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コウシャク令嬢マリアンナ(小説)
今回は小説です
208字
講釈令嬢マリアンナには、幼い頃からの婚約者がいる。寡黙令息ジョバンニだ。2人は、いつも寄り添って、仲睦まじく暮らしている。
それは、ある夜の事だった。月は明るく、星の輝く、美しい夏の宵だった。
2人が佇む庭先を、見慣れぬ生き物が横切った。
「あれは、恐らく魔獣の子ですわ。眼が8個もあるのですもの。現在発見されている、あらゆる生き物の眼の数は、魔獣を覗いて1対です。1対とは、即ち2つですのよ」
ジョバンニは、無言で頷いた。
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