013 イリスさんと命名
「ねえイリス」
《なんでしょう》
「イリス………喋り方作ってる?」
《!………作っておりません》
「でもさ、イリス…………なんか機械とかシステムって感じしないし」
《…………》
「喋りずらい…………普通に喋って」
IRISU?side
困りました。
思った以上に鋭い、それともキャラ作りが下手くそでしたか。
正直、システムや機械ではないのは事実ですし、「解答」とか「報告」とか喋り方に無理があったかなとは思いました。
今の私がスキルなのは変わりません。
ですが、真実を100%伝えていったいどんな行動を取られてしまうか。
『ねえ?聞いてる?』
外から声が聞こえてきてしまいました。
正しい結論を出すのにはまだ時間がいります。
なので、せめてこの質問でこの先の喋り方を含めた対応を変えて行こうと思います。
「質問。あくまで例え話です。貴方は、このような事態になった原因が神だとしたらどうしますか」
『このようなって…………どのよう………な?』
「解答。異世界に連れてこられ、奈落に落とされ。それら全てが神の手引きでしたらどうしますか」
『ん〜…………神は信じてないけど…………いたらそうだね…………殺すよ』
「理由を聞いても?」
『ん?………こっちは殺されかけた。殺しにくるなら殺される覚悟してもらわなきゃ………ね?」
「………では、他の神は?」
『いるならもちろん殺す。その原因…………野放しにしてるって…………ことでしょ?』
今までにないほど、長く、ハッキリと話してくれます。
そして次が最後の質問です。
「では最後に…………原因の神に裏切られ死んだ神がまだ魂という概念として生きていたら…………どうしますか」
『どうもしないよ?…………裏切られて既に死んじゃったなら…………僕以上にツライだろうけど…………言っちゃえば、同じ境遇みたいなもの………でしょ?。だから………強いて言えば………手を貸す?みたいな』
手を貸す。それをどういう意味で言ったのかはわかりませんが、この人、いえ。主人は想像以上に。
SIKABANE
意図のわからない質問をいくつかされる。
神………イリスにも言ったけど、僕は神を信じてない。異世界に来ておいて信じないのはどうだと思うだろうけど、僕は実際に神を見たわけじゃない。
でも、イリスの話し方は実体験というか例え話というのには具体的すぎる。
そして、黙っていたイリスがようやく話し出す。
《………わかりました。敬語、ではありますが。これからはこのように話していきます》
すごい変わったと言うことはないけど、声がマイク越しみたいじゃなくて頭に直接響いてくる感じになった。
もう一つの人格があってその人格が話しかけてくるイメージ。え?よくわからない?。
「ん………その方が…………話やすい」
《では、主人》
「しゅ、主人?」
《そうです。主人です》
か、変わった呼び名をつけられた。
でもいいか。
「で、どうしたの?」
《蜘蛛の魔物に名前を付けることを勧めます》
「な、なんで?」
肩に乗っているスパイダーさんを見る。
《はい。名付けられなければ進化できないのは覚えていますか?》
「ん」
《普通の魔物はLv.が上がれば自然に進化できますが。魔王の配下である一部の魔物は名付けられなければ進化できないようにロックされています。その名付けをするのは魔王の役目なのです》
「なる………ほど?」
正直、少し困惑してる。
いやね?だって初対面だし親でもないから名付けていいものなのかなって。
親戚に子供の名前決めてって言われてるものよ?。
スパイダーさんを再びみる。
「名付けてもいい?」
『構わない』
翻訳のLv.も上がって知らない単語以外はスムーズに翻訳できる。
知らない単語はなんか、ノイズかかるんだよねえ。
さぁ、命名です。
「ん〜…………蜘蛛…………くも………スパイダー……………スパイ…………スイ…………よし!命名!今日から君は【スイ】!」
《安直ですね》
『安直』
う、うるさいやい!。
初めて名付けるんだからしょうがないやろがい!




