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刺繍をする女(小説)
208字
異世界の窓辺で、刺繍をする女がいる。名前は発音出来ない。
何故なら私は、この世界を異世界と呼ぶ人間だからだ。
彼女の姿は、私が元居た世界に住む人間と変わらない。感覚は多少違うが、優しい女だ。
行き倒れていた私を、森で拾ってくれたのだ。
そんな命の恩人と、微かな恋が兆す頃、私は、初めて彼女が刺す作品を知った。
そこには、宇宙があった。あらゆる命の源が。混沌と呼んでも良いだろう。
彼女がひと針刺すにつれ、外の景色は崩れていった。
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