喫茶店ローズ番外編「アレクシア」
エドワードとアルフレッドと颯太の会話です。
会話だけなので、人物の名前入れてます。
エドワードとアルフレッドは腐れ外道です。
エドワード「でさ。颯太は、アレクシアのことどう思ってんの」
颯太「……どう、って言われると」
アルフレッド「怖い?」
颯太「最初は。正直」
エドワード「だろ。あいつ、初手で圧かけてくるし」
颯太「でも、理不尽ではないですよね」
アルフレッド「お、わかってる」
エドワード「線はちゃんと引くタイプだな」
颯太「放り出さない人だと思いました」
アルフレッド「ほう」
颯太「使うけど、捨てない。責任を持つ感じがする」
エドワード「……甘い評価だな」
颯太「そうかもしれないです。でも、ああいう人が一番怖い時って、何も言わなくなる時じゃないですか」
アルフレッド「鋭いね」
エドワード「実際そうだ。キレてる時より、静かな時の方が面倒」
颯太「怒られてるうちは、まだ範囲内なんだなって」
アルフレッド「生存判定、合格」
エドワード「アレクシアはな。居場所を与える時は雑だ」
颯太「雑、ですか」
アルフレッド「説明しない。安心させもしない」
エドワード「でも奪わない」
颯太「……あ」
アルフレッド「気づいた?」
颯太「はい。逃げ道は残してます」
エドワード「そういうとこが、一番優しい」
颯太「優しい、んですね」
アルフレッド「本人は否定するだろうけど」
エドワード「だから信用される」
颯太「じゃあ……ここに居ていいって思っていいんですか」
エドワード「思っていい」
アルフレッド「少なくとも、追い出される理由は今のところない」
颯太「……ありがとうございます」
エドワード「礼言う相手、違うだろ」
颯太「え」
アルフレッド「アレクシア本人に言いなよ。たぶん、嫌な顔するけど」
エドワード「それで済むなら、安いもんだ」
颯太「そうですね。では、本人に言います」
エドワード「え?お前、ガチで言うの?」
アルフレッド「何?お前?変態じゃん」
颯太「えっ!?」
エドワード「いや、その流れで“本人に言います”ってなる神経がさ」
アルフレッド「普通、脳内で止めるよね。実行に移す発想はない」
颯太「感謝を伝えるのは、変ですか」
エドワード「変」
アルフレッド「だいぶ」
颯太「……でも、黙ってるのも失礼かなって」
エドワード「ほら、そこ。そういうとこ」
アルフレッド「育ちが良いのが逆に怖い」
颯太「褒められてます?」
エドワード「褒めてない。警戒してる」
アルフレッド「アレクシアに“ありがとうございます”とか言ったらさ」
エドワード「十中八九、眉一つ動かさずに“何の話よ”って返される」
アルフレッド「最悪、“暇なら仕事増やすわよ”だね」
颯太「……それでも、言いたいです」
エドワード「うわっ、やっぱお前変態だわ」
アルフレッド「真正面から踏みに行くタイプだ」
颯太「だって、居場所があるって思えたので」
エドワード「その言い方がもう危険」
アルフレッド「地雷原でタップダンスしてる」
颯太「怒られますか」
エドワード「怒られはしない」
アルフレッド「困らせる」
エドワード「一番タチ悪いやつ」
颯太「……それでもいいです」
エドワード「覚悟決まりすぎだろ」
アルフレッド「まあ、止めないけどさ」
エドワード「結果は知らん」
颯太「ありがとうございます」
アルフレッド「だから、それを言うなって」
エドワード「もう遅ぇな。顔が“行く”って顔だ」
颯太「行ってきます」
エドワード「……無事を祈るわ」
アルフレッド「生きて戻ってきたら報告ね」
颯太「はい」
二人の視線を背に、颯太は店の奥へ向かった。
エドワード「なあ」
アルフレッド「ん」
エドワード「ああいうの、嫌いじゃないだろ」
アルフレッド「嫌いじゃないね。危なっかしいけど」
エドワード「アレクシアも、たぶん」




