光の指輪
何も無い空間に居る4人。
ギルバートが、その沈黙を破る。
「いや、あの、べ、別に怒ってる訳じゃないんだ…」
サランが続く。
「そ!てか、ちょい複雑な気分みたいな~?あ、いや、でもアッチの眼鏡は許せないけど…」
「サ、サランちゃん…ごめん。僕のナスラが酷い事を…」
「あ、ギルバートのせいじゃないっしょ?!私とギルバートを離そうって為なんだし、それってマヂヤバだよね?!」
そう言ってサランは、リュウローの横にしゃがみこみ、体育座りをして俯いてるリュウローの肩へ手を当てる。
そして、優しく呟く。
「ごめんね…私たちのせいで、嫌な役させちゃって…」
ギルバートも背を向けるナスラに近寄り、後ろに立つ。
そして、力強く話しかける。
「ナスラさん!いや、ナスラ…僕はあなたが大好きです!」
サランも続く。
「リュウロー、私はあなたが嫌いだわ…」
ギルバートが続ける。
「だって、あなたは僕から生まれたのだから」
サランが話す。
「そ!マヂで私から出て来た存在って感じする!だけど、1人はもう嫌なの。マヂ好きな人に会えたしラブハピなんだよね!」
「僕は自分が大切です。でも好きな人も大切だと分かった。たとえ、その人が僕の事を好きじゃなかったとしても。そんなの関係なく、愛したいと思います」
「私には不釣り合いなんて思わないで」
「僕は好きな人に、好きだと伝える事が出来た」
「それに気づけたのは、リュウローのおかげよ。あなたはもう偽物なんかじゃない。私の心よ」
「僕もナスラのおかげで、サランちゃんの為に出来ることが見つかった。感謝してます。自分を信じ行動した先に、ある愛を…僕の本当の心を」
リュウローとナスラの身体が、あたたかく優しい光に包まれていく。
そしてリュウローが、顔を上げてサランに微笑む。
「サラン、良かったよ。君のホントの笑顔が見れて…ずっと僕と一緒だと本当はどうしよう…って思ってたんだ。でも邪魔をするのが僕らの存在意義」
ナスラは振り向き、ギルバートへ微笑みかける。その頬は染まり、目からは涙が零れていた。
「ギルバート君、ホントに成長したわね。もう私の助言は要らないかな?ふふ。かなわないわね。この好きをずっと…忘れないで。お願いよ」
ギルバートは、泣きながら叫んだ。
「忘れませんよ!だってナスラの好きは!僕の好きなのだから!」
リュウローは、勢いよく立ち上がり、笑顔でサランに言う。
「俺、ダメな所も沢山あっけど、サランの為には頑張れる気がしてたんだ。でもこれからは、それをアイツの為にしてやってくれよな!俺もサランの事、ずっとずっと好きだからよ!」
サランも笑顔でそれに応える。
「分かった!私、頑張るね!料理もするし!都会に馴染む!寂しい時は、ちゃんとギルバートに甘えて、ちゃんと…ちゃんと好きって気持ちに嘘つかないで!ずっとずっと!この先も生まれ変わっても!ずっとずっと!」
ギルバートとサランは、互いに歩み寄り手を繋ぐ。そして、手を離し小指を絡める。
そして2人は、目を瞑り。
叫ぶ。
「ユニリンク・エンゲージ!!」
2人の小指を起点に、空間全体が眩い光に包まれて行く。その強い光は、2人の姿と微笑むナスラに笑顔のリュウローも包み込む。
そして
ギルバートとサランは、恥ずかしそうに互いの顔と顔を近づける。
目を閉じ、首を傾け、2人は唇を近づける。
空間は真っ白になり何も見えなくなった。
ハートのバリアに包まれていた魔竜騎2体は、激しく爆発して行く。
その爆発の光は虹色で、その光は天に昇り、夜空を虹色の空へと変えて行く。
プラントの空に浮かぶ、2人の姿が見える。
虹色の空に月が浮かんでいた。
その月光が逆光となり、2人の姿を見えなくする。
すると突然、泣き顔のギルバートが叫ぶ。
「サランちゃあああああああああああああああんっ!好きだあああああああああああああっ!僕と!結婚してくださあああああああああああああああああああああいっ!!!」
プラント8と7から外に出ていた一同は、その声に驚いて空を見上げる。
そしてプラント7から出て来ていた喫煙所によく居た機兵部隊一同は、また思った。
(ま、また…サランちゃん…てか…プ、プロポーズ…?!)
そう思って、空を見上げる。
すると虹色の空と月に重なり、2人の姿が見える。
(あ、あれが…ま、まさか?!サ、サランちゃんか?!)
するとギルバートの手が光輝き、そこには金色の半透明な指輪が握られている。
手を開くと、その指輪は輝き。
涙目で頬を染めたサランの笑顔を、照らす。
サランの顔を初めて確認するプラント7のみなさん。
(うおおおおおおおおおおおおっ!!!!サ、サランちゃああああああああああああんっ!!!!可愛いいいいいいいいいっ!!!!)
そしてサランも叫ぶ。
「もちの!ろんで!チョベリグおっけっけーのマヂ卍いいいいいいいいいいいいいっ!!!えへへ、恥ずかしい…大好きよ、ギルバート!」
そう言ってギルバートの頬にキスをする。
機兵隊一同はそれを見て、祝福の閃光弾を上空に全弾一斉発射する。
閃光弾で空は明るくなり、赤く染まっていた空は夜明けを迎えようとしていた。
虹色に輝き、眩い光を幾つも放ち
皆に祝福された
2人の薬指には
光の輪が、輝いていた。
それを魔竜騎ヒックの中で見ていたフォルは、両手で口を塞ぎながら頬を染め、キラキラとした目で見つめながら呟く。
「す、素敵…」
ロランも微笑みながら語りだす。
「あの2人は、世界の軸だ。過去、現在、未来。必ず結ばれる愛で約束されている。ただ障害は毎回あるだろう。でも必ず、それを乗り越えるだけの想いがある。今回は僕らのせいで、より協力な障害。愛の邪魔をするフォルスが2体も出現したようだけれど、問題無かったみたいだね。ま、簡単に言えば、素直な気持ちに嘘は無い。って事かな…」
すると突然、フォルがロランに抱きつく。
「す、好きぃ~!」
驚いたロランは、胴体に抱きつくフォルを引き離そうとする。
「ちょ!や、やめてよ!僕は君のロランじゃないよ!ぐ、ぐるじい…」
「私のロラン~!!」
フォルは、強くロランを抱きしめながら、泣いていた。
それを見たロランは、悲しそうに微笑みながら、フォルの頭を撫でる。
「大丈夫、君のロランもきっと…」
するとロランの姿が薄れて行く。
フォルの姿も薄れ。
魔竜騎ヒックは、人型のヒックへと戻る。
ヒックは、目を覚ました。
目の前には、赤い小さな光りと魔竜騎ズルワーン。
空は、虹色で、夜が明けようとしている。
起き上がり振り向くと、空には抱き合う男女。
「…な」
口をあんぐりと開け、目が点になり
叫んだ。
「なんじゃこりゃああああああああああああああああああっ!!!!!」
そして
物語は
進み出す。





