君は僕のなんなの?
年の頃は、8歳くらいだろうか?
花畑の中の道を少年と少女が、仲睦まじく、手を繋いで歩いている。
少年は、花束を持ち。
少女は、バスケットのカゴを持っている。
少しだけ丘の様になった、休める場所に着くと、2人はその場所に腰を落とし、バスケットのカゴからサンドイッチとスープを取り出して、昼ごはんを食べ始めた。
「美味しいね!」
と言いながら笑い合い、サンドイッチとスープを食す2人。
男の子の口からこぼれ落ちた、パンのかけらを、小鳥がつつく姿を見て2人は、また微笑む。
食べ終わると少女は、少年に花の冠を作り渡した。
そして2人は、また手を繋ぎ、森の中へと帰るのだ。
森を抜け、街へと帰って来ると2人は、手を振り、それぞれの家へと帰る為に別れる。
「ただいまー!」
元気よく帰って来た事を伝えると、フォルの母は、庭で洗濯物を干しながら
「おかえり~!サンドイッチとスープどうだったぁ?!」
と、大きな声で答える。
フォルも大きな声で
「美味しかったぁ!」
と答える。
そしてフォルは2階の自室へと行きベットに座り、そのまま後ろに倒れ、寝てしまう。
同じく、ズルワーンも家へと帰る。
「ただいま」
と言うと、部屋に居る父親が、本を読みながら、ズルワーンの方は見ないまま。
「おかえり」
と、一言だけ話す。
ズルワーンは、そのまま黙々と2階の自室へと行く。
その途中、花冠を、父親からは見えない様に隠して持って来た。
フォルに貰った花冠を、頭に乗せて鏡を覗き込む。
気にいってるのだろうか。
ズルワーンの顔は、綻び緩んだ顔となる。
その時、自室の扉がノックされる。
「ロランが来てるぞ」
と父親に言われて飛び上がり、ズルワーンは、机の引き出しに花冠を隠して、自室から玄関へと降りて行った。
「何か用?」
ズルワーンは、いつもの通り、落ち着いた様子でロランに聞いた。
「なぁ!今日フォルと2人で森の奥の花畑に行ってたんだろ?!どうだった?!」
無邪気な笑顔で、ロランは問いかけている。
「ど、どうだった…って言われても…ふ、普通だった…」
ズルワーンは、困った様に答え、手の平でメガネの横を押し上げた。
「普通かぁ…楽しくなかったのか?!」
また無邪気な笑顔で質問して来るロランに対して、ズルワーンは、少し苛立つ。
「楽しかったが、君には関係ない事だろ」
と少し強く言うと「帰れ」ともう一言付け加えて扉を閉めた。
外でロランは
「ちぇ~!」
と言いながら、帰る足取りの土を踏む音が聞こえる。
「な、何しに来たんだ、アイツ…」
理解不能だという感じでズルワーンは、また自室へ上がろうとする。
その時、父親に
「夕食は?」
と聞かれる。
ズルワーンは、あまり空腹では無かった為に。
「いらない」
と答えると、2階の自室へと戻り、机の引き出しを引いて、中にある花冠を眺めて微笑む。
その顔は、とても穏やかで素直だった。
その時だ。
目の前が、真っ青に光る。
すると周りは、真っ暗闇になり
目の前には、蒼炎が燃え広がっている。
何が起きたのか整理する間もなく、声が聞こえる。
「私は魂、君の未来だ」
声は、蒼い炎から聞こえて来る。
不思議と恐怖は無かった。
「僕の、、、未来?」
ズルワーンは、悩みながら問いかけた
蒼い炎は答える。
「そう、君の未来。私は君で、君は私だ」
ズルワーンは、何か不思議な感覚を感じてこう答える。
「君は、、、僕のなんなの?」





