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「今日はお疲れ」
「なんかちょっとあったけど無事終わって良かったね」
「打ち上げ行こうぜ?」
「マジかよ? 疲れてないのお前」
「いいね! 私行きたい! 周ちゃん」
「あ、私らも参加するわ。 いいでしょ芽依?」
「うん、もちろん!」
「お前ら元気だなぁ…… 一ノ瀬は?」
「周君と芽依ちゃんが行くなら…… 行こうかな」
文化祭が終わったばかりで明日は休みなので行く事になった。
「先輩には笑ったねぇ。 芽依の次はもしかして一ノ瀬?」
「一ノ瀬に優しくされて惚れたんじゃないの?」
「…… 困る」
「困るってったって先輩に群がる女いっぱい居るのに贅沢になったねぇ。 それに由紀の言う通りフラれたタイミングであんな風に一ノ瀬にされたら本当に先輩一ノ瀬に惚れちゃったんじゃない」
「ふええ!? そんなつもりじゃなかったのに」
「一ノ瀬、今度やるなら俺にやってくれよ。 俺ならいつでもいいぜ?」
「え? 何を?」
「中村…… あんたにゃ絶対無理だと思うけど?」
「今の時点で撃沈したわ」
俺達がそんな事を言いながら歩いていると西岡グループと遭遇する。
げ…… こいつらも俺らと同じ考えでそこら辺ブラブラしてんのか?
「あ、吉原じゃーん、あとその他」
「芽依に何か用? あんたら居るとろくな事になんないから消えてよね」
「てめぇ篠原…… あ! それはそれとして、いやぁー、一ノ瀬」
まさかの一ノ瀬が呼ばれた事で一ノ瀬は少しビックリする。
「あんた怖いもの知らずねぇ。 綾にあんな事するなんて」
「ふえ? あんな事? あ……」
ケーキ頭にドンの事か。 こいつらって藤崎の事苦手なのか? 同じ部類のような気がするけど。
「藤崎がなんなのよ?」
「綾ってああ見えて私達より派手に遊んでるからねぇ。 その内復讐されて怖ーいお兄さん達にまわされたりして?」
「あの藤崎が? あんたらビビってんだ?」
「ああ!? つうか綾が何考えてんのか私らもよくわかんないし。 でもあれは超傑作だったわ、あはは」
「てことでこれからは背後に気をつけた方がいいわよー? 吉原、てめぇは後で覚悟しとけよ?」
吉原に捨て台詞を言って西岡達はどこかへ行ってしまった。 どんだけ吉原の事目の敵にしてんだよ?
「やっぱただもんじゃなさそうだな藤崎って。 一ノ瀬気をつけた方がいいかもな?」
「藤崎さんのした事私も許せないけど…… 芽依ちゃんと同じで私にいつも優しくて。 だからちゃんと話もしたいし、それに……」
「いや、それは芽依とは違う優しさだわ。 裏がありきじゃん? さっきの話聞く限り」
「…… うん。 お腹空いた」
「一ノ瀬…… お前唐突過ぎ。 話聞いてたか?」
「ええと…… 考えてたらお腹空いちゃった」
「あははは、じゃあサヤちゃんがそう言うならみんなで食べに行こう?」
◇◇◇
私にとって大事な友達や好きな人が出来て初めての高校生活での文化祭が終わった。
色々ヘマしたけど芽依ちゃん達のフォローもあって無事に。 だけど友達だって思ってた藤崎さんが芽依ちゃんをいじめる事になった張本人だという事が心に引っかかっていた。
部活に入った時私に優しく話し掛けてくれてこんな私に色々お喋りしてくれたり、私が部活に復帰した事に何より喜んでくれたあの藤崎さんが。
周君達は気を付けろって言ってたけど何を気を付けていいのかよくわかんないしそもそも元々は誰にも相手にされなかったのに最近は変にチヤホヤされて慣れない。
藤崎さんは最近まともに学校にも来てないしで。 そんなヘンテコな状態だけどムフフ、周君と居ると楽しいんだよねぇ。 私って今が人生で1番楽しいかも。
そして休みが明けて学校の日になった。 最近は周君が来るタイミングで玄関を開けて一緒に学校へ登校するのが日課。
もうバッチリなんだ。 最初の頃は窓から眺めて慌てて出て来たけどこんな事恥ずかしくて言えない。 だけど起きたばかりで寝癖全開だったのもそのせい。
前の私なら絶対にこんな事しなかったのに。 周君を好きになったからだろうか? まぁそうに決まってるよね。
恋愛ものの漫画あまり持ってないから次にどんな事すればいいのかとかよくわからない…… けどまぁいっか! どうせ私がそんなの読んでたってバカだから参考にならないし。
「おはよう周君」
「おはよう一ノ瀬」
どうしよ…… たまに周君に無性に抱きつきたくなる時がある。特に休みの日挟んで会ってないからかな? でも私そういうのって芽依ちゃんみたくさり気なく出来ないし絶対おかしくみられるんだよね。
「どうした? なんかお前カクカクしてるぞ?」
「あうッ…… どうしたんだろね? 」
ほらやっぱり…… こんな時は一歩後ろに下がってまずはそっと手を繋いでみよう。 そう思って出来るだけ自然に周君の少し後ろに下がる。 そして気付かれないように手を伸ばすと……
「ひゃあッ!」
ガシッと周君にその手を掴まれた。
「こ、これは私の右手が勝手に暴走して…… 鎮めようと思ったんだけど」
「? 何中二病みたいな事言ってんだ? …… そっか。 なら俺も収まるまでこうして手伝ってやるよ」
「へ? うん? あれ? 」
周君はそう言ってしっかりと私の手を握ってくれた。 えへへ〜。 なんか幸せ、今きっと気持ち悪い顔してると思うから一旦下を向き表情を整える。
周君きっと私の気持ちをわかってくれたんだね? 嬉しい。 なら…… だ、抱きしめちゃってもいいかな? いいよね? 気持ち悪いかな? でも……
私は勇気を出して周君に勢いよくガバッと抱きつこうとした。
「うわッ!」
「えッ!?」
顔に凄まじい衝撃が走った。 そして私が抱きしめていたのは電柱だった……
「あ…… 悪い。 すげぇ勢いだったからビビって条件反射で避けてって…… 大丈夫か?」
「鼻が…… 鼻が潰れた。 デジャヴ……」
「どれ?」
周君は少し呆れたようだけど心配してくれて私の顔をじっと見た。 いろいろ恥ずかしい……
「顔真っ赤だ。 凄い勢いで顔面打ってたもんな…… 」
「ひゃい…… ごめんなさい」
打ったせいか恥ずかしいせいかもうわかんないよ。 素直に抱きつきたいと言った方が良かったかな?




