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6/21

6 週に一度はお休みがあるっていいですね

 三点鐘で目が覚めたけど、今日は日曜日でお休みです。


 この世界にも休息日ってのがあるんです。設定したわたしが言っているんだから間違いないですよ。

 小説には使わなかったネタですけどね。

 ちなみに、1週間は6日、1ヶ月は5週間ってことで30日、1年は12ヶ月ってことで360日になってます。

 計算しやすくていいでしょ?

 最初は、1週間は10日、1ヶ月は4週間で40日、1年は10ヶ月で400日って言うふうに考えてたんだ。このほうが10進法で考えやすくて自然かなって思ったんだけど、できるだけ地球と同じくらいにしたほうが季節感とか話が進めやすそうだなってことで前者の設定にしました。

 どちらにせよ、考えてただけで使わなかったんだけどさ。


 休息日はパーティーでの活動もお休みにするって最初に決まってたようです。

 冒険者パーティーって年中無休のブラック企業かと思ってたけど意外とホワイト企業かもしれません。

 残業もなさそうだし、でも福利厚生はまったくなさそうなのよね。


 お休みってことで二度寝しちゃいましょう。

 二度寝できるってやっぱ最高に幸せだよね。


 四点鐘を聞いてから、のそのそと起き出す。

 休みの日って言ったらとりあえず、お洗濯かな?

 なんか元の世界で暮らしてた時の習慣そのままになるけど、考え方は間違ってないはずだよね。

 疲れて帰ってお洗濯ってなかなかつらいものがあるから、お休みの時にまとめて洗おうってのは自然のはず。


 アリエルが同じ考えだったかどうかは不明だけど、汚れた服が溜まってるからきっとそうなんでしょう。

 汚れたまま使おうってのじゃないのね?


 さて洗濯と思ったけど、洗剤ってあるのかな?

 とりあえず、アリエルの記憶を探し回ってみても洗濯とか見つからないんだけど、どういうものなんでしょうか?

 今まで教会とは言え親元で暮らしてたわけだから、自分でしてなかっただけ?

 うーん、アリエルの記憶は役に立たないってことがわかった。


 洗剤がないなら自分で作ろうってわけにはいかないのよねぇ。

 そういう知識とか全然ないし。

 文系人間は知識チートで役立ちません。

 理系の人なら知ってるってわけでもない気がするんだけどさ。


 そういえば中世ヨーロッパで洗濯女っての読んだことあったような。

 たしか、洗濯物を足で踏んでたような記憶。

 あれでキレイになるんだろうか?


 とりあえずタライに昨日体を拭いた湯が残ってるね。当然冷めてるけど。

 これに汚れた衣服をつけて洗ってみましょうか。

 そして足でふみふみ。

 めいっぱい、ふみふみ。


 うわ、汚れで水が真っ黒じゃん。

 ずいぶん長い間、洗濯してなかった気がするぞ。

 本当はすすぎもしたいけど、水の替えとかもらうとまた別途お金がかかるんだよね、これ。

 

 しかたない。

 このまま干しておこう。

 さすが冒険者って感じで荷物に長い縄があるから、これで部屋に洗濯物も干せますね。


 ☆★☆


 ブランチを食べに外出。

 宿を出て歩いてるうちに五点鐘が聞こえたから、ブランチっていうよりすっかりランチですね。

 あれこれ考えるのは面倒だったので冒険者ギルドの横の食堂へ。


「アリエル、おはよう」


 お店にはいると声をかけられた。振り向くとシモンがいるじゃないですか。

 なんか変なフラグが立ったような気がしないでもないです。


「おはようございます。

 ご一緒してもいいですか?」


 まぁシモンとはいっしょの時間を多くして、せっせと能力アップを図りたいのは本音でもあります。


「もちろん」


 って返事をもらえたので、シモンの隣の席へ。

 シモンがちょっと驚いたような感じをしてるのはムリもないでしょう。

 四人がけのテーブルでこういう場合は向かい側の席に座るのが普通でしょうからね。

 でも、向かい側より隣の席のほうが距離が近いじゃないですか。

 能力アップには距離が大事なんですよ。


 ジャパニーズスマイルでごまかしておきましょう。


 わたしが注文するより前にシモンの頼んだ定食が届いた。

 なんだかよくわからない料理だ。


「今日の日替わりがそれですか?」


「あぁ、アガニス鳥の蒸し焼きだよ」


 うーん、知らない鳥だ。すべての動物の設定とかしてるわけじゃないから、知らないものはたくさんあります。


「美味しいですか?」


「なかなかイケる感じだな」


「じゃ、わたしも同じのを頼むことにします」


 知らない料理が多いんだから、冒険は避けたいよね。

 この世界、爬虫類とか虫とかも普通に食べるから、できるだけそういうのは遠慮したい。

 そんな設定したのは誰さ。はい、わたしです。


 シモンは先に食べ終わったけど、わたしが食べ終わるのを待っててくれました。

 それにしてもさすが冒険者御用達の食堂です。量が多い。

 全部食べたら、少し苦しくなりました。


「思ってたのと違ってアリエルってたくさん食べるよね。

 昨日も今日も俺と同じだけ食べてるし」


 基本的に食いしん坊なんです。

 前の世界では少々お肉がつきすぎてるのを気にして、ダイエットとかしてましたけど、このアリエルのプロポーションなら当分問題ないでしょう。

 無駄なお肉がつき始めたら、そのときはそのときで考えます。


「教会育ちですので、食べ物は残したりできませんからね」


 と、無難なことを言ってごまかしておきましょう。

 あ、でも爬虫類とか食べるハメになるといけないか。


「でも、いろいろ苦手な食べ物とかあってよく怒られてました」


 よし、これでちゃんと伏線を張れてるよね。


「今日の午後はどんな予定?」


 おや、なんかお誘いあるのかな?


「特に何もないですよ」


 実際何も考えてません。


「もしよかったら、ダンジョンつきあってくれない?

 少しでも鍛えたくて」


 お誘いはお誘いでしたが、あまり色気のないお誘いでした。

 シモンって根がマジメな努力型キャラなんだよね、序盤は。

 途中からどうしてああなったんだろう?


「いいですよ。

 でも武器とか防具とか持ってきてないから宿屋に戻らないと」


 シモンとアリエルがどの程度仲良しだったかまで考えてなかったけど、一緒に夕食を食べに行ったってエピソードが設定されてるから、そこそこ仲良かったはずだ。

 このくらいは問題ないよね。


「それは俺も同じだ」


 昼食の代金はシモンが奢ってくれた。

 基本的に平民の男女はワリカンですが、貴族の男女は男性がすべて支払います。

 シモンは貴族出身ですので、自然とこうなるのでしょう。

 貧乏だから助かります。

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