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婚約者に好きな人がいると言われ、スパダリ幼馴染にのりかえることにした  作者: みみぢあん


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21/21

21話 愛する人の妻になる ーENDー


 隣国から私とイザークが帰国すると、私たちの結婚式が大急ぎで進められた。


 元々の計画では二人が成長した姿を半年ぐらいかけて、社交界で披露してから王都の中央神殿で豪華な結婚式を行う予定だった


 ……だが。



「どうしたんだ、アンリエッタ? 顔色が真っ青だ」

「だ……大丈夫よ。そんなに慌てないで、イザーク。少しめまいがしただけなの」


 バラスター公爵家に帰国の挨拶で訪問した時に、私は急に体調が悪くなり、公爵邸の居間で倒れてしまった。


「まぁ、かわいそうに……きっと隣国から戻る旅の疲れが出たのね」

「すぐに医師に診てもらおう」


「どうか公爵様、公爵夫人。少し休めばすぐに良くなりますから……おかまいなく」

(いくら嫁ぎ先でも、帰国してすぐにこんな迷惑をかけるなんて。いくら何でも恥かしいわ)


「だめよ、アンリエッタ。あなたは私の大切な娘になるのだから、遠慮しないで」

「そうだよ、アンリエッタ」


「申、申し訳ありません……」

 断わろうとしたけど。結局、公爵夫妻に押し切られて、泊まることになった。


「私が客間の寝室へつれてゆくよ。さぁ、アンリエッタ……私の首に腕をまわせるかい?」

「……ええ」


 酷いめまいに襲われて、ソファに座ったまま目を開けることもできない私を、イザークは軽々と抱きあげた。


「ごめんなさい、イザーク……」

「私は君の夫になるのに。これぐらいで、謝らないでほしいな」

「ふふっ……そうね。ありがとう」



 客間のベッドに横たわり、私は医師の診察を受けた。


 ──その診断結果を聞いた公爵夫妻とイザークは、驚愕の表情を浮かべる。


「お嬢様は妊娠しておられます」


「……ごめんなさい」

(月のものが遅れていたから。『もしかすると?』と、私自身も妊娠を疑っていた)


 もちろん相手はイザークだけど。私は思わず謝った。

 

「謝、謝らないでくれ! アンリエッタ。悪いのは私だから!」

「いいえ、そんなことないわ。だってあの時は、本当に嬉しかったから……」



 隣国で成人の儀式を受けた後。

 成人した貴族たちを祝う舞踏会が、王宮の広間で開かれた。


 その夜イザークは私が暮らす王弟殿下の屋敷に泊まることを許され。

 私は夜中にこっそりイザークの部屋へ行き、愛の告白をした。


『愛しているわ、イザーク! あなたを愛せて私は幸せよ』


 それまで恥ずかしくて言えなかったけれど。大人になったその日に、イザークに伝えようと決めていた。


(結婚する前に私の本当の気持ちを、イザークにすべて知って欲しかったから)


『アンリエッタ……私も愛しているよ。ああ、生きていて良かった! こんなに嬉しい日が来るなんて……』


『伝えるのが遅くなってごめんなさい。ずっと私を愛してくれて、ありがとう。イザーク……』


『私の方こそありがとう……アンリエッタ。一生かかっても待つ気でいたから、少しも遅くないよ』


『イザーク、愛しているわ! 今はあなたが、好きで好きでたまらないの!』


 嬉しくて、嬉しくて、お互いの愛情が激しく燃えあがり。

 キスだけでは我慢出来なくて、私は迷わずイザークに純潔を捧げた。



 結婚式の予定を狂わせたことで、公爵夫妻に嫌な顔をされるかと覚悟していたけれど。

 私の予想に反して、医師に妊娠していると聞いたあとの夫妻は、ずっとニコニコと笑っていた。


『最初は女の子が良いわ』

 ……と公爵夫人が言うと。


『いや、跡継ぎの男の子が良い。その方が後から気が楽だろう』

 ……と公爵様が反論する。


 そんな議論ばかりを繰り返す公爵夫妻に。


『アンリエッタと子供が無事なら、私はそれだけでじゅうぶんです』

 ……とイザークがいさめると。


 夫妻はイザークの意見に納得して、議論を終わらせた。


 私の家族の方は、お父様は予想通り渋い顔をしていたけど。

 お母様と弟のリシャールは公爵夫妻と同じように大喜びして、赤ちゃん用の肌着の用意を始めた。……まだ結婚の準備もしていないのにだ。


 ちなみに準備期間を短縮するのに規模を小さくする必要があったため。結婚式は予定していた王都の大神殿で行うのはやめて。

 私たちの婚約式を行った、恋人たちの聖地があることで有名な、バラスター公爵領の神殿でこじんまりと行った。


 そんな経緯があり。私のお腹が大きくなる前に予定よりも早く、私はイザークの妻になった。


 それから数ヶ月後に私はイザークにそっくりな、元気な男の子を産んだ。





 ──今さらどうでも良い話だけれど。


 元婚約者のエミール様は、一年ほど前に婚約者のレティシア嬢と夜会に出席した時に。人前で大喧嘩をしたあげく、レティシア嬢に殴られたらしい。


 二人はその場で『婚約破棄する!』と罵りあい、別れたとか。


 さすがに二度目の婚約破棄も、見苦しい醜聞も許されず。

 どちらも実家から絶縁されて、エミール様は平民になり。レティシア嬢は、荒っぽい気質の女性が多いことで有名な、南方地域の神殿に送られたという噂だ。




ー END ー





ここまで読んで下さりありがとうございます!

また、どこかでお会い出来れば幸いです(^^)/

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