第46話 前を向く
「……ロコロは……ロコロは悪くない! そして、ロコロのパーティメンバーも、裏切っていない! 悪いのはその……絡んできた人だ!」
「えっ?」
……悩んできた末に出てきた言葉がそれだった。本当にそうかはまだ分からないが、今ロコロを悩ませない為には、取り敢えず自分のせいだと思い込む事から、離れさせなくてはならないと、俺は思った。
ロコロは困惑している。まあ、突拍子のない言葉だったからな……。
「……でも、裏切りじゃないなら、私は……ずっと……」
「勘違いさせた……絡んできた人が悪い!」
「……うーん」
ロコロは、ずっと「でも……」と悩んでいたが、その度に俺は「悪いのは絡んできた人だ!」と言い続けた。
「……そんな……むちゃくちゃな……」
「……それはロコロも同じだ。ロコロは、全部自分で背負おうとしている……全部、絡んできた人が悪いって言うのがむちゃくちゃなら、ロコロが自分が全部悪いと思うのも……むちゃくちゃだよ」
「……」
その言葉を最後に、ロコロは黙ってしまった。
「……そっか、そういう考え方もあるのか……。……うん、ありがとうヒイユ。……私、ちょっとネガティブに考えすぎてた」
……しばらく沈黙した後、ロコロは笑顔を見せ、お礼を言ってくれた。
……ふー、よかった。取り敢えず、ロコロを落ち着かせる事が出来たな……。
……と、俺はほっと胸を撫で下ろした。
「……うん、よかった。レイーナさんや、ケスタさんの言う通りだった。……必死にヒイユを庇っていた理由が……分かった気がする」
「……」
ロコロは笑みを浮かべたまま、最後にそう言ったが、俺は思わず黙ってしまった。
レイーナやケスタが俺を庇ってくれた理由、か。
……俺自身、そんなに理由は分かっていないんだが……。そういう事は、もしかしたら自分じゃ分からないのかもしれないと、俺はロコロを見ながら、なんとなくそう思った。
「……お礼、言わなきゃな」
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「……ケスタ、レイーナさん。その……信じてくれて……庇ってくれて、ありがとう」
俺は、仕事を終えたあと、ちょうど二人がいた時に、そう伝えた。
「……おう」
ケスタは、そう言うと笑みを浮かべた。
「……お礼は働きで返してもらうわ」
レイーナはニコニコとそう言った。
おお……お手柔らかにしてほしいな……。
「頑張ってちょうだいね!」
「は、はい!」
こうして、不安を解消した俺は、満ち足りた気持ちで、武器屋を出るのだった。
この後は……ギルドに行って、勇者パーティの話をする約束だったよな……。
俺はそう考えながら、ギルドへと向かったのだった。




