ルイとの夕食
サラが準備してくれようとしていた夕食をルイと共に設置しながら私の症状についての話をした。私が不安になったのは恐らくあの令嬢を思い出してからだ。今は名前を聞くだけでも体が強張ってしまう。そこから衛兵に緊張する感覚がでた。サラの時、感情の制御ができなくなってしまったのである。
私の話に相槌を打ちながらルイは食事をテーブルに並べていった。支度をしながらルイの食事の心配をしたが、すぐにその必要がないことがわかった。食事は二人分あった。もとすもと、一緒に食べるつもりだったらしい。
「二人分あるよ」
確認の意味を込めて言うと「一緒に食べよう」と笑顔を見せてくれた。私がそれを否定する事がないと思っているようであった。確かに否定はしない。しかし、少かし前までこんなこと絶対になかったと思う。
ルイの性癖に戸惑うことはあるが、それでもここまで近い関係になれたのはよかったと思う。
相談できる相手がいるというのは本当の心強く思う。
食事の準備が整い、ルイと共にテーブルに座った。キレイに盛られている豪華の食事が私の目の前に並ぶ。とても美味しそうな匂いがする。
並んだ食事を見るとなんだか申し訳ない気持ちになりルイに謝罪した。
「食事の準備させてごめん」
食事の準備は本来侍女の仕事である。しかし、私の我儘で食事の仕度をしなければならない状態になってしまった。テーブルに食事を並べるくらい一般人であった記憶を持つ私は大したことないが生まれてからずっと王族のルイにとっては不快であったかもしれない。
「構わないよ。僕はルカと二人きりで嬉しい」
テーブルの上で手を組み、ルイ頬を赤く染めて嬉しそうに目の前に座る私を見つめた。少し前であったら、この言葉は侍女を呼ぶ事ができない私への気遣った言葉だと思う。しかし、ここ最近のルイの様子から本当に喜んでいるのだろう。
「ルイって私の事好きだね」
「好きなんて言葉では表せない。ルカは僕の全てだ」
テーブルから身体を乗り出して言うとその言葉には力がこもっていた。それを私は嬉しく思うがマズイではないかとも感じていた。
恐らくルイは私に依存症している。今はまだ、成人前であるからいい。しかし、成人を迎えたら婚約者ができる。
「ありがとう。だけど私がルイの全てでは婚約者が困ってしまうね」
「婚約者…」
私の言葉にルイは眉間にシワを寄せて、乗り出した身体を元に戻した。そして、口に手をあてる。考え事をすると時仕草だ。
婚約者に心当たりがあるのかな。
私はルイの婚約者をしらない。そもそも成人まで生きられないから決まらずに終わったのかもしれない。漫画のルイは主人公に夢中であったのも婚約者がいない原因の一つであろう。
「ルカの症状改善方法を考えないとね」
ルイの言葉に違和感を感じた。多分“婚約者”と言う言葉がルイの中で引っかかったはずである。しかし、私の症状の話に戻した。確かにそれが最優先事項ではある。これが治らないと私は貧困地域に行くことも叶わない。
きっと必要なら時がきたら話してくれるよね。
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