。


 湯兎は双極性障害Ⅱ型である。


 三日程度の軽躁と同じく三日程度のうつ状態を大体二か月から三か月の周期で繰り返している。


 私の場合はうつ病の治療中に双極性障害を発症したので、最初はうつ病と区別がつかず、治療されなかった。


 双極性障害には治療されないと躁状態とうつ状態がだんだん早いサイクルで入れ替わるようになる、という特徴がある。


 そして、うつ病の薬の中には双極性障害の患者が飲んではいけない薬もあるのである。


 うつ病がなかなか治癒しない湯兎の、調子がいい時と悪いときに周期があることに気づいたのは、母だった。


 私は最初、そんなことはない、それは偶然だと猛然と反論した。


 だって、いやだったのだ。


 すでにうつ病、発達障害という精神障害を抱えているのにこれ以上障害が加わるのがいやだったのだ。


 そんな自分を見たくなかった。


 だから、耳にふたをしたのである。


 しかし母は強かった。


 双極性障害について勉強し、うつ病の薬がよくない影響を与えることを知った母は私を説得しきった。


 そして、めでたくもなく湯兎には双極性障害Ⅱ型という診断がおりたのである。


 薬は見直され、一か月以下の周期で軽躁状態とうつ状態を繰り返していた湯兎の症状はだんだん改善したのである。


 今はこうやってエッセイを書くこともできる。


 うつ状態のひどいときには文章を書くどころか、日本語の文字を読むことすらできなかったことを考えると大変な進歩だ。


 読もうと頑張っても、どうしても、模様にしか見えないのである……。


 ありがとう、母よ。頭が上がらぬ。


 とても長くなったが、この話はここで切らせてもらおうと思う。


 次の話は湯兎の軽躁状態についてだ。


 読みたくない方は、もちろん、飛ばしてもよい。


 でも読んでくれると、湯兎はうれしい。


 



今回出てきた症状……双極性障害(躁うつ病)

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