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ふんふーん♬
今日は周君待ってくれてるし一緒に帰れる、デヘヘヘ。 なんだか筆の乗りも軽くていい調子!
って、ハッ!! わ、私なんて物描いてるんだろう!? 思わず周君を描いていた。 しかも漫画チックに……
こんなの見られたら恥ずかし過ぎる。 恥ずかしくて死ねる……
「あれぇ〜? 一ノ瀬さん何描いてるの?」
「はうあッ!?」
突然背後から声を掛けられ変な悲鳴を上げてしまう…… っていつも変に思われてるかもしれないけど。 ってあれ? この声は……
「んふッ。 一ノ瀬さん」
「ふ、藤崎さん。 な、なんで?」
「酷いよぉ、私が来るとおかしいみたいじゃない? それよりそれ何描いてたの? なんか変わってる絵だね?」
「あッ、えっとこれは…… 私の描いた妄想の産物! ほら…… あれだよ、あれ……」
ああ、私何誤爆ってるんだろ? これじゃ痛すぎる。 もう遅いけど。
「ふぅん。 もしかして渡井君だったりして?」
「ギクッ!」
「うふふ、わかりやす〜い! へぇ、そうなんだ。 そんなに愛してるんだ?」
「うええッ!? あ、愛してる!?」
私が大きい声で恥ずかしい事を言ってたので周りの他の部員の目が集まる。 や、ヤバい……
あ! そ、それより藤崎さんに聞きたい事あるんだ、芽依ちゃんの事とか!
「ええっと、 そ、それはそれとして…… 私藤崎さんに聞きたい事があって」
「うん。 だと思った。 吉原さんの事とか?」
「え?」
「だって顔に書いてあるよぉ? サヤ」
「へ!?」
いきなり藤崎さんにサヤと言われてちょっと驚いた。
「あのー……」
「綾って呼んで?」
「ええ!?」
「呼んでくれなきゃ言わないもん」
「…… あ、綾ちゃん」
「…………」
私がそう呼ぶと急に黙ってしまった。 あ、あれ? 私なんかにそう呼ばれてやっぱり気持ち悪かった? と思っていると。
「…… いい」
「へ?」
「いい! ゾクゾクする! もっと呼んで?」
「…… 綾ちゃん?」
「あはぁ…… なぁに?」
顔を赤くして藤崎さんこと綾ちゃんは息を荒くして私の手を取って答える。こ、これは…… き、綺麗な男の子同士なら良いけれど!
そっちは私……って違う違う! 私と違う意味で綾ちゃんは変な方向に進んでしまっているんじゃ……
「あ、あの…… 芽依ちゃんの事どうしてあんな事したの? 酷いっていうか芽依ちゃんとても傷付いてたのに」
芽依ちゃんの話題になると綾ちゃんは途端に白けた顔になる。
「ああ、吉原さんはせっかくいい感じのサヤに余計な入れ知恵して…… んん〜、まぁ渡井君も同罪ね。 挙句の果てにはサヤを堕落させたんだから」
「堕落? そ、それってどういう意味なのかな?」
「ふふッ」
すると綾ちゃんは私の手を掴んで美術室の外へ連れて行きそのまま屋上のドアの前で私を押し倒した。
「うへッ!?」
そしてそのまま綾ちゃんは私の上に乗ったと思ったら目の前には綾ちゃんの顔がすぐ近くまで……
乱暴される!? そう思ったら首筋に綾ちゃんの息が吹き掛かる。
「ああ…… 可愛い。 ずっとこうしたかった。 出来れば前のサヤに…… サヤが可愛いってのはすぐにわかった。 サヤと私は同じだもの」
「お、同じ!?」
「うふふ。 そうだよ? サヤは自分が可愛いってわからなかったけどそれで良かったの。 私がわかってれば。 サヤは綺麗な私、 汚れてなかった私、 私がなりたかった私、 私の心の拠り所」
な、何を言ってるのかまったくわからない……
「それをこんなにビッチみたくさせて…… 許せるわけないじゃない?」
綾ちゃんが私の口元に唇を近付けた。 ま、まさか女の子同士で!? そ、そっち系の趣味なんて……
「サヤの吐息ってとってもそそる」
首筋にツゥ〜ッと綾ちゃんは舌を這わせた。
「やッ、いやッ!」
私は綾ちゃんを両手で突き飛ばした。その拍子にドアに綾ちゃんの身体がぶつかる。
「いやん。 サヤに突き飛ばされちゃった。 えへへへ、こういうのもいいかも」
「よ、よくない!」
私はこの場から立ち去ろうとすると綾ちゃんにスカートを掴まれドタッと倒れた。
「ま、また鼻打った…… いひゃい」
「あー! 綺麗なサヤのお顔が…… そうだ」
「ふえ?」
パクッと綾ちゃんは私の鼻を口に含んでいた。
「うッ…… んむぅッ」
「痛いの飛んでった?」
バッと離れ鼻を擦る。 な、何をするの!? うえ〜ん……
「いい、その表情とっても可愛い! もっと、もっと見せて?」
「だ、ダメ〜ッ!! 」
私は今度こそその場から逃げ出した。怖い、綾ちゃん怖いよ!




