遠足のお供達
「酒のツマミとしてならもう少し味が濃い方が……」
「おやつだって言ってんでしょ」
ミニースターラーメンを手に取りそのままぼりぼり。
そこにビールを流し込んで、と。
はぁ、美味い。
「ラメーンはそのまま食べても美味いのだな」
ラーメンな。
「一応、お菓子用に味付けされた奴ですからね?」
「そうなのか」
いやまぁ、某鳥トリラーメンはそのまま食べる人も居ますけれども。
あれ、お湯をかけないで食べると当たり前に味が濃いからな。
酒飲みですら塩辛いというレベルだと思う。知らんけど。
「カケル、甘い物は無いのか?」
「ありますけど?」
という事で取り出したるはガブットチュウ。
いわゆるソフトキャンディなんだけど、すっごい果汁の味が濃いのよね。
これ大好き。
「……ほう?」
「早速いただくぞ」
てことで、ガブットチュウを口に放り込むエルフ三人。
ガブロさん? まだミニースターラーメンでしっぽり飲んでるよ。
「む、美味いな」
「絶妙な柔らかさですわね」
「かなり果汁の感じがあるな。これは美味い」
こんなのが子供の小遣いで買えるからな。
マジで企業努力万歳。
――そういえば、昔テレビで、駄菓子は薄利多売が基本で、一個売れても儲けは数円、とか見たな。
本当にありがとうございます。
「他に甘い物は?」
「じゃあ、ヨンヨンつけボーをどうぞ」
「?」
子供のころにずっと食べてた駄菓子その2。
ビスケットの棒と容器に入ったチョコ、チョコを付けた棒にくっつけるトッピング用のカラフルチョコが入った駄菓子で、チョコをどれくらいビスケットに付けるかで試行錯誤してたなぁ。
控えめにするとチョコが余って容器の底のチョコが掬えないし、チョコが先に無くなるとビスケットだけじゃあ味気ない。
これをビスケットもチョコも同時に食べきれるように調整するのが大変だったし楽しかったんだ。
なお、いつもビスケットを先に食べきってしまい、余ったチョコや指で掬って食べていた模様。
「なるほど、自分でチョコを付けながら食べるのか」
「一旦容器からチョコを浮かそう」
「ビスケットの本数にチョコを等分すれば最後まで楽しめるな」
……あの、流石に魔法を使うのは反則じゃありませんかね?
子供のころに悩んでた問題が、あっさりと解決され過ぎてるんですけれど……。
「む、チョコもビスケットも美味いな」
「自分でチョコを付けて食べると、なんだかより美味しく感じますわ」
「カラフルチョコも付いて、見た目の彩りバランスもいい」
彩りバランスってなんだよ。
知らん言葉を創り出すな。
「カケルつまみが無くなったぞい」
「駄菓子ですからね?」
ツマミ違う。
ったく、じゃあ、これを食べて貰うか。
「どうぞ」
「? これは?」
「テレテレしてんじゃねーよですけど?」
恐らく駄菓子が酒のツマミと認知されている原因の一つであろう駄菓子。
魚肉のシートにピリ辛の味がつけられたこの駄菓子は、正直子供よりも大人が喜ぶものだろって思う。
現に子供のころの俺はそこまでこの駄菓子が好きじゃなかったし。
今? とりあえず酒飲もうって時に一番安く済ませられるツマミとして大変重宝しておりますはい。
――一年に一回あるか無いかだけどね、そんな日は。
「まぁ、酒に合うんじゃな?」
「間違いなく」
「どれどれ」
俺からテレテレしてんじゃねーよを受け取ったガブロさんは、袋を開けてそのままザーッと。
自分の口に向けて袋を真っ逆さまにし、一口で完食。
そのままモムモムと咀嚼して……ビールッ!!
圧倒的ビール!!
「プハーッ……美味いのぅ!!」
はい、気に入ったみたいです。
まぁ、知ってたけどね。
ガブロさんはこれ気に入るだろうって思ってた。
「ピリ辛なのがいい味出しとる」
「でしょ?」
「うむ! これで安いんじゃろ? わしらの世界にもこんなツマミが出てこんかのぅ」
「自分で作った方が早いのでは?」
俺もテレテレしてんじゃねーよをチビチビ食べながらビールをグビリ。
まずね、駄菓子はね、子供がちまちま食べるものなのよ。
ガブロさんみたく口の上で袋ひっくり返して一気食いってのは邪道なのよ。
「カケル、甘い物を」
「はいはい」
甘い物botになったエルフ達に、次なる駄菓子をプレゼント。
渡した駄菓子はチョコラケットなり。
「これは?」
「パン? にチョコをコーティングしたお菓子ですね」
パンでいいよね? チョコラケットの中身、パンなんだろうけど本当にパンか? と首を傾げたくなるようなものだったし。
「じゃあ勝ちですわね」
「だな」
勝ち負けとかありませんけどね。
あ、でも当たり付きではあるな。
スマッシュなら一枚、サーブなら四枚でもう一個貰えたっけ。
――当たった記憶がねぇ……。
「やや固いが、その分噛み心地が良くて美味い」
「チョコが甘すぎないのがいいな。あっさりしていて中のパンと合う」
「さっきのつけボーのチョコを付けたいな」
追いチョコをするな追いチョコを。
……でも確かに、気持ちはちょっと分かってしまうかもしれない。
「ふぅ……美味かったわい」
「何だかんだ楽しみましたわね」
「たまにはこんな日があってもいいな」
「毎度毎度デザートを用意するカケルも大変だろうしな」
よく分かってくれてるじゃないですか。
ただまぁ、言わせて貰えるならば。
何を勘違いしてるんだ? まだ駄菓子のフェイズは終了してないぜ!
「というわけで締めです」
「? 今度こそラメーンではないか?」
「ですよ?」
駄菓子の締めと言ったらコイツでしょ。
トンメン。
マジでミニサイズのカップ麺、以上。
味は豚骨なんだけどあっさり目で普通に美味い。
小腹空いてる時とかにあると便利よ。
……大体それだけじゃ満足出来なくて追加で何か食べることになるけど。
「ズッ」
「ズッ」
「ズッ」
「ズッ」
あの、全員当たり前に一すすりで完食しないで貰えます?




