表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

44/50

第44話 ロコロの過去

「私はギルドで、私を含めての3人パーティで、行動していたの。『どんな時も助け合う』って約束をして、色々な依頼を受けていた……」


「……うん」


「でもある日、配達の依頼を受けていた時の帰り道……そこに居るはずのない、ドラゴンが現れたの。……皆で逃げたけれど、私は途中で転んでしまって……二人はこちらをチラッとは見たけれど、助けること無く、私を置いて逃げた。……これが、私の……話」


 ロコロは話を終えると、静かに俯いた。


「……なるほど、その二人は、約束を守らなかった。だから、裏切り……と」


 ……俺は、どういう返答をすればいいか、分からなかった。

 ……少し、その二人の気持ちも分からなくはないと思ってしまったからだ。

 緊急事態で、結果的に約束を破ってしまっただけで、裏切り……というのとは、また違うのではないかと……その二人も、後悔したりしているのでは無いかと、少し不安になった。

 しかし、約束が一体どんな経緯で結ばれ、そして今までどう守ってきたか分からない以上、今、ロコロに何も言う事は出来ない。


「……あの時、フクシアさんに助けて貰わなかったら……私は……」


「えっ!?」


 俺がどんな言葉をかけるか迷っていると、ロコロは俯いたままでそう呟いた。


 ……フクシアが…………ドラゴンを……?


 ……いやいや、つい驚いてしまったが、フクシアが助けを呼んでくれたとか、そういった可能性もあるな。どの程度のドラゴンかは分からないが、普段居るはずのない強さのドラゴンを、まさか……フクシアが、倒したとか、追い払ったとか……そういう訳ではないだろう。


 ……しかし、今思い返してみると、フクシアは、俺と出会った時一人だったよな……。

 何かしらの仕事で遠出しているのなら、護衛がいてもおかしくはないのに……。


 ……いや、まさか、な。


「えーと、さっき、スキルが理由かもしれないって言っていたよね? それは……?」


 俺はブンブンと首を振り、ロコロにそう問いかけた。


「……うん、それは……かもしれないってだけだけれど、実は私……その二人に比べて、スキルがそんなに強くないの。それで……ギルドで一度、変な人に絡まれて、『お前の仲間にも役立たずだと思われてる』って言葉を掛けられた事があって……。その時は信じていなかったけれど、もしかしたらそれは……事実だったのかなって。……私なんかを、助ける価値は無かったのかな……って……フクシアさんといる時に考えちゃって」


「そうか……」


 ロコロは、初めは裏切られたと怒っていたけれど、段々自分のスキルのせいじゃないかと、自分が悪かったのではないか、とそんな気持ちになって行った、という事か。


「……魔法だって、初級しか使えないし……」


「……」


 俺はロコロの呟きに、思わず苦笑いを浮かべてしまった。俺は……攻撃魔法に関しては、初級も使えないんだが……まあ今はそれは関係ない。黙っておこう。


 ……俺は、自分の事は置いといて、改めてロコロの事を考えた。

 ハッキリとは分からないが、ロコロの話には何か引っかかる所がある。

 ……裏切りとはまた違うのではないか、という事もそうだが、ギルドで絡まれたという変な人に一番の違和感を覚えている。


 ……うーん、この違和感は一体なんだろうか。

 俺は疑問に思いつつ、またロコロと話をしようとしたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ