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事態の急変

 太陽が真上から少しすれた頃、私は久しぶりに庭を散歩していた。ここ何か月も図書室に引きこもっていたため外の空気が気持ちよく感じる。


 庭といっても城の中庭であるためとても広い。大きな木のところまで来るとそこに寄りかかるように座った。

 この数か月はとても忙しくあっという間に過ぎてしまった。そして、あと数日でオリビア嬢の誕生パーティーである。


 その事を考えると不安になる。

 私は首から下げている石を手にした。ルイにもらった石はいつでも握ることができるように首から下げることにした。するとルイも“同じがいい”と言って私と同じ鎖を使い石を首から下げている。


 なんだか仲がいい兄弟みたいだ。


 “みたい”ではなく実際その通りだと首をふる。


 それにしても、今日は暖かく木に寄りかかっていると瞼が落ちてくる。少し眠ろうかと思ったところで自分の名前を呼ぶ声がした。よく知った声である。


 でも、眠い。


 睡魔に負けそうになっていると「起きて」と体を揺すられた。仕方なく目をゆっくりと開けると数センチの距離にルイの顔があった。あまりのアップに体が強張った。


 「ルカ、起きた? あのさ」


 その距離のまま話を始めようとするため、自分の顔の前に両手を出しルイの顔を押した。ルイは素直に顔を動かしてくれた。ある程度まで顔が離れると手を下におろした。


 「近い」


 私が眉を寄せて、ルイを睨むがまったく気にしていないというよりその事より伝えたいという気持ちが強いようである。焦っているのが表情によく表れている。


 「オリビア嬢が倒れて、誕生パーティー中止になった」


 今ままであった眠気が一気にどこかへ行ってしました。オリビア嬢が倒れたとはどういうことだろう。彼女は殺されるが病気という設定はなかったはずである。設定はこの際置いといて、オリビア嬢に会えないのは困る。せっかくサラで練習したのだから彼女に会ってこの症状が出ないか確認したい。


 「好機だね」


 目の前で、座り直したルイが腕の組んでニヤニヤと笑っている。彼女が倒れたというのに好機とは意味が分からなかった。

 私はじっとルイを見続ける。


 「分からないかな」


 分かるわけがない。彼女は体調が悪くて誕生パーティーどころではないのだ。原因は分からないがお見舞いでもない限りは彼女に会うことはできないだろう。そこまで考えて気づいた。


 「お見舞い?」


 ルイの言葉の意味が理解できた。確かに普段の彼女に会うより難易度が下がる。私がルイに向かって頷くと頷き返して、強い口で宣言した。


 「なるべく早く、お見舞いにいこう」



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