第6話 夕空に『白』と『赤』
いつの間にか日は暮れていた。
空は赤く染まっていた。
これまでに流された人々の血であるかのように真っ赤に染まる空は、夕空。
アザゼルは空が暮れ、月が見えようともルシフェルを探した。
ただやはりどこにもルシフェルは見当たらなかった。
ルシフェルは第一の天使契約、だから今回の一件のようなことがあっても神の加護があるだろうし、そもそも天使は地上では死なない。
彼らが死ぬのは天界で死んだときだけだ。それ以外は大体復活をする。もしくは自己再生してすぐには立ち上がる。
ふとアザゼルは天界を仰いだ。
天界では神の民、そして助かった人間が神の行いに讃美した。
角笛によって呼び出された子羊たちは次々と神の行った行いを見て、ついには子羊たちも讃美したのか、次々に縁を結ぶ。
次の瞬間だった。
「君たちの行動は見させてもらった。」
アザゼルはその声に聞き覚えがあった。
その声は悪魔契約とノヴァの生みの親。
ジル。
完全に我々は忘れていた。
そして我々の記憶は何者かによって変えられていた。
「この世界に神などいない、なぜならこの世界を作り出したのは私なのだから。」
そう、この世界はジルによって作り出された、再び、1から。
彼はこの世界を一度滅ぼした、いや、正確には人間の記憶を改変させた。
それにより、彼の住んでいた都市や、彼の周辺にいたエネルギーを持たない人間どもは。
都市をバビロンと呼び。
神という名の空虚な偶像を信じた。
彼らの崇めた神はこの世になどいない。
崇めたのは、ジル。
この世界に神などいない。
この世にいる神は、かつての研究者、新時代の神、ジル。
彼らは支配されていた。
もう戻れない。
天使契約も悪魔契約も、ただのジルの研究材料に過ぎない。
「真にこの世に必要なものを見定めていただけだ。」
ただ淡々と言葉を放つ彼。
彼の声だけがこだましている。
彼の姿は見えない。
同じようだ。
アザゼルは思った。
そう、姿をくらましたルシフェルのようだ。
もう見えない。
何も見えない。
ただ残る夕空。
ひたすらに澄み渡っている。
きれいだ。
思わずアザゼルは思った。
この世界はジルが作ったのに。
ジルはなぜこんなにも美しいものを。
見ても何も思わないのだろうか。
こんな下位の悪魔ですら、美しいと感じるのに。
それでもジルは何も思わないのか。
ふざけた世界だな・・・。
こんな世界・・・。
馬鹿馬鹿しいだろう?
何が天使だ。
何が悪魔だ。
位がなんだ。
ノヴァもいない。
なのに、何になる?
世界を守って何になる?
ジルのふざけた世界だ。
壊してやる。
もう何もいらないだろう?
ほしいものは、ない。
だから。
壊す。
壊してしまえば何もいらない。
仲間は封印されている。
だから仲間は傷つかない。
さぁ、すべて壊す。
悪魔にとって、人の欲望、怒りは糧。
さぁ、これからが、本当の黙示録だ。
アザゼルは己が怒りを力に変え、白き馬を駆る。
自分でも驚いていた。
なぜ、この自分の怒りが、「白色」という、聖の色を具現化するのか。
真の神はジルではなく、アザゼルに微笑んだのだ。
互いの利害を超え、人道、神道をなさんとするものに神は微笑む。
そしてアザゼルはさらに赤き翼、赤き服をまとう。
これまでに流された血のように真紅。
そして人間の情熱がごとく赤い。
この手に宿るはかつての悪魔剣ではない。
すべてのジルへの怒りが。
アザゼルの力を通し、強くなる。
そして神の加護を受け、さらなる力へと昇華する。
手に人間のすべての怒りと祈りが伝わってくる。
これが今の俺に必要とされていること!?
たとえ劣等であろうとも、今まで悪を行ってきたものに対しても。
人間という存在は、祈るのか・・・。
破壊衝動は抑えられた。
ジルを消して。
人間は残す。
人間ならそうするのだろう?
悪魔だろうと。
人間だろうと関係ない。
行くぞ。
ジル。
ジルは姿を現した。
この世の新たな神として。
この世に君臨した。
「さぁ、つまらんゴミども。せめて私の望む世界を作れ。」
人間の怒りは有頂天に達する。
アザゼルは手にしている剣から力を感じた。
このひと振りにすべてを込める。
さぁ、くらえ。
ジルの体に驚くほどその剣はすっと入った。
そしてジルは口から血を吐いた。
ただ彼は一言。
「うっ!」
「さらばだ。ジル。お前は神なんかじゃない。この世界の真の劣等だッ!」
かれは地面に崩れ落ちた。
to be continued
どうも、龍崎です。
時間があったのでのせました^^
いやぁ~きちんと回収しつつありますw
今後もまだまだ続きますが、金曜日は投稿できるかいまいちわかりません(´・ω・`)
ちょっとリアルでいそがしくてね、スマナイ
なので一回わかりづらくなってると思うのですこし整理してみてくださいw
そりでは~ ノシ




