事務員の事情
「とまあ、そういうわけだ」
事務室に戻ったジョナサンは、ユキナリとグロリアに挑戦状について話した。
「大丈夫なんですか、それ?
というより、調査でも何でもないじゃないですか」
思案顔のグロリアはそう言った。
ユキナリは、ひたすらうなずいていた。
メレディスはいつも通り、神妙な面持ちで聞いていた。
「確かにそうなんだが、執事がかわいそうで、俺もつい受けてしまった。
でも俺たちなら、なんとかなるだろ」
「私は一応、止めましたけどね」
腕組みをしたアリーナは、ため息交じりだった。
ユキナリは少し頭を振ってから、言った。
「受けてしまった以上、行くしかないだろう」
「ですよねー」
グロリアは渋々同意した。
「そういうわけだ。
メレディス、すまないが留守を頼む」
「いいですけど、僕は今日、早く帰りますからね。
家でしなければいけないことがあるので」
メレディスは申し訳なさそうにしていた。
「おお、そっか。
じゃあ、鍵だけかけて帰ってくれ」
「わかりました。
今日さばききれなかった書類は、明日片づけますよ」
「それでいい。
本当、お前には助けられている。
ありがとな」
「いえ、いいんです。
僕なんかでよければ」
そう言ったメレディスの表情には、朝の空気には似合わない影が差していた。
ジョナサンは少し違和感を覚えた。
だが今は先を急がなければと思いなおし、事務所を出て行った。
アリーナとユキナリ、グロリアも、彼に続いた。




