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時空魔竜騎アースガルンプロット.  作者: 一ノ元健茶樓
ガルンの章
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83/129

エリア88

 




 東京の空と大地に灰色の魔竜騎が、大量に発生し、街を破壊している。

 ビルの上に飛来した魔竜騎、その壁面を魔竜騎は登る。

 小さな家は、魔竜騎により無造作に壊されて行く。

 聞こえる悲鳴、燃える街、平穏な夜は一瞬にして煉獄となる。


 ロズウェルから、それを見ていた一同。


 モイラは口を開く。


「な、なんなの…これは…」


 ラケシス達の顔は、悲惨を見ていた。


「な、何も関係の無い、人々が…こんな事に…この、世界は…」


 ギルバートとサランは、直ぐに外へと飛び出す。

 ユニリンクし、魔竜騎と操縦者になり戦う。

 そこへニアが、やって来る。


「…すみません。…まさか…こんな…人命救助を優先して下さい…」


 そう言うとロッシー達が居る、時空フィールドの方へと、飛んで行ってしまう。


 グレイと別れた、ズルワーンと、サトゥルーナから分かれた2人のルーナは、魔竜騎ズルワーンの口に乗り込み、ロズウェルへと向かう。ズルワーンと2人のルーナ、そしてフォルは、その惨劇を目の辺りにする。


「な、なんなのよ…これは…」


「アイツの仕業、なのか…?僕が…アイツに居場所を、言ったから…か…?」


「私たちの…せい…なの?」


 魔竜騎ズルワーンとフォルは、灰色の魔竜騎軍を破壊しながら、前進して行く。



 - 同時刻 時空フィールド内 -



ロッシーは、恐怖と疑心に満ちた表情でいた。


「…あなたは…」


「やぁ、ロッシー。久しぶりだね。僕はグレイ。やっぱり覚えてないのかい?大丈夫?」


 ロッシーは、ニアを探す為に、また外へと出ていた。すると、背後から話しかけられ振り向くと、そこにはグレイが居たのだ。


「さっきはごめん。驚かせたよね。まさか君が記憶喪失になっているなんて思わなくて…」


「…え?わ、私が…記憶喪失?そんな事…」


「無理も無い。君の過去は忘れられている。そうじゃないと、僕の事を忘れるはずがないよ。だって、僕と君は…」


「あなたと…私…?」


「な、何だか、こんな事…改めて言うのは恥ずかしいんだけど…ロッシー!君と僕は、こ、恋人同士だったんだ!」


「ええええっ?!う、うそよ!」


「嘘じゃない!その証拠に!ほら、これは君の家の鍵だ!だから、あの時ロッシーの家に入れたのさ。ニアちゃんに借りたんだ。ニアちゃんは僕と君が、二人きりになれるよう、気を使って家を出て行ってくれている。しばらく戻らないと言っていたよ」


「そ、そんな…ニア…なんで…」


「きっとニアちゃんは、今の君に僕が必要だと思ったのさ。ほら、帰ろう。家でゆっくり、今までの事を話して思い出そうよ…」


 少し悲しそうに笑いながら、真っ直ぐにロッシーを見つめ、手を差し出すグレイ。その目を見つめるうちにロッシーの心は、少し揺らいだ。


「な!なんでお前がここに?!」


 その時だった。

 ヒックが、現れたのは。

 ロッシーは、それに驚いて、グレイの傍へと駆け寄る。


「あ、あなた何なのよ!なんで私を…」


 それを見たヒックは、ロッシーへと叫ぶ。


「ロッシー!そいつから離れろ!危ない!」


 それを聞いてロッシーは、少しグレイから距離をとる。

 グレイは、ロッシーの方を向いて手を優しく握る。


「ここは僕に任せて、先に家へ帰ってて。アイツは僕達の仲を良く思わない、悪い奴なんだ。君を狙ってる。僕がここで話をつけるよ。ニアちゃんにも君を守るって約束してるんだ。さあ!」


 そう言ってグレイは、ロッシーを少し強く突き放す。


「…わ、分かったわ!ありがとう…」


 ロッシーは、走って行ってしまう。それを追うヒックの前に、不敵に笑うグレイが立ちはだかる。


「…っ!お前!ロッシーに何をしたんだ!」


「え?別に何もしてないさ。それより、君、1人で僕に勝てるとでも?」


 そう言うとグレイは、手を前に出し光を放つ。

 一瞬にしてヒックは、後方へと吹き飛ばされ電柱に激突する。


「…ウクッ…ワールド オブ ザ アームズ!!」


 ヒックは、手から光弾を何発も発射する。

 それを軽々と避けるグレイ。


「あーあ、街を破壊するなんて。ますますロッシーちゃんに嫌われてしまうよ?いいのかい?」


「…っな?!」


 するとグレイは、一瞬にしてヒックの前へと移動し、ヒックの腹へと光を放つ。

 それは空へと軌跡を描き、ヒックを空へと浮かせる。


「クハッ!」


 ヒックは、ダメージを受け、何も出来ず地面へと叩きつけられる。

 グレイは、横たわるヒックの顔を踏みつける。


「あのロッシーという女。まさかヒックの魂を受け継いでいたとは驚きだね。でも何故か世界は、彼女の成長を進めて居ない。いや、彼女自身がそれを拒み続けているようにも思える。これはチャンスだよね?僕はロッシーのチカラを手に入れ、この世界を作り換えるよ、ヒック…」


「な、何を…言って…やがるっ!」


 ヒックは、地面に光弾を放ち、土埃を上げてグレイから距離をとる。


「絶対、お前をロッシーの元へ行かす訳には行かねぇ!!ここで決着つけてやる!!!」


「へぇ、いいよ。目障りな君を、僕もここで消しておくよ…」


 ヒックの両手が、今までに無い程の輝きを放つ。

 グレイも、片手に凄まじい光を凝縮して行く。


 その2人のチカラは、周囲の空気を震わせ、プラズマを産み、空間を歪ませて行く。


 走って家へと向かうロッシーは、その気配を感じ、後ろを振り返り足を止める。


「な、何なの…あの、光は…」


 時空フィールドの外からも、その2つの光は確認出来る程だった。


「ちょ!マヂあれ!見てギルバート!!」


「あ、アレは…ヒックくんか?!それと、グレイ?」


 灰色の魔竜騎達は、その光に向かい進路を変える。時空フィールドへと向かい、壁を破壊しようと体当たりをしたり、噛み付いたり、叩いたりしている。


「こ、これは、一体どういう事だ…」


 魔竜騎ズルワーンに居た、ズルワーン達も異変に気づき、時空フィールドの上に、ニアがいる事へと気づく。

 そこへ向かったルーナが、ニアへと話しかける。


「ニア!これはどうなっているの?!私たちが、、、私たちが原因でこんな事に…どうしたら…!」


「…大丈夫です…世界は戻る…でも、グレイとヒックが…」


「あの光ね、あれはヤバいわ…」


 フォルが、2つの光を見つめていた。


「…私が…ほぼ全ての残りを使って、この上に、もっと強い時空フィールドを張ります…。その中でチカラを封じ、誰も入れない…絶対領域を作ります…そして中の時間を加速させる。ロッシー姉さまが…成長を認めてくれるかどうかが…問題ですが…ヒックさんに託します…2人がきっと…いいえ…2人なら大丈夫だと信じます…」


「ロッシーが、成長を認めてくれるかどうかって、どういう事なの?あなたは…一体…なんなの…?」


 フォルは、詠唱を開始するニアを見つめ言葉を放つが、ニアはそれを聞いていない。

 他の者も、ただニアを見つめるだけだった。


「…私は…動けなくなります…そして…時間は1時間…中では1ヶ月が過ぎます…その間、時空フィールドの破壊だけは…何としても阻止してください…あなた達だけが…頼り…です…」


「分かったわ!絶対に、守ってみせるから!」


「僕達のチカラは…もう、何も…」


「ズルワーン、私たちにも出来る事はあるはずよ!」


「そうね、ルーナさん。絶対に、この状況を諦めてはいけないわ…」


 2人のルーナは、手を繋ぐ。


『僕も、頑張るね!』


 それを聞いたニアは、笑顔を作る。


「…ありがとうございます…あなた達で…本当に…良かった…」


 そう言うとニアの身体は、七色の光に包まれて行く。

 その光が辺りを包み、時空フィールドを覆う。


「…それでは…お願いします…」


 一同は、承諾の返事を言う。


「超次元フィールド!エリア88 - エイティエイト - 絶発!!!」


 すると時空フィールドは、視覚で確認出来る七色のドームへと変貌し、ニアの姿は消えてしまう。

 そして灰色の魔竜騎達は、そのドームへと更に群がり破壊動作を繰り返す。


 後を追って来たギルバート達と合流し、ロズウェルへと一同は向かう。


 時空フィールド内で、チカラを溜めていた2人が、そのチカラを解放しようとした時だった。


 フィールド内から、全てのチカラが消え、フィールド内の世界が再構築されて行く。


「な、なんだこれは…!!」


「ッチ、あの女ぁぁぁぁっ!!!また僕の邪魔をおぉぉぉっ!!!!」


 我を忘れて叫ぶグレイの頬に、ヒックの拳が炸裂する。

 グレイは、地面へと倒れる。


「…く、ゥ…」


 そしてヒックは、ロッシーが走って行った方へと向かう。


「…絶…対に、許さないぞ…お前たち…」


 怒りに満ちた目を、走り去るヒックへと向けるグレイは、道路を掻きむしっていた。







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