023 初代氷の魔王と初代勇者の話
《【外道】から派生した魔法が進化して独立した魔法スキルになりました。それに伴ってスキル【外道】はスキル【邪道】に進化しました》
「魔法スキル…………邪道」
「初めて聞くスキルね」
スイが初めて聞くスキル。
と言うことは、地上でも持ってる人が少ないのかな。外道から派生した魔法、【泥肉】は新たに会得した魔法スキルの無色魔法に統合された。
スキル【邪道】は【外道】の同族へのダメージが倍という効果の完全上位互換。生物へのダメージを倍にするというスキル。
ただし、このスキルは所有できる人間は限られており発動にも条件がある。
相手に「ズルい!」とか「卑怯だ!」って思わせないと発動しない。使い勝手の悪い。
「邪道は理解した。けど、無色魔法って何かしら。固有魔法なら知ってるけど」
「固有魔法?」
固有スキルに固有魔法って、ややこしいなぁ。そろそろ覚えること多くてパンクする。
「えぇ。稀にその人だけが使える特別な魔法があるの。誰でも固有魔法が生まれるわけじゃなくて稀に、誰かしらが使えるようになるの」
「例えば?」
「例えばねぇ………報告の少ない魔法だからパッとは出てこないけど、う〜ん。初代勇者が使ったって言う【転生】って魔法は知ってるわ」
「スキルじゃなくて魔法。どんな魔法?」
「具体的な内容はよくわからないわ。初代氷の魔王にたった一度だけ使ったらしいの」
「自分でも邪の魔王でもなくて?」
「えぇ。私の生まれる前だからおじいちゃんから聞いただけの話なのだけど、2人はとても仲が良かったみたい。でも、ある日に勇者が氷の魔王に向けて攻撃を仕掛けたの。そして、転生の魔法を使うと初代氷の魔王はその場から消滅したそうよ」
転生魔法………転生魔法って言うくらいだから初代氷の魔王は転生させられたのかな。
でも、仲が良かったなら何で?。
「もちろん。その後の氷の魔王の部下全員が激怒、運が良かったのか………2代目魔王は受け継いだばかりで魔王軍は機能してた。それもあって、人間と氷の魔王軍の戦争が起きたらしいわ」
「そのあと勇者は?」
「決着はつかずに利用者の軍、2代目魔王、勇者は大ダメージを受けて終わったわ。こっちからすれば魔王を消した敵だから、今でも初代勇者は目の敵にされてるわ」
「………ん?初代勇者って生きてる?」
「生きてるわよ?」
「いまいくつ?」
「そうねぇ………初代氷の魔王が消滅したのが200年くらい前で当時の勇者はかなり若かったらしいから………210とか20くらいじゃない?」
スイはサラッと言う。
スイ達魔族や魔物からすれば200年なんてあっという間(イリス曰く)だろうけど、勇者って人間でしょ?。超長生きやん。
「というか………200年って、今僕は………何代目の氷の魔王なの?」
「城にいた時の氷の魔王は最後が11代目で、城から姿をくらました後も頻繁に代替わりしていたらしいから………20代目くらいはいってるんじゃない?。わからないけど」
頻繁にって………魔王の部下だと分かるもんなのかな。というか、20代目くらいいってるって、魔族は長生きでしょ?氷の魔王はどんだけ代替わりしてるの。いや待てよ?
「というか………氷の魔王を含めた魔導王って………寿命長くなったりするの?」
「いえ?寿命が長くなったりしないわ。氷の魔王に関しては今まで人間がなったことないけど…………今思えばいくら何でも代替わりしすぎよね。魔族とかなのに」
「だよね」
《調べました》
「ん………なになに」
《氷の魔王になると体から無意識に冷気を出し続けるそうです。その冷気が原因で魔力の過剰使用で寿命が縮んで死ぬようです。
初代魔王だけはそれを制御していたようです》
「絶対それじゃん。原因」
「………そうね。知らなかったわ、まさかそんな弱点があったなんて」
《主人はまだ完全な氷の魔王ではないのでしばらくは大丈夫です。対策に関しても考えてはいます》
「そっか………なら安心だね。そういえば、気になったんだけど、初代氷の魔王ってどんな人?。僕の大先輩だし聞きたい」
「そうねぇ………これもおじいちゃんから聞いただけだけど。初代氷の魔王は、白く美しい髪をしていて血のように赤い瞳の優しい女性だったそうよ。………あなたみたいな感じね」
話だけだと確かに。僕の髪は白いし、目も赤い。特徴はそっくり、だけど。
「ん。僕の一族は稀にこうなるみたい」
「へ〜、変わってるわね」
《無色魔法のこと、忘れてませんか?」
「「あ」」




