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コンプレックスな反逆者たち  作者: ゾンビ―鈴木
第三章・竜と狩猟の世界編
62/114

さらなる世界

さて、反逆者たちがたどりついたのは……

それでは、どうぞ

  Side:藍


 機械だらけの世界から散々な目にあったが、なんとか次元の穴に入ったオレ達。

 その後、しばらく周りが……うまく言えないが、何もないところから……


「うおっ!」

「!?」

「眩しい!」


 いきなり周りの風景が変わった。

 どうやら……


「……着いたのか?」

「ああ、そのようだな」


 だんだん目が慣れてきた。


「今回は落下しなかったな」

「さすがにもう一回はご勘弁だ」

「あはは……そうね」


 オレは背後を見る。

 開いていた次元の穴が閉じた。

 さてと……


「それで、ここはいったい……」

「そうだな……」


 オレは周りを見てみた。

 穴を抜けた先は……


「……また森かよ」

「そうね……」


 周りが木だらけの所だった。

 ……また面倒な所に来たな。


「しかし、最初の魔法のある世界とは違う森だな」

「え?」


 マゼンタ。それはいったい……


「木以外の植物が豊富にある」

「……本当だ」


 見たことない草や木の実。

 それに木の種類も豊富で様々な木がある。

 と、ここでイエローがすこし疲れている様子だった。


「どうした、イエロー?」

「なんか……この森……」


 と、イエローは額の汗を拭いながら……


「暑い……」


 ……と呟いた。

 確かに、すごく暑い。最初の迷いの森とは全然違う。

 だがこの程度の暑さならそうはならないはずなのだが……


「そう言えばあたし……機械の所に来てから全く何も食べていない……」

「ああ……そうか……」


 たしかに、あそこは食料らしきものがなかったな……

 そう言えばオレも牢屋で保存食食べたきりでその後激動しまくりだったから……


「あ……そう思ってくると……」

「急に疲労感が……」


 オレとイエローは何故かこのタイミングで疲れが一気に押し寄せてきた。


「おい。気持ちはわかるがこんな右も左も良くわからないところで止まってる場合じゃないだろ」

「そ、それはそうだけど……」

「機械の所は緊張感ばかりあったから……」

「……まったくお前等は」


 なんだよ……そう言うマゼンタはいったいどうなんだよ。

 と、そう文句を言おうとした瞬間、


 グルルルルルルルルルル……


「ん?」


 突如聞こえてきた謎の音。

 これって……


「……おいおい、そう言うマゼンタこそそんなにお腹鳴らすことねえだろ」

「そうよ。こっちだって疲れているし大変なのよ」

「おい。今の音は俺の腹の音じゃねえ」

「はあ? 嘘をつくんじゃない。だってお前ケイロンを倒した後の様子……」


 バキバキバキバキッ!!


「ん?」

「なんだ?」


 なにやら今度は背後で木が倒れる音が響いた。

 そして……


「グォォォォォォ………………」

「「「!?」」」


 何か唸り声が響いてきた。

 俺たちはほぼ同時に背後を振り向くと……


「グルアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

「え……?」

「…………!」

「なに……これ……!?」


 現れたのは……トカゲ!?

 いや、後ろ脚だけで立ってるし、見た目からして爬虫類のような気がするが……


「でかいな……」

「いや、でかすぎじゃね!?」


 なんだよこいつ! 常軌を逸したサイズじゃねえか!

 しかもトカゲと違い爪や牙がある……!

 こいつは……!


 するとトカゲはこちらを見て大きく口を開けて……


「って!?」

「いかん! お前ら!」

「ちょ……!?」


 とっさにオレ達は後ろへ下がった。

 すると……


「「「!?」」」


 首を突き出して、俺たちに食らいついてきた。

 さっきまでオレ達がいたところに首が通過する。


「こいつ……!」

「あたしたちを食べるつもり!?」

「そのようだな!」


 トカゲはこちらをおいしそうに見ている。

 主に……


「なんで俺をじっと見ている」


 マゼンタだった。


「お前が一番おいしそうだからだろ」


 太っているし。


「やかましい」


 ゴッ!


 拳骨で殴られた。


「痛っ! こんな時に殴るな!」

「だったら余計なことを言うな。それになんだあれは?」

「知らないわよ! 見たこともないし!」

「オレだって見たことが……」


 いや、まてよ……

 昔読んだおとぎ話で見たことがある。たしかあれは……


「……竜……まさか竜なのか!?」

「え!? シアン、あれのことを知ってるの!?」

「ああ! 実物で見たのは初めてだけど……!」

「シアン! どういう生き物だ、あれは!」

「たしか……」


 おとぎ話の内容を思い出すと……


「竜……またはドラゴンとも呼ぶ。爬虫類の体に翼と爪とを持ち、口から火を吐く想像上の動物って書いてあったんだけど……」

「翼? そんなものはないけど……」

「どちらにしろ、こいつは何とかしないといけないだろ」


 するとトカゲ……いや、竜(?)はイエローに向かって食らいついてきた。


「あたし!?」

「イエロー!」

「……大丈夫! まだ動けるわ! 【重たい一撃(へヴィブロー)】!」


 イエローは突っ込んできた竜の頭を紙一重にかわし、すれ違いざまに奴の顎に……


「ていやあああああああ!!」


 渾身の一撃を放った。

 その思いこぶしにより竜(?)はのけ反った。


「ギャ…………!」


 効果は抜群だ! あとは……

 ……ん?


「…………!」

「イエロー、どうした!?」


 イエローが右手を抑えてうずくまっている。


「こいつ……硬い!」

「なに!」

「反動で……手が……!」


 おいおいイエロー、普段のお前ならそんなこと気にしないだろ。

 やっぱり、疲労が……!

 しかし、今のやつは顎を殴られたことにより脳震盪を起こしている!


「マゼンタ! 頼む!」

「わかった! 【付焼刃つけやきば】!」


 マゼンタは両手から巨大で熱々の剣を出すと……


「はぁ!」


 ズッ……!


「ギャア!」


 竜(?)の首を斬りおとした。

 首を落とされた巨大な胴体が……


 ズンッ……!


「うお!?」

「わ!?」


 横に倒れたのだった。


「ふう……」


 なんとか倒したか。

 さて……


「イエロー。大丈夫か」


 オレはイエローに安全確認する


「ええ、大丈夫よ。まだちょっと痛むけど……」

「イエローが手を痛めるなんて……」

「あいつの肌、相当硬いわ。金属を殴ったみたいだったわ」

「そんなに!?」


 おいおい、生き物なのかこいつ!?


「イエロー、大丈夫か」


 ここでマゼンタもこっちへ戻ってきた。


「ええ、大丈夫よ」

「いったいなんなんだ。この生物は」

「そうだな……」


 すると……


≪ふむ、もうあれと遭遇したか。その上倒すとは……≫

「うお!?」

「!」

「これって……!」


 突然頭の中に声が響いてきた。

 この声は……!


「そういえば忘れていたな」

「久々に来たわね」


 そうか、忘れていたよ。

 こういう時こそ一番身近な案内人がいるじゃん。


「ノワール! ここはいったいどこなんだ! 教えてくれ!」


 オレはそう呼びかけると……


≪久々なのにその挨拶はどうかと思うがね≫


 そんな返事が返ってきた。


「そういわれても未知の世界は驚きばかりだから早く知りたいんだよ」

「それに久々とはいったがそれはお前からしか出てこないだろ。俺たちからお前に話かけても出るかどうかわからないのだ」

「あと、さっきの生き物は何よ。本当にシアンの言う通り、竜っていう名前なの?」

≪うむ、そうだな。説明しよう≫


 そうだよ。機械の世界だと教えてくれずに行っちゃったし。

 オレ達はノワールからこの世界についての説明を聞いた。


≪ここは、まだ生まれて間もない世界だ≫

「なに?」

「生まれて……」

「間もない?」


 どういう意味だ?


≪それはな、人間は存在するが、まだ文明らしい文明はほとんどなく、創り始めては間もない世界なのだ≫

「文明が……ない!?」


 え……という事は……?


「つまり、この世界はまだ原始に近いということか」

≪そうだ。ここの人間は様々な動物を狩り、その狩った素材で物を作り、食料を作る。そうやって生きているのだ≫

「うわ……」


 完全な自給自足じゃん。こっちとは大違いだな。

 ってか、まだ元の世界じゃないんだな……

 じゃあ……


「さっきの巨大なトカゲみたいなものはいったいなんなんだ?」

≪先ほど見たものか。あれは竜と呼ばれる生き物だ≫

「……! やっぱり……」


 とんでもなかったな、竜。

 だとしたらどうやってこの世界の人間は……


≪正確にはさっきのは恐竜だがね≫

「へ?」


 恐竜? なにそれ?


≪陸生の爬虫類の一群であり、後肢が胴体の下側から出ていることを特徴とする。肉食や草食と種類は豊富で中には空を飛ぶ者もいる≫

「空を飛ぶの? あの巨体が?」

「おいおい、イエロー。さっき言っただろ。翼をもっているのもいるって」

「じゃあ、火を噴くのもいるの? それ本当に生き物?」

「だとしたらやっかいだな」

≪そうだ、この世界の竜はさらに厄介だ≫

「え?」


 さらに? さらにってなんだよ。


≪他の世界にも竜は存在するがこの世界は主に危険な竜や特異な竜が多い≫

「ええ!? 本当に!?」

≪ちなみに先ほどの恐竜、全体から見て最弱ランクだ≫

「マジで!?」


 あれで最弱なの!? あの巨体で!?


「とんでもない世界に来たな、俺たち」

「マゼンタ。何で冷静なの……」

「逆になんでお前は取り乱しているんだ」


 お前ら、あのおとぎ話を見たことがないからそういえるんだ。

 どの話も竜ってのは凶悪で強いって書いてあったし……


「シアン。大丈夫よ」


 イエローが俺の方に手を置いて静かに言った。


「イエロー……」

「あたしたちは神や天使相手に戦っているから、これぐらい大丈夫よ」


 ……そうだよな。

 あいつらの方がもっと恐ろしかったな。


「そうだシアン。竜がどんなものかは知らんが、心配するな」

「マゼンタ……」


 イエロー曰く、硬かったらしい肌をこいつは斬ったんだしな。


≪せいぜい食われぬよう気を付けるのだな。では……≫

「ノワール……。わかった、ありがとよ」


 はは、悪魔にまで気を付けられるとは……

 ノワールは忠告をした後、いってしま……


「ちょっと待て」

「うん? どうしたマゼンタ?」

「まだなにか聞きたいことが?」

歪んだ空間の力場(ゲート・スポット)は?」

「「え?」」


 そういえば一言も言ってない。

 ってことは……!


「おいノワール! 今回の歪んだ空間の力場(ゲート・スポット)は何処にあるんだよ!」


 ……………………しかし返事はなかった。


「こらぁ! またノーヒントか! しかも今回はなにもなしかよぉ――――――――――――!!」


 しかし、叫んでも返事は聞こえなかったのだった。


「……………はぁ」

「シアン。もう慣れたろ。自力で探すしかない」

「そうよ。別にいつものことなんだから……」


 やめろ、お前ら。変に励ますな。


「けどよ! 前回や前々回は歪んだ空間の力場(ゲート・スポット)を知っている人がいたからいいものをこの世界でそれを知ってる人はいるのか!?」

「へ? どういうことよ」

「だって文明が発達してないってことは歪んだ空間の力場(ゲート・スポット)の存在を知っている人すらいないかもしれないんだし……!」

「あ……」

「それもそうだな」


 まだ始まったばかりなのにもう詰みの予感がしてきたオレ達。

 と、その時だ


「きゃああああああああああああああ!!」

「!?」


 今は…………悲鳴!?

 しかも、声からしてまだ幼い……!

 ちっ! 本当に休ませてはくれないんだな、おい!


「シアン!」

「……わかった。【三位一体トリニティ】で行く!」

「よし! じゃあ準備して!」

「ああ!」


 本当は嫌だが、そうは言ってられない。

 オレ達は三位一体トリニティで悲鳴が聞こえてきた方へ向かっていった。

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