プロローグ
かつて争いの終わらないこの世界で、世界の理を定める者達に戦いを挑む者がいた。
魔王と呼ばれたその男は、神々を殺していった。
不滅にして不可侵の存在である神々は世界にとって、長らく絶対の存在だった。
人々は崇め奉り、亜人は恐れ敬った。
魔神族の間では、世界を統べる偉大な存在として畏怖を集めていた。
しかし、ある男がそれを変えてしまった。
秩序を、不平等を、不条理を、絶望を押し付ける神々に対して歴史上初めて戦いを挑んだのだ。
神々を滅し、神域を侵し、世界を手に入れた。
後の世において、歴史上最大の罪人とも呼ばれるその男の名は
大魔王-----メギルド・マグナウォーカー
世界に7人存在する魔王の頂点であり、世界の統率者だ。
しかし、神々を滅した大魔王とて不老不死ではない。
その命には必ず終わりが来る。
永遠に統率者ではいられない。
大魔王メギルドは幾人かの同族の女性と子供をもうけた。
後の世の安定の為に、複数人の後継者が必要だったためだ。
そしてそれぞれの妃から子供が生まれた。
強大な魔力を持った者。
屈強な肉体を持った者。
並外れた知性を持った者。
そして持たざる者。
後の世において世界を統べる可能性を持つ後継者候補達は、いずれも欠点を抱えていた。
優しさを欠き、知性を欠き、勇気を書き、力を欠いた。
大魔王メギルドはより良き未来のために自分の子供達以外からも後継者を募った。
種族を問わず、生まれを問わず、経歴を問わず。
必要とされる能力は大魔王の後継たる存在であると示すこと。
これこそが戦乱に繋がるとも知らず、大魔王はただただ後の世の安定の為に優秀なものを集めた。
そしてそこには-----------
確かにいたのだ。
大魔王の器を真の意味で持つ者が。




