一冊目
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┃◎日記のはじまり ┃
┃ 09/01(土曜)┃
┃ 【1】 ┃
┃・今日は土曜日だからお休み。┃
┃・何かカラダが変。今日が休み┃
┃で本当によかった。 ┃
┃・今日から日記を始めることに┃
┃する。出来るだけ毎朝日記を書┃
┃くことにする。 ┃
┃・今日朝起きたら大人の女性に┃
┃なってた。私はまだ10歳の小┃
┃学生だというのに。 ┃
┃・急に大人になっちゃったから┃
┃それを記録するために日記を始┃
┃めた。 ┃
┃・顔もカラダも色っぽくてまさ┃
┃に大人って感じ。 ┃
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┃ 【2】 ┃
┃・10歳離れたお姉ちゃんに顔┃
┃がそっくり。ほぼお姉ちゃん。┃
┃でも今の私の方が可愛くてキレ┃
┃イ。 ┃
┃・お姉ちゃんの10倍くらい胸┃
┃が大きい。胸が少し邪魔。 ┃
┃・朝起きたときよりもおばさん┃
┃になってる。どんどんおばさん┃
┃化してる。かなり年取ってる。┃
┃・難しい言葉とかも自然と使え┃
┃るようになってる。漢字とかも┃
┃すらすら出てくるし。 ┃
┃・私の頭も大人になったのかな┃
┃。頭がよくなってる気がする。┃
┃・知識とか常識とかも備わって┃
┃る気がする。 ┃
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┃ 【3】 ┃
┃・文章の書き方はあまり上手く┃
┃なってない気がする。でも前よ┃
┃りはマシかも。 ┃
┃・今は25歳とかその辺り。こ┃
┃のまま年を取り続けたら明日に┃
┃は何歳? ┃
┃・大人になれたのは嬉しいけど┃
┃早く治ってほしい。 ┃
┃・明日には治るよね。きっと治┃
┃る。 ┃
┃・でも親にどう伝えよう。だっ┃
┃て今の私、別人だもん。部屋か┃
┃ら別人出てきたら怖いもんね。┃
┃・さあ、今日も頑張るぞ!今日┃
┃も明るく明るく元気に! ┃
┃ 【終】 ┃
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┃◎不安と希望 ┃
┃ 09/02(日曜)┃
┃ 【1】 ┃
┃・昨日の夜はヤバイほど老けた┃
┃。朝のうちは20代だったけど┃
┃50代くらいまでいったかも。┃
┃・50歳ってババアだよね。パ┃
┃パやママよりも凄く年上だもん┃
┃。 ┃
┃・でも自分の顔を見ても全然醜┃
┃いって感じはしなかった。いい┃
┃感じに年を取ったって感じだっ┃
┃た。 ┃
┃・まさに魔美女だね。パパやマ┃
┃マのほぼ倍の歳になってもそん┃
┃なに嫌な気持ちになってないや┃
┃。 ┃
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┃ 【2】 ┃
┃・50歳くらいまではいったけ┃
┃ど寝て起きたら戻ってた。今は┃
┃昨日の今ごろとほとんど同じ年┃
┃齢だと思う。 ┃
┃・朝戻らなかったらどうしよう┃
┃みたいに考えてたから良かった┃
┃。100歳越えなくて良かった┃
┃。 ┃
┃・でもまたどんどんと老いてい┃
┃ってるからな。午前0時に10┃
┃歳に戻って夜になるにつれてま┃
┃た中高年になっていくみたいな┃
┃感じかな。 ┃
┃・シンデレラのようなやつかも┃
┃しれない。明日も繰り返すのか┃
┃な。ずっと繰り返すのかな。 ┃
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┃ 【3】 ┃
┃・とりあえず今日は午前0時ま┃
┃で起きて確かめてみよっと。 ┃
┃・最初に老け出した時にパジャ┃
┃マ着て寝てたら危なかったよ。┃
┃何も着てなくてよかった。 ┃
┃・急にカラダが大きくなったら┃
┃パジャマが小さすぎて首とか締┃
┃め付けられるもんね。 ┃
┃・何か着てたら突き破るか締め┃
┃付けられてたよ。今日はお姉ち┃
┃ゃんのパジャマ貸してもらった┃
┃から大丈夫だった。 ┃
┃・お姉ちゃんに色々助けてもら┃
┃って昨日はなんとかなった。 ┃
┃・お姉ちゃんは私がオバサンに┃
┃変わることを唯一知ってる。 ┃
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┃ 【4】 ┃
┃・お姉ちゃんは私に何でもして┃
┃くれて何でも言える存在。 ┃
┃・部屋で閉じこもっているとい┃
┃うことにして親は騙した。何と┃
┃かなってると思う。 ┃
┃・閉じこもって親に心配はかけ┃
┃たくない。でも私がオバサンに┃
┃変わっちゃうことを知ってしま┃
┃った方がよっぽど心配だろう。┃
┃・お姉ちゃんには食事も部屋に┃
┃運んでもらった。 ┃
┃・洋服はお姉ちゃんので何とか┃
┃なった。 ┃
┃・20歳のお姉ちゃんに万人に┃
┃似合う服を借りた。 ┃
┃・お姉ちゃんがいるから楽。 ┃
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┃ 【5】 ┃
┃・化粧品とかアクセサリーとか┃
┃大人の女性に必要なものは全部┃
┃お姉ちゃんから借りた。 ┃
┃・トイレのときは親と出くわさ┃
┃ないように慎重にした。何とか┃
┃なった。 ┃
┃・スマホずっといじってた。家┃
┃からは出なかった。 ┃
┃・近いうちに外に出てみること┃
┃にする。 ┃
┃ 【終】 ┃
┃ ┃
┃ ┃
┃ ┃
┃ ┃
┃ ┃
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┃◎始まりと終わり ┃
┃ 09/03(月曜)┃
┃ 【1】 ┃
┃・昨日は日付が変わる午前0時┃
┃まで起きてたけど、急に10歳┃
┃に戻った。ゆっくりとかじゃな┃
┃く一瞬で。 ┃
┃・やっぱり考えは合っていた。┃
┃10歳からだんだんと歳をとっ┃
┃ていって60歳近くになる午前┃
┃0時でまた10歳に戻る。 ┃
┃・私は10歳から60歳を永遠┃
┃に行き来するのだろうか。こん┃
┃な体験をしてるの私だけだろう┃
┃しポジティブに考えるぞ! ┃
┃・今日は月曜日だ。だから今日┃
┃から学校が始まる。 ┃
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┃ 【2】 ┃
┃・学校が始まるまでには何とか┃
┃なるって思ってたけど駄目だっ┃
┃た。 ┃
┃・20代後半くらいの姿で学校┃
┃行ってもただの不審者だもんね┃
┃。いい大人がランドセル背負っ┃
┃て登校したら怖いもんね。 ┃
┃・友達に会いたいよ。美空ちゃ┃
┃んと麗華ちゃんに会いたいよ。┃
┃・まだ一回も休んだことないか┃
┃ら私が休んだらたぶんみんな驚┃
┃いちゃうよね。おばさん化する┃
┃こと友達には絶対に言えない。┃
┃・学校行きたいよ。楽しく走り┃
┃回りたいよ。学校で友達と楽し┃
┃く遊びたいよ。 ┃
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┃ 【3】 ┃
┃・月曜日になって学校が始まっ┃
┃たっていうのに、私の学校人生┃
┃は終わりってこと? ┃
┃・ずっとお風呂入ってなかった┃
┃。お風呂まで行くのにパパとマ┃
┃マに見つかるリスクが高すぎて┃
┃。 ┃
┃・でも今日、日付が変わって本┃
┃来の10歳の私に戻ってから入┃
┃った。50歳くらいの時にお風┃
┃呂に入ったらカラダの衰えとか┃
┃気になっちゃうし。見たくない┃
┃から10歳が一番。 ┃
┃・50歳くらいの時のカラダは┃
┃だらしないけど20歳のカラダ┃
┃は本当にいいカラダだから。 ┃
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┃ 【4】 ┃
┃・せっかく大人になったんだか┃
┃ら楽しまなくちゃね。暇だった┃
┃から朝のうちに撮った20歳の┃
┃美しい写真を使って出会い系ア┃
┃プリ始めた。 ┃
┃・色々な男の人達からメッセー┃
┃ジが山ほど来てビックリ。いい┃
┃人ばっかりですごく楽しい。 ┃
┃・出会い系アプリで知り合った┃
┃人といつかデート出来たらいい┃
┃な。まだ親密にはなってないけ┃
┃どね。 ┃
┃・でも20歳なのって早朝だけ┃
┃だから早朝デートになっちゃう┃
┃。まあそのへんはあとで考えよ┃
┃う。 ┃
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┃ 【5】 ┃
┃・家で引き籠ってちゃもったい┃
┃ないよね。今ちょうどいい女に┃
┃なってる朝だから街へ繰り出し┃
┃てみようかな。 ┃
┃・ナンパみたいなヤツされたい┃
┃な。都会は朝でも人いるからね┃
┃。 ┃
┃・男性と一時間話すくらいなら┃
┃年をとることバレないよね。 ┃
┃ 【終】 ┃
┃ ┃
┃ ┃
┃ ┃
┃ ┃
┃ ┃
┃ ┃
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┃◎大人と恋愛 ┃
┃ 09/04(火曜)┃
┃ 【1】 ┃
┃・昨日は朝早くに街に出掛けた┃
┃。だいたい20歳くらいの年齢┃
┃になる朝5時に出会い求めてさ┃
┃迷った。 ┃
┃・朝5時の街なんて一度も行っ┃
┃たことがなかったから緊張した┃
┃。何か変な感じだった。 ┃
┃・朝5時はいつも夢の中だから┃
┃ね。その時間に起きてることは┃
┃あるけど窓ガラス越しにしか見┃
┃てない世界だからね。 ┃
┃・やっぱり都会って凄いな。朝┃
┃5時なのに結構、人がいた。 ┃
┃・都会は凄い。都会はヤバイ。┃
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┃ 【2】 ┃
┃・でも酔い潰れたおじさんがほ┃
┃とんど。あとはチャラすぎる若┃
┃者くらいしかいなかった。 ┃
┃・それでチャラすぎる若者の集┃
┃団に声掛けられちゃった。チャ┃
┃ラチャラした男性は苦手だし、┃
┃圧が凄かったから逃げてきた。┃
┃・なんか怖くなった。襲われる┃
┃予感しかしなかった。私ってま┃
┃だ10歳だからね。 ┃
┃・でも朝の街って何か新鮮で良┃
┃かった。朝の街でいい人に出逢┃
┃える気は全くしなかったけど。┃
┃・大人の男の人はやっぱりなん┃
┃か怖い。 ┃
┃・でも恋はしてみたい。 ┃
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┃ 【3】 ┃
┃・次は真面目そうな人に逆ナン┃
┃しようかな。必ず出逢えるはず┃
┃。 ┃
┃・全然寝てない。朝の街に行く┃
┃ことも達成したし、今日は家で┃
┃一日中ダラダラしようかな。 ┃
┃・私が小学生だってこと忘れる┃
┃ときがある。義務教育を受けて┃
┃るんだって忘れるときがある。┃
┃仕方ないか。ほぼ大人の生活や┃
┃らせてもらってるもんね。 ┃
┃・一度学校を休んだだけなのに┃
┃長いメールが友達からいっぱい┃
┃来た。心配や励ましのメールが┃
┃いっぱい来ててすごい嬉しかっ┃
┃たな。 ┃
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┃ 【4】 ┃
┃・メールの返信は10歳の気持┃
┃ちで書かせてもらった。メール┃
┃は返せたけど何回もしてくれた┃
┃電話には出られなかった。 ┃
┃・だって夕方はおばさんの声し┃
┃てるから。声が大人だから大き┃
┃な声も出来るだけ家では出さな┃
┃いようにしなきゃ。 ┃
┃・部屋の外からパパやママに中┃
┃の雰囲気を察知されないように┃
┃大人びた言動は謹む。 ┃
┃・部屋の前でママがうろついて┃
┃る。一日に何回も何回も。 ┃
┃・最近、私の姿も声も一切感じ┃
┃てないんだもん、そうなるのも┃
┃仕方ないよね。 ┃
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┃ 【5】 ┃
┃・このモヤモヤした状況を乗り┃
┃きる方法を知りたい。ママに打┃
┃ち明けるしかないのかな。 ┃
┃・ママには10歳の姿を一度見┃
┃せてあげた方がいいかも。姿を┃
┃見せて安心させた方がいいかも┃
┃。一回、午前0時にママの前に┃
┃現れようかな。 ┃
┃ 【終】 ┃
┃ ┃
┃ ┃
┃ ┃
┃ ┃
┃ ┃
┃ ┃
┃ ┃
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