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Reversal One The Life(リバーサル・ワン・ザ・ライフ)  作者: usiroka
第1章 転生と冒険の始まり
9/25

第8話 武器選び

※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

「分かりました。」


 光輝は勇気を心に持ってはっきりと答えた。


「その心意気です。」


 ルルシアは笑って答えた。


「では光輝さんに適正な職業をおすすめします。先ほど調べた潜在能力によりますとあなたにおすすめされる職業は槍使い・魔導士・武道家・弓使い・ヒーラー・バトルヒーラー・双剣士・短剣士・剣士となります。今こちらに飾られている武器は先ほどおすすめされた武器ですので、手に持って試してください。」


「はい。」


 光輝は一呼吸つけ、まずは『Magic wand』と書かれた杖を手に取った。先ほど見た少女を真似して杖を振った。


 だが何も起こらない。


(あ、あれ…?)


 何かの間違いかと思い、少し杖を振る勢いを強くしてもう一度杖を振ってみたもののやはり何も起こらない。結局何度降っても何も起こらなかった。光輝は頭の中を『?』で埋め尽くしながら息を切らしていた。


「あの光輝さん…。」


「は、はい…。」


「もしかして、魔法を使うは初めてですか?」


 ルルシアは少し苦い顔で質問した。


「は、はい…。」


「初めて杖で魔法を使う際は、魔法の名前を言いながら杖を振らないと魔法が使えないことが多いのですよ…。」


「な、なるほど…。」


「とりあえず魔法の中でも一番簡単な炎の魔法を使いましょうか。『ファイア』と詠唱しながら先ほどのように杖を振ってみて下さい。」


「は、はい…。」


 そんなことを言わないといけないのかと思っていると何だか少し恥ずかしくなってきていた。だがせっかく教えてもらったことなので羞恥心を捨ててやってみることにした。

 光輝は杖を振ると同時に


「『ファイア』!!」


 と詠唱した。






 がしかしライターで火をカチッと火が出たくらいのショボい炎が杖から出ただけだった。光輝は何度も杖を振って詠唱してみるもののやはり先ほどのショボい炎しか出すことができなかった。そしてまた息を切らしてしまった。


「…。」


 複雑な空気がその場に流れていた。光輝は少し下を向いていた。ルルシアは光輝を励まそうと


「…ま、まあ初めて魔法を使われたんですから、こうなってしまってしまうこともありますよ。それに練習していけばいずれかは使えるようになりますし、別の職業とかもありますから…。と、とにかく気にしなくて大丈夫ですよ!!」


 とフォローしたのだが光輝にはある意味フォローにはならず、少し歯を食いしばりながら悔しいと恥ずかしいの感情を混ぜながら顔を赤くして少しの間ではあるが顔を下に向けていた。




 自分に魔法は難しいと考えた光輝は『Sacred staff』と『Staff of healing』と表記された杖を手に取ることを止めて、弓(『bow』)を持つことにした。


 だが弓に必要であるはずの矢が無いことに気が付いた。


「あの、矢は何処にありますか…?」


「えっとその弓の矢は最初から存在していません。」


「存在していない…?」


「弓の矢は自身の身体にある魔力を使って生成します。弓を構えて魔力を込めてみて下さい。」


(魔力を…、込める…?)


 頭の中がまたしても『?』埋め尽くされてしまった。分からないがとりあえず弓に力を加えて構えて


(出ろ!!)






 と弓に念じてみたもののやっぱり何も起こらない。

 弓を握る力をさらに強くしたり、弓の弦を思いっきり引っ張ってみたもののやっぱり駄目だった。


「…だ、大丈夫ですよ!!弓が駄目だとしても他にも武器はありますからめげないでください!!」


 先ほどのようにルルシアは光輝を励まそうとしたがやはり光輝は先ほどのように下を向いていた。

 続いて光輝は武道家の手袋(『gloves』)を手に装着した。先ほど見た少年のように手袋を少し手になじませてからグッと握りこぶしを右手で作って、近くにある岩に体を構えた。腕全体に力を入れて後ろにして磐に向かって思いっきり拳を前に出した。




 ゴン!!






 がしかし岩は砕けず、岩を殴った衝撃は全て光輝の拳と腕に痛みを走らせただけだった。


「…っつ、……っく。」


 光輝は右手を押さえながら痛々しい声をあげながら少しうずくまってしまった。ルルシアは光輝に駆け寄り


「あの光輝さん…、大丈夫ですか…?」


 と聞いたもののやはり


「大丈夫じゃ…、ないです…。」


 とかすれた声で光輝は答えるだけであった。




 しばらくして右手の痛みが治まり、光輝は武器選びを再開することにした。次に短剣(『dagger』)を手にして、ルルシアに指示されたように剣の先端を下にして、わら人形に攻撃してみた。攻撃は当たるものの、距離感を上手く掴めず攻撃がかすれたり、深く刺さりすぎるなどして上手く短剣を扱うことができなかった。


 そして短剣を双剣(『twin sword』)にして先ほどのようにわら人形に攻撃した。だが双剣になると二本の剣を同時に扱わないといけないので距離感だけではなく、両手のバランスを上手くとらないといけないので転びそうになったり、腕が引っ掛かりそうになってしまい、短剣よりも剣を扱うことができなかった。そして光輝は、結局この二つの職業は断念することにした。


 もう自分に合う職業なんてないんじゃないかと思いながらも光輝は槍(『spear』)を手にした。するとルルシアが


「あの、槍は私上手く使えるのですが手本とかは見ますか…?」


 と予想外の発言をしたのだ。


 光輝は手本になるならと思い、手に持っていた槍をルルシアに渡した。ルルシアは光輝から槍を受け取り、わら人形の前に立った。


 そして槍を構えた時、ルルシアの目が変わった。


「…っつ!!」


 一歩踏み出したと思うとルルシアはわら人形に大きく強力な一突きを与えた。だが強烈な一突きを与えたと思うと既に槍はルルシアの手に戻っていた。そしてこれだけでは終わらず、槍をその場で数回回したと思うと、少し構えを変えてわら人形を刺さずに、刃物で切り込むかのように人形を攻撃し始めた。


「せい!!はっ!!」


 槍の先端が短剣のようになり素早く人形を切り刻んでいった。上手く足の位置を変えて、手と槍が絡まらないようにしており、そして時々自分の身体を回転させて発生した遠心力を加えて力の入った一撃も切り刻む攻撃に入っていた。


 少しの間切り刻みの攻撃をしていたが、ルルシアは少し後ろに下がり槍を片手に持ち替えた。そして片手に槍を持ち替えた瞬間に強く前に踏み出し、わら人形に向かって連続で刺し攻撃を始めた。


「はあっ!!」


 先ほどの一刺しよりは威力は低いものの連続とした刺し攻撃は目で追うことができなかった。


 連続とした刺し攻撃に目を取られていると、ルルシアは刺し攻撃を止めて『バッ』と後ろに大きく跳んだ。そしてわら人形に狙いを定めて、腕を力ませてと思うと手に持っていた槍を


「はああああああ!!」


 思いっきりぶん投げた。




 ズドン!!




 大きな音を立てたかと思うと先ほど投げたルルシアの槍はわら人形の胸を大きく貫通していた。


「はあ…。はあ…。」


 ルルシアは少し疲れたのか息を切らしていた。


「…。」


 光輝は槍を素早く的確に振るうルルシアの姿に驚き、目を丸くしてその光景を見ていただけだった。


「…はっ!!すいません!!つい夢中になってしまって…。…あの参考になったでしょうか?」


「あ、はい。」


 目を丸くしていたため少し間抜けな感じで言葉を返してしまった。


 そして先ほど人形に刺さった槍を何とか抜いて実践してみることにした。ルルシアの構えを真似してみるも、やはり槍を初めて手にした光輝には難しいものであり、先ほどのルルシアの連続とした刺し攻撃を真似してみたが一発目から槍がわら人形に深く刺さってしまい、抜くのに手間取るなどして攻撃とは言えなかった。またわら人形を切り裂こうと槍を振り回してみるも、わら人形に攻撃が当たらなければ、深く入り込んでしまいわら人形から槍を抜くことにならなければいけなかったため槍を使うことは諦めた。


 そして最終的に残ったのは剣(『sword』)だった。剣道部であった光輝は実はなるべく剣を持つことを控えていた。剣道部であった光輝が何故剣を持つことを控えていた理由として、一つは竹刀の長さと剣の長さはそれぞれ違うため、バランスやリーチなどが不安定になると考えていた。そしてもう一つは竹刀よりも剣のほうが重いと聞いていたので、手や腕に負担がかかり上手く剣を振ることができないのではないだろうかという不安もあった。


 ここまできて魔法も使えず、槍や短剣も上手く扱えなかった光輝はかなりプレッシャーが掛かった。ここまで光輝が武器を上手く使えなかったことをこの目で見ていたルルシアもかなり不安な目で光輝を見ていた。不安を最大限に抱えたまま光輝は剣を持った。


(あれ…?)


 剣はやはり重いものの、光輝が予想していたものよりは少し軽いと感じた。そして剣が竹刀を持った時と同じくらいに手に剣が馴染んだのだ。


(…!)


 光輝は試しに剣道と同じように剣を振ることにした。


「…。」


 構えを取りまずは上下素振りを始めた。


「…っふ!!」


 軽く済ませてから続いて正面素振り・斜め素振りと変えた。


「…はっ!!」


 そして最後に早素振りで素振りを終えた。


「ふぅ…。」


 額の汗を手で拭って先ほど剣を振るった感覚を確かめた。


(重いのは仕方ないけど、思ったより振ることができるな…。あとは積み重ね次第だな…。)


 今までに比べると一番自分に向いていると思えた。そう思っていると


「光輝さん、今の剣の振り方もいいと思います。けどモンスターとの戦闘ではっその動きだとスキが大きくモンスターからの攻撃を沢山受けてしまいます。試しに自分の好きなように剣を振ってみてくれませんか?」


 とルルシアが提案してきたのだ。


 今の言葉でここは異世界で自分がモンスターと渡り合うなら今のままではまずいと新たに認識したため、光輝はルルシアの提案に乗り剣道の構えをやめてすきなようにしてみようと剣を構えた。


(好きなように…、素早く…、力強く…、そして適当にならないように…。)


 一通りにイメージを終えて、剣を振るい始めた。


「はあぁ!!」


 まずは上から大きく剣を振り下ろし、下から少し右へ剣を振り上げてそのまま左へ剣を振った。


「せいっ!!」


 次に先ほどのルルシアの動きを参考にして、八の字を描くように連続して剣を振り時々少し遠心力加えた回転切りも加えた。


「ふっ!!」


 そして左から右へ横に剣を振り、下から剣を振り上げて少し垂直に跳び


「はあああああぁ!!」


 剣に重みをかけて思いっきり振り下ろした。


「はぁ、はぁ…。」


 一通りの素振りを終えて光輝は地面に座り込んでしまった。やはり剣の重さとなれない動きに疲れてしまったらしい。少し息を整えて


「あの、どうでしたか?」


 とルルシアに聞いた。


「はい、先ほどよりも動きはとても良くなりました。剣にも重みがあって、剣を振るスピードも十分ありました。剣を振る構えも綺麗でしたし総合的にも一番良かったと思います。」


「これならモンスターとも戦うことはできますかね…?」


「むしろ十分すぎるくらいですよ。冒険者になる素質は十分にあります!!」


 剣を振るうことに意識を向けていたため頭は不安を忘れていた。そしてお世辞かもしれないけれど良いと言われて光輝の中にあった不安は消えた。


「ルルシアさん…。」


「はい?」


「俺この剣で戦っていきます。剣士になりたいです。」


「私もそれが良いと思います。念のため聞きますが、本当に剣士でいいですね?」


「…はいっ!!」




 こうして光輝は剣士として冒険者になると決めた。

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― 新着の感想 ―
[良い点] どう使えないのかの表現が上手い。 ここを適当に誤魔化す人多いから注目されにくいけど、結構重要な部分なんだよなこれ。
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